遺跡から帰還
遺跡を出て騎士団の所に戻り、騎士達は副団長の元に向かう
『副団長!ただいま帰りました!』
『帰ったか!ご苦労!』
『報告します。キリシア殿達によってゴブリンロード及びヴァンパイアを倒した事を報告します』
騎士が言うと
『なんだと!!ヴァンパイアだと!!』
副団長はガシリオを見る
『ゴブリンロードの後ろにヴァンパイアがいたぞ!』
ガシリオも言うと
『何て事だ!しかし、倒してしまったのだな!』
『ちょっと強かったけど・・・・槍が・・・』
キリシアが言うと
『何があったのだ?』
副団長が聞くと
『槍を砕かれて落ち込んでいるだけです!』
リリシャが言うと
『私の風天の槍が・・・・』
『帰ったらまた作ろう!今度はギレリムにゴーレムの鉱石で作ってもらえば良いしね』
マルスが言うと
『そうだけど・・・気に入っていたんだけど』
キリシアはまだ落ち込んでいる
『ゴブリンロードとヴァンパイアを討伐して槍ぐらいの被害であれば良い方だぞ!』
副団長は笑顔で言う
『騎士団ならば全滅していましたね』
ガシリオが言うと
『間違いなく全滅だな・・・・恥の上塗りになるが事実だな・・・』
『副団長・・・』
騎士達は言葉を詰まらせる
『再編して実戦に耐えられる騎士団を作り直すと誓おう!!』
副団長は騎士達を見て言う
『リベリア警備隊はその上をいくと誓おう!』
ガシリオが笑いながら言うと
『ガシリオ!!警備隊が強いのは良いが、それ以上強くなったら騎士団が追い付けないだろ!!』
『追い付かせない様にすればいくらでも強くなるだろ!』
ガシリオは笑いながら言うと
『わかった!必ず警備隊より強くしてやる!!』
副団長は笑いながら騎士達を見て言う
『全力を尽くします!!』
騎士達が言う
『取り敢えず、あとの話しは明日にしよ』
キリシアが言うと
『あ!申し訳ない。直ぐに休息と食事の準備させます』
副団長は準備させるように命令する。キリシア達は休息するために出ていく
『ガシリオ、キリシア殿達は本当に強すぎるな!』
『強いが、準備も超一流だ!』
『何でだ!』
『騎士団に、遺跡に入るための灯りを準備してきた者はいたか?』
『それは・・・・誰も持っていってない・・・』
『灯りなしで遺跡探索は出来るか?』
『それは・・・・無理だ』
『ヴァンパイア対策は誰か考えていたか?』
『想定外だ!』
『キリシア殿達は準備していたぞ!!』
『なっ、なんだと!!』
『下手したら魔族が出てきても対応出来ていたみたいだからな!』
『嘘だろ・・・・・・そこまで・・・』
『騎士を育てる以前に想定と準備をしてこい!!!』
ガシリオは副団長に言うと
『うっ、やっぱりガシリオ副団長やらないか?』
『人に押し付けるな!リベリアが楽しいから絶対やらない!!』
『人材無くして再編は出来ない・・・・・』
副団長はうつむいて黙り込んでしまう
翌朝、出発準備をして北の領主の町に向かう
『見えてきたね』
『いない間に襲われてはいない様だね』
リリシャが言う
門が開き兵士達が迎えいれてくれ、副団長と何か話している
『北の遺跡に巣食っていたゴブリンロードとヴァンパイアは英雄によって倒された!!もう少しで平穏な日々が戻ってくるぞ!!!英雄達を迎えるぞ!!』
領主の息子の言葉に町中から歓声が上がり出す。そして騎士団を先頭に入っていく
『凄い盛大な歓迎だね』
キリシアが笑顔で言うと
『危機が去った証拠だからね』
マルスが言うと
『町中の人が集まっているかな?』
リリシャが言う
『師匠達は本当に英雄です!!弟子になれたことを感謝します』
ミリアが言うと、アニーは微笑んで頷き周りを見る。住民は笑顔で称え続けてくれている
領主の館に入り
『よくぞ討伐してくれた、感謝いたします、直ぐにささやかな宴の準備します』
『本当にささやかで良い・・・騎士団は何もしていないので!全てはキリシア殿達が成し得た事です』
副団長が言うと
『やはり別格の実力者ですね』
『俺の命の恩人ですから』
領主の息子は笑顔で言うと
『再びヴァンパイアを倒すなど凄い功績です』
領主が笑顔で言う
『ありがとう』
キリシアが答えると
『英雄としてみんなで称えましょう!』
領主が言うが
『面倒だからやめて』
キリシアが苦笑いして言う
『これだけの功績、爵位だけでなく領地も貰えますよ』
『いらない!』
キリシアがキッパリ断る
『え?本当に・・・・・・・・・』
領主は固まる
『無理だろうな・・・ここまでキッチリ断られては・・・』
副団長は苦笑いしている
『準備できたらリベリアに帰るからね』
キリシアが言うと
『王都に寄って報告ぐらいは・・・・』
領主がいうと
『副団長に任せる!!』
『約束ですから、報告は私がします』
副団長が言うと
『褒美はいらないのですか?』
領主が言う
『面倒ならいらない!』
キリシアが言う
『これ程の英雄を称えないなんて・・・・あり得ません!』
『面倒ごとは副団長とガシリオに任せた!!』
キリシアは笑いながら言う
『何を言っても無駄ですよ』
マルスが言うと
『次はきっと冒険者には地位や名誉は必要ないって言われるから』
リリシャが笑いながら言うと
『リリシャ!私のセリフ取らないで!!』
キリシアがリリシャに言う
『本物の英雄は物語の英雄として語り継がれるべきです』
副団長はそう言って領主を見る
『そうですね・・・我が領地では永代に渡り語り継ぎましょう』
領主はそう言って頭を下げる
『え?それは恥ずかしい!』
キリシアは赤くなりながら言う
『改めて言わなくても既にいくつかの冒険譚として冒険者は歌っているぞ』
ガシリオが言うと
『え?なにそれ!!』
『特に有名なのは12層階層主を倒してギルドに着いて3人同時に倒れたのは多くの冒険者が語り継がれているぞ』
『え?あれは・・・限界ギリギリだったから』
『あれは危なかったね』
リリシャは微笑んで言う
『この前の6人の魔法使いを助けたの何て英雄視されているからな!無謀な冒険をした魔法使いを助けるために3人は帰ってきたばかりの迷宮に向かい、6人を保護して、2人の瀕死の魔法使いを奇跡の魔法で助けたとね』
ガシリオは笑いながら言うと
『あれは・・・リリシャとマルスの実力だから・・・・』
キリシアは恥ずかしそうに笑う
『結構師匠達の英雄譚は流れていますよね』
ミリアが言うと
『リベリアだけだからまだ良い!!』
キリシアが言うとリリシャとマルスは笑い
『だけど、名前は出さないでね』
マルスが言うとみんな頷く
『承知しました』
興味深く聞いていた領主はそう言って副団長を見る
『名前を出さなくてもみんな知るでしょうね!伝説になる英雄の名前は後世に残ります』
副団長が笑いながら言う。騎士団に兵士達、警備隊、冒険者、領主の家臣たちでささやかな宴を開いて英雄達を称えた
翌朝
『どうする?』
キリシアが聞くと
『出来れば親に会ってきたい』
マルスが言うと
『直ぐに行こう』
キリシアは外に向かって歩き出す
『いつものキリシアだね』
リリシャは微笑みながら言う
トーラスト村の人が避難している場所に行き、マルスの両親と話をしたあと、町中をブラブラ歩くことにする
『暗かった町に活気が戻ってきたね』
『そういえばそうだね』
『お!やっと姿を見せたな英雄殿!!』
ゼタルが見つけて声を掛けてくる
『ゼタルいたんだ!』
『え?まさか忘れていたのか?俺の事を・・・』
ゼタルが言うと
『完全に忘れていたよ』
キリシアが笑ながら言う
『嘘だろ・・・討伐に一緒出来なかったのはまさか忘れていたからか?』
『え?一緒に行きたかったの?』
キリシアの言葉に持っていたものを落として
『当たり前だろ!俺ぐらいの実力者じゃないとお前達について行けないだろ!!』
ゼタルが顔を赤くして言う
『足手まといかな?』
『そんな・・・・』
『今度ルメイルと勝負して勝ったら考えてあげる』
キリシアがルメイルを見ながら言うと
『わかった!次は必ず連れていって貰うぞ!』
『それまでにルメイルはもっと強くなって』
マルスが言うと
『え?・・・・ルメイル強くなっているのか?』
『ガシリオより強くなったよ』
『まさか・・・・・闘気も使えるのか?』
『師匠に習いましたのでもう少しで闘気を剣に纏えると思います』
ルメイルが言うと
『まさか・・・・・それ以上強くなるなよ!』
ゼタルはルメイルを睨み言う
『ルメイル、私に追い付いてね』
キリシアがイタズラっぽく言う
『師匠、努力します』
ルメイルが言うと
『待て待て!!それじゃ俺は連れていって貰えないと言うことか?』
『魔石拾い係かな?』
『・・・・・・また魔石拾いか・・・』
ゼタルはうつむいている
『ゼタルも強くなるように努力してね』
キリシアは笑ながら言うとみんな笑い出す