王妃のアーメルドと町散策
商会の方に歩いていくと、魔法練習場を王妃がじっくり見ている
『マルス様、何故王妃様が来訪しているのですか?』
ルキアがマルス達を見付けて、歩いてきて聞く
『サトメル様を見送りに行きます』
『見送りに? 見送りではなく、送り届けにですか?』
ルキアが王妃を見て呟く
『ルキアちゃん、そうですね。レセナ様なんて、飛空艇に乗って、いつの間にかリベリアに付いてきていました』
エミールがレセナを見ながら言うと、ルキアがレセナを見て驚いている
『当然のように王妃様と一緒に居ます・・・町中を簡単に出歩いて良いのでしょうか?』
ルキアが苦笑いして聞く
『騎士が護衛しているからね・・・あ! 革屋に出来ているか聞きに行こうかな?』
マルスが思い出したように言う
『マルスですね。暇潰しにしましょう』
リリシャが微笑みながら言う
『馬具とフロートの魔導具でしたら、後で送り届けるように伝えておきます』
ルキアが慌てて言う
『それなら、早く準備して始めよう』
『マルス様、ここで護衛をして欲しいです』
ルキアが慌てて言うと、アルクオドールの馬車が到着する
『マルス殿、何故?』
アルクオドールが苦笑いしてマルスを見ていると、エミールが微笑みながら説明をしている
『サトメル様を見送りに・・・いつもの食堂を貸し切りにしておきましたが、何が餞別を用意した方が良いのか?』
アルクオドールが考えている
『あ! 交易品用意して、シルフィード号で運んで、リオンド・ベラクード王国に届けておくね』
マルスが思い出したように、アルクオドールを見ている
『直ぐに造船所に届けておきます』
アルクオドールが笑顔で言うと、兵士に指示している
王妃がマルス達に気が付き微笑んでいる
『王妃様、御来訪感謝申し上げます』
アルクオドールが笑顔で丁寧に挨拶をしている
『良い場所ですね。屋上で休みの日はゆっくりと?』
『はい、政務に疲れたら、ゆっくりしています』
『ふふふ、早く子供を作りなさいね』
王妃が微笑みながらルキアを見ていると、ルキアが真っ赤になっている
『歓迎の宴は必要ないでしょうか? 食堂で宜しいですか?』
アルクオドールが言うと、王妃が笑っている
『堅苦しいのはいりませんわ! ここにいるのは、家出娘が甥に泣かれて落ち込んでいるのを見て笑っている母親ですわ』
王妃が笑いながら言う
『御母様ーーー マキリクちゃんに嫌われてません!! もう御母様ーーーーー』
メトリシアが急に大声をあげると、ルキアとアルクオドールが驚いている
『ふふふ、2人とも泣かせてますからね・・・マルス殿には凄く懐いていますね』
『もうーーーー マルス師匠どうしたら泣かないか教えてくださいーーー』
メトリシアがマルスを睨んでいる
パン屋からパンの籠を持って、商会に入っていくと、王妃が見ている
『メリア、あのパンは良い匂いですね』
王妃が微笑みながら見ている
『魔力補充係りの昼食です』
『昼食ですか・・・あのパン屋は?』
『この間、マルス様が思い付いて作られました。海兵の子供がパンを焼いています』
『見学に行きますわ』
王妃が笑顔で言うと、歩いていき
王妃とサトメルとレセナは、メリアの案内でパン屋の中を見て戻ってくる
『マルス殿、クレシアが喜びそうですね』
王妃が満足そうに言う
『リベリアの時みたいに、非常時にパンの配布もアルクオドール様ならしてくれそうです』
マルスが笑顔で言うと、ルキアとアルクオドールが顔を見合わせている
『あーーーマルス師匠が押し付けを!』
メトリシアがマルスを見て言うと、みんな笑っている
『パンの配布? 薪がいらないからですか?』
王妃が考えている
『王妃様、非常時にこの建物なら壊されないですから、パンを焼いて、配ることが可能と言うことです。アルクオドール様なら、町の人と為に兵士を配置して、炊出しもしますから』
メリアが微笑みながら説明をすると、王妃がアルクオドールを見ている
『そこまで考えが回らなかったですが・・・町の人達の為に必要が有れば行います』
アルクオドールが笑顔で言う
『マルス師匠の思い付きですから、そこまで考えてないです。 今思い付いた事を言っただけです』
メトリシアが笑いながら言う
『マルス様ですから・・・ウンディーネ号が有りますから、何が有っても直ぐに料理出来ますから』
メリアが微笑みながら言う
『マルス殿ですね・・・ルキアさん、シルトバス家の子供達は、魔力補充している人達ですね』
『え! 何故』
ルキアが驚いている
『ふふふ、シルトバス伯爵夫人から聞き出しましたわ! マルス殿がミリアのお小遣いで魔法学院に通わせるなんて・・・良い嫌味ですね、夫人も予想外の事でも、領内の魔法使いの実力の無さに、呆れ返ってますわ』
王妃が微笑みながら言う
『魔力補充係りが増えて良かったです』
マルスが笑顔で言う
『困ったことにもなりますね・・・他の地域の魔法使いが使い物にならなすぎる・・・何か良い案はありませんか?』
王妃が微笑みながら聞く
『魔法使いの能力か・・・実力が有るか、試験するのはどうでしょうか? 冒険者ギルドみたいに』
マルスが笑顔で言う
『試験を? 能力を確認して、ランク分けですね・・・良いですね、無能者には厳しい現実が突き付けられますね』
王妃が笑みを浮かべている
『あーーーマルス師匠が魔法結社を作ろうとしています』
メトリシアがマルスを見て言う
『メトリシア、凄く良い案ですわ! 今、世界最高の魔法学院が有りますから、国内の魔法使い達のランク付けをして、能無しの最低ランクは、解雇出来ますわ! 成長しない魔法師団員も減給出来ますわ』
王妃が笑みを浮かべている
『高ランクの魔法使いを求めて争いになりそうですが・・・口だけの魔法使いは生活が出来なくなりそうですね』
メリアが考えながら言う
『使えない魔法使いは、魔力補充係りですわ! ふふふ、マルス殿が沢山作ってくれれば良いだけですわ』
王妃が笑みを浮かべてマルスを見ている
『管理する人が足りなくなります。3年は準備が必要です』
メリアが考えながら言う
『3年ですか? 何故3年の?』
『今年の10人が卒業したら、今の担当者達は別の町の責任者に出来ます』
メリアが微笑みながら王妃を見ている
『準備を進めましょう・・・ふふふ』
王妃が満面の笑みを見せている
(メリアが居れば安心できますわ! 能無し魔法使い達は、どう抵抗しますか? ふふふ)
日が暮れると、アルクオドールの案内で食堂に向かい、王妃は、美味しい料理に満足する




