テジルホルカセリカ王国 前編
日が暮れる頃、マルスとメリアは騎士団長の元に向かう
『英雄様、どうなさいますか?』
騎士団長がマルスを見て慌てて聞く
『後始末の為にあの兵士達を引き連れて、各地の城を落としてきてね。隣国の町は先に行ってお仕置きしておくから』
マルスが笑いながら言うと、メリアが笑っている
『隣国の町? 王都を攻めるのか!! お仕置きで良いのか・・・各地の城だと!!』
騎士団長が驚いている
『兵士達には、お仕置きと祖国を攻め落とすのと、どっちをするか決めて貰ってね』
『答えは出ているか・・・すぐに出発させる』
騎士団長が騎士に言うと、騎士が慌てて走っていく
『後始末よろしく。後、奴らの聞き取りもよろしく』
マルスが笑顔で言うと、キャス号に戻っていく
『文句が言えないか・・・この後どうなるか・・・世界征服でもするのか? その気ならもうしているのか?』
騎士団長が苦笑いしている
キャス号は、隣国のテジルホルカセリカ王都向けて飛んでいく
『見えましたね。氷漬けにしてきますね』
リリシャが微笑みながら外に出ていき、エビリアとクレスタも付いていく
『マルス、リリシャやる気が凄すぎる・・・私の獲物用意しなさい』
キリシアがマルスに怒鳴ると、みんなキリシアを見ている
『リリシャ遊び過ぎかな?』
マルスがリリシャの出て行った方を見て呟く
『町全部氷漬けにしそうですけど』
メトリシアが呟く
『やり過ぎて、氷の王都になりそうです』
エミールが笑っている
『リリシャならやりそう・・・だけど降伏受ける人達は、どのぐらいで到着できるかな?』
マルスが考え込んでいる
『その内到着出来ると思いますけど、その前に降伏条件は?』
エミールが考えている
『美味しい料理と調味料を毎年徴収かな?』
マルスが笑いながら言う
『あ!! それ良い!! 乗り込んで早く旨い料理を貰うぞ』
キリシアが満面の笑顔で言うと、フローネが頭を抱えている
(この子達は、一国を攻めて、降伏条件が食料なんて、笑い話も良い所です・・・遊び気分も良いですが・・・)
シルフィード号に乗った、リリシャ達は、城壁に近付き
『ハイブリザード』
リリシャが魔法を放つと、城壁沿いにシルフィード号が飛んでいき、キャス号は、王城に近付きエミールとエレーヌとミリアとメトリシアが氷漬けにしていく
『エミール、ちょっと任せた』
マルスが思い付いたように言うと、フライで氷の上に飛んでいく
『ハイブリザード』
『アイスコントロール』
マルスが魔法を使いながら、王城の上の氷を形を変えている。徐々に形が出来上がる
『マルス、何遊んでいるのですか』
シルフィード号が近付いてきて、リリシャが笑いながら飛んできて、満面の笑顔で言う
『暇だったから、それにこれが崩れたら、城も終わりかな?』
マルスが笑いながら言う
『そこの上に部屋を作って、休憩しましょう』
リリシャが笑いながら言うと、みんな楽しそうに集まってくる
『エミール、ミリアは、土台の氷を強化してきてね』
マルスが笑顔で言うと、アイスコントロールで城の中に部屋を作り始める
『この子は・・・城攻めのつもりが、平和な遊びですね』
フローネが入ってくると、苦笑いしている
『ちょっと楽しかったです。 すぐに崩れ落ちると思いますけど』
マルスが笑顔で言う
『落ちる前に消滅させましょうね』
『はい! フローネ先生、王城は消滅させておきます』
リリシャが笑いながら言うと、みんな爆笑している
『怪我させないようにしなさいね』
フローネが頭を押さえながら言う
(この氷の城を消滅です! 遊びすぎも良くないですね)
休憩が終わると、エミールが外に出て下を見ている
『逃げようと、氷を砕いています』
エミールが呟くと、多くの兵士が必死に氷を砕いている
『キリシアどうする? 雑魚だけど』
『行くよ! 暇潰しだ』
キリシアが笑いながら言うと、マルスに抱き付いて飛び降りる
マルス達が兵士達の後ろに着地する
『氷を崩して大丈夫ですか?』
マルスが笑顔で聞く
『早く逃げるには、穴を開けるしか無いだろ?』
兵士が振り返り言う
『崩すと上の氷が落ちてきそうですけど』
『知るか・・・何者だ』
兵士が不思議そうな顔をしている
『仕方無いなーー 少し崩してあげる』
キリシアが笑顔で言うと、闘気の刃を作り、氷の壁に向けて突きを放ち、キリシアの槍は城壁ごと貫き穴が開き、氷に亀裂が出来ている
『何者だ!! 貴様ら』
騎士がキリシアを見て剣を向けている
『掛かってこい!! 根性叩き潰す』
キリシアが笑顔で言うと、闘気をまとい、次々と兵士を弾き飛ばしている
『貴様ら! 我こそはテジルホルカセリカ王家最強の剣豪・・・』
男が何か言おうとするが、キリシアが一気に接近して、槍で弾き飛ばして、男は氷の壁にめり込み、氷に亀裂が走っている
『あ! 何か言っていたかな?』
キリシアが苦笑いしている
『キリシア、城から出てきたよ』
マルスが笑顔で言う
『任せなさい』
キリシアが嬉しそうに槍で次々と兵士達を弾き飛ばして、王城に入っていく
兵士達の四肢を砕きながら進み、玉座の間の前に到着する
『みーつけた』
キリシアが笑顔で部屋に入る
『降伏する!!』
国王が大声で言うと、周囲の男達が睨んでいる
『は? 無理! お仕置きする』
キリシアが笑顔で言う
『小娘!! いい気になるなよ』
男が怒鳴り、騎士が剣を抜いている。キリシアが闘気をまとい次々と兵士を弾き飛ばして進む
『後はお前達か?』
キリシアが笑顔で言う
『化物ーーー 同盟諸国が許さないぞ』
『同盟諸国? 知らない』
『小娘ーーーー! 降伏してやる』
『無理ーー 誰も受けれない! 覚悟しろ』
『ちょっと待て、何でもやる! そうだ! 宝物庫の宝でどうだ・・・爵位を与えよう・・・』
『知るか!! 覚悟』
キリシアが槍を振ると、男の腕の骨が砕ける音と共に弾き飛ばされ、キリシアは四肢を砕き始める
『ハイヒール』
エミールが微笑みながら回復魔法を使い、国王は驚きながらエミールを見る
『頑張って百回堪えてくださいね』
エミールが微笑みながら言うと、キリシアが国王の両足に槍を叩きつけている
『ギャーーーーーーー』
国王が涙目で叫んでいる。キリシアは容赦無く四肢を砕き、エミールとエレーヌが回復魔法を使っている
 




