カーレスト諸島
2日後、マルス達は、レティナ達のローブの付与魔法を終わらせて、交易品をシルフィード号に乗せ終る
『マルス様、次は帰りですか?』
ルキアが笑顔で聞く
『多分帰りにも寄ると思うけど、王妃様も居るから、直行で帰るのかな?』
『見習いの魔法使い達には、基礎をしっかり教えておきます』
ルキアが笑顔で言う
『ルキアなら、良い弟子になってくれるね』
『え! 弟子ですか? まだまだ半人前ですので、弟子は無理です』
ルキアが慌てて言う
『リーネ、ルキアと仲良くね』
『はい、マルス様、ルキア師匠を支えます』
リーネが微笑みながらルキアを見ていると、マルス達はキャス号に乗り込んで、南に飛んでいく
カーレスト諸島が見えてきて領主の館の方に飛んでいくと、兵士の指示で、領主の館の裏に着陸する
『ジエル御兄様、視察に来ました』
リリシャが出迎えに来たジエルとメーレスを見て微笑みながら言う
『リリシャ、夏は遊ばなくて良かったのか?』
ジエルが慌てて言うと、メーレスが微笑みながらリリシャを見ている
『ウルシナ公国まで行ったら、忘れていました。 メーレス御姉様、視察に来れなくて寂しかったですか?』
リリシャが微笑みながらメーレスを見ている
『リリシャ様が来なかったので、毎日空を見ていました』
メーレスが微笑みながら言う
『メーレス様、お茶会していますので、乗ってくださいね』
リリシャが微笑みながら言うと、メーレスがキャス号に乗り込んでジエルが後を付いてくる
メーレスとジエルが食堂に入る
『え! 王妃様』
メーレスが慌てて言うと、ジエルが頭を下げている
『メーレス様も座って話しましょうね』
王妃が微笑みながら言うと、ジエルが苦笑いして見ている
(え! 王妃様とレセナ王女様とサトメル王女様まで・・・これは歓迎の宴が必要なのか? それよりも招待されているのか? リリシャ、何の目的で来たんだ?)
『ジエルさん、少し散歩行きたいのだけど』
マルスが笑顔で言うと、ナディア達が集まっている
『護衛の兵士は用意する』
ジエルが苦笑いして言うと、マルス達はキャス号を降りていき、クリスとミーレスがサトメルも誘っている
町中に向かい、買い食いしながら歩いている
『お兄ちゃん、あの魚大きい』
レティナが指差すと、みんな魚を見に向かう
『嬢ちゃん、この魚は高いぞーー 旨いからな』
主人が笑顔でレティナ達を見ている
『いくらかな?』
マルスが笑顔で魚を見ている
『金貨2枚だ! 旨いからな』
『兵士さん運んでおいて』
マルスが金貨を出してから、兵士を見ている
『え! 兵士が・・・』
魚屋の主人が驚いてマルスを見ていると、兵士が魚を荷車に乗せている
『レティナお姉ちゃん、綺麗で大きな珊瑚』
ルシアナが店に飾られている珊瑚を見ている
『中に入ってみよう』
レティナが笑顔で言うと、ルシアナと手を繋ぎ入っていく
『いらっしゃい・・・お嬢ちゃん達、買わないなら触らないように』
店員がレティナとルシアナを見て言う
『え! はい』
ルシアナが驚いて、レティナの手を握りしめる。レティナ達は順番に見て回る
『お兄ちゃん、この石何か違うのかな?』
レティナがマルスを見て聞くと、マルスも見ている
『その石か? 何だか解らないが、欲しければ、金貨1枚だ! 出せないだろう?』
店主が笑いながら言う
『これで』
マルスが金貨を置くと、店主が驚いている
『本当に買うのか? そんな石』
『もしかして、売る気が無かったのかな? 代金出したのに?』
マルスが笑顔で店主を見ている
『え! どうぞ・・・』
店主が苦笑いして、白い大きな結晶を受け取り、レティナに手渡す
『ルシアナちゃん、帰ったらゆっくり見ようね』
レティナが笑顔で言うと、ルシアナが嬉しそうに頷いている
色々な店を見て回っている
『マルス御兄様、何だか苦しそうに呼んでる』
ルシアナがキョロキョロしながら言う
『どうしたの? 何も聞こえないよ』
レティナがキョロキョロしながら言う
『え! ・・・だけど聞こえるの』
ルシアナがレティナを見てから、マルスを見ている
『聞こえないですけど・・・ルシアナちゃんどうしたの?』
クリスが周囲を見ながら言う
『ルシアナちゃん、どっちから聞こえるかな?』
マルスがルシアナの顔を見て聞くと、ルシアナが周囲を見てから、指差して、マルス達が一緒に歩いていく
町から出て遺跡の方に行き、キョロキョロしながら折れた大木の前にくる
『呼んだのは、あなた?』
ルシアナが木を触って言うと、クリス達がルシアナを見ている
『あれ? 違う? えーと』
ルシアナが跳び跳ねている。マルスが抱き上げて、ルシアナがキョロキョロしている
『あ! どうしたの?』
ルシアナが倒れた大木の上を見ている。マルスは魔力視を使い、魔力の塊を見つける
(う・・・聞こえるの? もう力尽きる時に)
『どうしたの?』
(厄災の封印が・・・厄災が復活します・・・早く避難しなさい)
『厄災? 何? どっちにどんな厄災?』
ルシアナが考えながら聞く
(黒い悪魔・・・強靭な肉体で人間では太刀打ちは出来ません・・・精霊達の力で押さえ込んでいる間に逃げて・・・)
ルシアナは、精霊から聞いた内容をマルス達に説明をしている
『これは、キリシアが喜ぶかな?』
マルスが笑顔で言う
『マルス様、直ぐに対応しますか?』
ナディアが微笑みながら聞く
『マルス師匠、直ぐに戻って調査に向かいますか?』
エリカも考えながら聞くと、みんな顔を見合わせている
(何か怖いものが復活するのですか?)
『ルシアナちゃん、その子どうしたら救えるのかな?』
マルスがルシアナを見てから、魔力の塊を見ている
『あのね、魔力が欲しいって、自然の魔力だから、魔力が豊富な所で休めば治るみたいです』
『自然の魔力か・・・ルシアナ、少し魔力を与えてみようか?』
マルスが魔力を集中して、魔力の塊に近付ける
『え!マルス御兄様、その魔力じゃダメだって』
ルシアナが慌てて叫ぶ
『ルシアナ、少し魔力を手に集めようか?』
マルスが笑顔でルシアナを見て言うと、ルシアナが魔力制御で手に魔力を集め、手を魔力の塊に近付けると、魔力が魔力の塊に吸収されている
『少し元気になったみたい』
ルシアナが嬉しそうに言う
『今のルシアナだと、それが限界だから何回かに分けて魔力を分けてあげようね』
『うん! マルス御兄様』
ルシアナが満面の笑顔で言う
『お兄ちゃんどうするの?』
レティナがマルスを見ながら聞く
『リリシャ達と相談してから調査しよう』
マルスが笑顔で言う
『お兄ちゃん、戦うのが前提? 凄く喜びそう』
レティナがマルスの顔を見てから想像している




