ゴブリンシャーマン撃退
町に出て、ゼタルの所にいくと
『ゼタル、町中のゴブリンは大丈夫かな?』
『大丈夫だな。今、冒険者と住民が回って調べているが、見つけ次第倒しているから、もうほとんどいない』
『わかった!』
『トーラスト村の住民は?』
『こっちだ!見付けてあるぞ』
ゼタルは案内してくれる。そして村長と村人達を見つける
『父さん、母さん!』
マルスが言うと
『マルス』
抱き合い無事を喜ぶ
『レティナは無事に着いたか?』
『留守にしていたから、帰ってきたら家で待っていてくれた』
マルスが笑うと
『大丈夫だったのか?』
『フローネ先生が見てくれているから大丈夫だよ』
マルスが微笑むと
『レティナさんは、冒険者ギルドと警備隊が責任を持って守りますので安心してください』
ガシリオが言うと
『あっ!ありがとうございます』
父親と母親はガシリオに頭を下げる
少し見て回ってから領主の館に戻ることにすると、騎士と魔法士団員が俯いている
『どうかしましたか?』
『いや!なんでもない』
『大分落ち込んでいるようですが』
『副団長が調べて、状況を把握して怒り、説教されてしまい、さらに魔法士団員の不甲斐なさにも怒り心頭しています。更に逃亡した連中は捕まえて処断してやると怒りまくっています』
2人とも苦笑いしか出来ていない
『ここから挽回するしかない』
キリシアが言うと
『しかし、私達では役に立たなかった』
2人とも悔しさに手が震えている
『訓練する?』
キリシアが微笑みながら言うと
『いえ、これ以上自信を無くしても・・・それに今、副団長が全員を指導中です』
『じゃあ私も混ぜて貰おうかな』
キリシアは笑顔で訓練場に向かうと騎士達が疲れて座り込んでいる
『あれ?もう終わっちゃった?』
『軟弱者だ!』
副団長は怒鳴る
『リリシャ、お願い』
キリシアの言葉にリリシャとミリアとアニーが回復魔法をかけて回り、騎士達は立ち上がり、副団長に立ち向かうが負けていく
『軟弱者!』
『一手指導をお願いします!』
ガシリオが剣を片手に立ち向かう
副団長と互角に打ち合いそしてガシリオが副団長を倒す
『負けた!!もう一度だ!』
副団長は闘気を纏い、もう一度ガシリオに挑む。高速の剣戟を見せるがガシリオは何とか防いで一瞬の隙に相討ち覚悟の一撃を与える
『くっ、負けた!』
『怒りで鈍っていますよ!』
『ガシリオ!副団長やらないか?』
『冗談を!』
ガシリオが笑う。団員もガシリオを見ている
『やっぱり戻る気はないか・・・・』
『無いですね。しがらみがなくて隊員もどんどん強くなっていますからね』
『確かに軟弱団員よりも強いな・・・』
『一緒に訓練すれば』
キリシアの言葉に副団長は笑い
『そうするか』
警備隊隊員も訓練用の剣を持って騎士団と一緒に訓練を始める
夜になり門から報告がくる
『ゴブリンが集まってきているだと!』
『門で迎え撃とう』
キリシアがそう言って立ち上がり、みんなで門に向かう
『確かに集まってきているね』
『昨日の残りかな?』
『そうだね。近くにいないとこの時間に集まってこれないからね』
マルスが言うと
『後続が本命だね』
『じゃあ取り敢えず殲滅しちゃおうか?』
キリシアが言うと
『あの数を迎え撃つつもりか・・・・』
ガシリオが苦笑いして開門の準備をする
『ガシリオは門の防御ね』
『いや!門は騎士団で責任を持って1匹も通さないぞ!』
『じゃあガシリオは護衛お願い、ルメイルも暴れて良いよ』
キリシアが笑顔で言うと門を出てゴブリンの方に歩いていく
『副団長良いのですか?』
『一理ある!門は昨日やぶられているから、門を開けておけば一点に集まってくれるからな』
『気合い入れます!』
副団長と騎士団員は冒険者の後ろ姿を見つめる
『先制攻撃しちゃおうか?』
マルスがニッコリ笑いながら言うとリリシャが魔力を集め出す
『・・・・ファイヤーストーム!!』
ゴブリンの左右に火の柱が立ち上がり、ゴブリン達を焼き払い始める。そしてゴブリンは突撃してくるが、キリシアとルメイルが斬り倒し始める。そしてアニーとミリアのファイヤーアローが次々とゴブリンに突き刺さる。マルスは[サーチ]を使いながらゴブリンの多い所にリリシャと魔法を撃ち込み、倒していく
『ガォーーー!』
咆哮をあげたオーガ3匹が突撃してくる。マルスはファイヤーボールを先頭に撃ち込み、上半身を吹き飛ばし、剣を抜き、一閃。オーガを両断する。最後の1匹も後ろから首を飛ばす
反対から迫るオーガに、リリシャがファイヤーボールを放ち、上半身を吹き飛ばし、もう1匹はミリアのファイヤーボールとアニーのウインドカッターで倒す。そして最後の1匹はマルスが両断して倒す
『ドカーン』
キリシア達の所に炎の玉が炸裂する
『ゴブリンウィザード!!』
すぐに火の玉を作っている辺りにリリシャがファイヤーストームを打ち込み、焼き尽くす。炎の中からキリシアとルメイルが出てきてゴブリンを殲滅する
『油断した!』
キリシアが苦笑いしながら叫ぶ
周りを確認し、生き残りが居ないのを確認してからキリシアとルメイルは戻ってくる。リリシャはすぐに回復魔法をかけて治す
『久しぶりに怪我した』
キリシアが言うと、みんな笑う
炎の向こうから大きな影が浮かび上がり迫ってくる
『親玉登場?』
『あれはゴブリンウォーリア!』
ガシリオが言うとキリシアが突撃していく。ゴブリンウォーリアもキリシアに突撃してくる。そしてキリシアはゴブリンウォーリアの攻撃をかわして槍を振るおうとするが、キリシアは衝撃波に弾き飛ばされる
『魔法!あそこにもう1匹いる!』
マルスは急いでもう1匹に接近するが、ホブゴブリンが邪魔をしてくる
キリシアはゴブリンウォーリアの攻撃をかわして立ち上がり、距離をとって闘気を纏い、槍にも纏わせる。ゴブリンウォーリアの一撃に合わせて一撃で両断する。マルスはホブゴブリンを次々と切り捨てて突破する。そして魔法をかわしながら突撃して、一気に加速する魔法を放つ。ゴブリンシャーマンは逃げ出すが、後ろから両断して倒す
『このゴブリンの魔法痛かった!ムカついたから本気出しちゃった』
キリシアが言うと
『凄い技だったね』
マルスはニッコリする
『ゴブリンシャーマン!だからゴブリンが連携をとっていたのか!』
ガシリオが言うと
『じゃあしばらく大丈夫なのかな?』
『それどころかすぐに国王に報告しないと!!』
『ガシリオどうしたの?』
『シャーマンに、ジェネラルに、ウォーリアと来たら、間違いなくロードが来るぞ!』
『副団長に確認して貰おうか?』
マルスが言うと警備隊隊員が副団長を呼びに行く
『まさかシャーマンまで出るとは・・・・』
『そんなに強くないけど魔法は面倒』
『国軍に出動して貰わないと・・・・しかし、倒しましたとの報告は先にしないと・・・・騎士団が何もさせて貰えず、見ているだけなんて言ったら団長に怒られるな・・・・』
『仕方ないさ・・・・俺も剣を抜く事すらさせて貰えないからな』
ガシリオが苦笑いすると
『俺たちは必要なのか?』
副団長が言う
『面倒な報告はよろしく!』
キリシアが笑いながら言うと
『諦めろ!休息時の警備と報告が仕事だ!もし今日、先に戦ったら何人死んでいた?』
ガシリオが言うと
『全滅だな!それよりも魔法を食らってからの、あの一撃で倒したのを見たら仕方無いか・・・・悔しいが』
『死ぬ程訓練をするしかないさ』
ガシリオが言うと副団長は笑いだす
門に戻り、監視を任せて休憩する事にする