連合軍にお仕置き 後編
マルスとキリシアが着陸すると、マルスがアースコントロールを使いながら、堀と土の壁を作って進んでいる
『やっぱり一人だと疲れる』
マルスが壁を見ながら言う
『ただ歩いただけ!! 私の取り分は!!』
キリシアが大声で叫ぶ
『みんな上手だから、中心部に残っているね・・・それとも彼奴らやる?』
マルスが人合成された化物を見て言う
『あれは、嫌!! 魔法結社ダークブラドーゼンの奴らなら、いくらでもお仕置きする』
キリシアが合成された化物を見て怒鳴る
『騎士団が到着するまで、見学かな?・・・あ! リリシャ、範囲を拡げた』
マルスが兵士達の方を見て言うと、中央付近の兵士達も倒れて踠き苦しんでいる
『雑魚なんてどうでも良い!! 早く魔族出てこい!!』
キリシアが不機嫌そうに叫ぶと、マルスに抱き付いて、マルスがフライで飛んでキャス号に戻る
『マルス様、近くで見学すると、魔力の違いが良く解ります』
アーセルが微笑みながら言うと、リシリアを見ている
『アーセルもやってみる?』
『さっき少し魔法を使いましたが、やっぱりどんなにやってもあの範囲は不可能です。何万人居るのか解らないですけど』
アーセルが微笑みながら言うと、宮廷魔術師達が苦笑いしている
『人数なんて、気にしてないけど、虐殺したお仕置きは手加減してくれないよ』
『そうですね・・・システィーナ様があの融合された化物を見て、吐いていました・・・あれはトドメ討たないのですか?』
『騎士団に任せるよ、この国の国民だから・・・今回出兵した国々も同罪かな?』
マルスが悲鳴をあげている、兵士達を見て言う
『騎士団が到着したら、魔法結社ダークブラドーゼンの人を追加でお仕置きします』
アーセルが笑顔で言うと、宮廷魔術師達が顔を見合わせている
(ん? 追加でお仕置きする? アーセル様がしたいのか? 魔法練習には良いけど・・・仮にも他国の軍隊にお仕置きして許されるのか? これは戦争なのか? あれ? 戦争なら、何処と何処の戦争?・・・リベリアの英雄対魔法結社ダークブラドーゼンの戦争? 個人同士の喧嘩に国家が荷担しているのか? 攻められているのは・・・テランフルセリカ王国だから、テランフルセリカ王国の戦争? ホルギリス王国も・・・オテリオス王国もか? もう意味が解らない・・・)
『魔法の練習台にしてね』
マルスが笑顔で言う
『奴らは、私の獲物!! 先にボコボコにする!! 回復魔法よろしく』
キリシアが大声で怒鳴る
『はい、キリシア様、回復魔法も良い鍛練になります』
アーセルが笑顔で言い、兵士達を見ている
翌日、テランフルセリカ王国の騎士団が到着すると、騎士が壁を登って、青ざめて壁から滑り落ちている
『何が有った』
騎士団長が慌てた様に聞く
『へへへへっ兵士が苦しんでいます・・・何万居るのか解りません・・・それにおぞましい姿の化物がいます』
騎士が震えながら言うと、騎士団長が慌てて壁を登って、中を見ている
『これが・・・人の力か? ・・・これでは戦争にもならない・・・あれは・・・』
騎士団長が人が融合された化物を見て震えている
騎士達が壁沿いに走り、一周して戻ってくる
『騎士団長、完全に包囲されています・・・どうしたら?』
騎士達が苦笑いしている
『降りてきてくれないと、訳が解らない・・・待機だ・・・町の様子を見てこい』
騎士団長が大声で言うと、騎士達が壁沿いに進み、町に向かう
騎士団長がキャス号を見上げながら待っていると、騎士達が戻ってくる
『町に人の気配は有りません・・・子供や老人の死体が無数に放置されてます』
騎士が震えながら言う
『は? 子供まで!! 何故だ』
『やった本人達に聞くしか無いですが・・・終わるのですか?』
『え! 降りてきてくれない・・・何からしたら良いのか? そもそも、騎士団が来る必要があるのか? 誰か教えてくれーーーー 何からしたら良いのか!! 誰か!!』
騎士団長が叫ぶと、騎士達が苦笑いしている
日が暮れる頃、キャス号が降下してきて着陸し、レオレトレスとシスティーナとアーセルとマルスが降りてくる
『英雄様、これは何からしたら良いのですか』
騎士団長が大声で聞く
『ん? 好きに処分してね。満足したらやめると思うから』
『あの化物は!!』
『多分、町の人かな? あれを見なければ、もっと早く終わったのに』
『町の!! じゃあ国民・・・何故だ!』
『魔法結社ダークブラドーゼンを潰す理由、解りましたか? 後始末よろしく』
マルスが笑顔で言うと、レオレトレスが苦笑いする
『後始末・・・約束だ! 後始末するが、何処まですれば良い!』
『約束通り、全部!! レオレトレス様、あとは任せました』
マルスがレオレトレスを見て言うと、騎士団長とレオレトレスが相談を始めている
騎士達が壁を超えて、兵士達の中から身分の有りそうな人と魔法結社ダークブラドーゼンの信者を担いで持ってくる
騎士と魔法結社ダークブラドーゼンの男達が必死に懺悔を始めると、騎士と騎士団長が怒りに手を握りしめている
『理解は出来たかな? 後は任せます』
マルスが笑顔で言うと、キャス号に戻っていく
『大変だが、約束通り後始末を始めてくれ・・・日が昇ったら、お仕置きが再開されない事を祈っていろ』
レオレトレスが騎士団長に言い、キャス号に戻っていく
『は? 約束通り? ・・・後始末ぐらいなら・・・』
騎士団長が呟く
『騎士団長、何処までが後始末ですか?』
騎士が隣で呟く
『は? 何処までが? 後始末・・・はーーーーーー! どうしたら、この数始末するのか! どうしたら出来るんだ!!』
騎士団長が大声で叫ぶと、キャス号に乗ってレオレトレスが振り返り、微笑んでいる
(ここは押し付けないと、これ以上押し付けられる訳にいかない)




