ホルギリス王国王都 離宮
離宮に向かうと豪華なドレスを着ている女が立っている
『愚かで無礼な人間、ひれ伏せ』
『お前が王妃か? 何故魔族と手を結んだ』
マルスが睨みながら言う
『世界の王に逆らうのか? 苦しみながら死ね、後でコレクションに入れてあげますわ』
王妃が笑いながら言うと、後ろから人の塊のような物が動きながら出てくる
『お前達も一部になりなさい』
王妃が笑いながら言うと、マルス目掛けて近付いてくる
『人を合成するなんて・・・それも生きたまま・・・早く楽にしてあげる』
マルスが動く物を悲しそうに見て呟く
『うぁーーーいたーー痛い』
動きながら人の顔から悲鳴が聞こえている
『ファイヤーストーム』
炎の柱が出来上がり、動く物を消し炭に変えている
『お前達、一斉にかかれ』
王妃が後退りしながら叫び、次々と合成獣が出てくる
『ファイヤーテンペスト』
マルスが魔法を放つと、全てを焼き尽くしている
『貴様がリベリアの英雄か? なるほど強い・・・私の僕になれば、世界征服出来るぞ』
王妃が笑いながら言う
『興味ない、こんな禁忌許されない』
マルスが睨みながら言う
『死になさい! ヴァルザル契約通り殺せ』
王妃が叫ぶ
『仕方ないですね・・・リベリアの英雄がここに来たなら、殲滅しましょう』
王妃の影からヴァンパイアロードが現れて言う
『ヴァルザルは?』
王妃が不思議そうに呟く
『我らが王は、忙しい。この程度の事で手を下すことは無い。レッサーデーモンども殺れ』
ヴァンパイアロードが怒鳴り、空間からレッサーデーモンが12体現れ、マルス目掛けて突進してくる。マルスは剣を抜き闘気をまとい、接近するレッサーデーモンを次々と両断して、レッサーデーモンが地面に転がっていく
『次は? 』
マルスが笑顔で言うと、ヴァンパイアロードが炎をマルス目掛けて放ち、マルスが剣で炎を斬っている
『人間めーーーー』
ヴァンパイアロードが怒りに叫び、空間からヴァンパイアが6体出てくる
『シャイニングバースト』
マルスが光の閃光を放ち、ヴァンパイア達を消し飛ばしていく
『馬鹿な・・・貴様人間なのか? こうなったら』
ヴァンパイアロードが恐怖に黒い結晶を出すと、砕き黒い触手が周囲に集まり、ヴァンパイアロードを飲み込んでいき、王妃も黒い触手に捕まっている
『何? 何故? キャーーーーーーー!離せーーー』
王妃が叫び、黒い触手に飲み込まれていく
黒い姿に赤い目を光らせ、無数の触手が揺れている姿に変わり、王妃の顔も目の下に有る
『力が漲るーーーーーー!』
黒いモンスターから声がする
『ホーリー』
マルスが魔力を溜めて放つと、黒いモンスターは浄化の光で触手が消え始め
『ウギャーーーーーーーーーーーーーー』
苦しみの叫び声と共に触手がマルス目掛けて伸びてくる
『シャイニングバースト』
マルスは触手を避けながら、魔法を放ち、黒いモンスターに風穴を空けるが、黒い触手が穴を塞ごうとしている
『セイントファイヤーテンペスト』
白い炎が次々と黒いモンスターに当たり、黒いモンスターが徐々に小さくなっている
炎が無くなり、黒いモンスターがボロボロになりながら、黒い結晶が見えている
『ホーリーレイ』
マルスが魔法を放ち、黒い結晶に当たり、甲高い音と共に砕け散り、黒い靄が辺りに漂っている
『ホーリー』
マルスが魔法を放ち、聖なる光に包まれ、黒い靄も消えていく、全てが消えると、人が手足を失った状態で倒れている
『マルス様、終わりましたか?』
アーセルがマルスの横に来て聞く
『あれが成れの果てか・・・アーセル、後始末よろしく・・・研究資料は封印しないと』
マルスが言うと、後ろからリリシャ達がやって来る
『マルスーーーー!! 1人で戦うな! 取り分は』
キリシアが大声で怒鳴る
『マルス、1人で倒したらつまらないでしょ』
リリシャが微笑みながら言う
『今回の敵をあまり見せたくなかった・・・アーセル、説明任せた』
マルスが慌てて言う
『え! 説明? 無理です!! 人を合成した物なんて、なんて説明したら良いのですか?』
アーセルが慌てて言う
『アーセル、詳しく話しなさい』
リリシャが睨みながら言うと、アーセルが青ざめながら説明を始め、英雄騎士隊とオルガーとイースも説明をしている
ウォーゼンとシスティーナとタリートがやって来ると、レッサーデーモンと死体を見て青ざめている
『だすげで』
王妃の声が聞こえると、みんな集まって見ている
『これが・・・気持ち悪い』
メトリシアが顔を背ける
『酷い・・・何故こうなった?』
キリシアが呟き顔を背ける
『合成・・・黒いモンスターになったけど、分離出来なかった・・・後はウォーゼンに任せよう』
マルスが考えて言うと、ウォーゼンを見る
『これが・・・末路・・・力を求めたらこうなるのか・・・』
ウォーゼンが泣きそうな声で言う
『魔族と手を結ぶなら、覚悟してね』
マルスが言う
消し炭の死体に指輪を見付けて、システィーナが拾う
『御父様ーーーーーーー!』
システィーナが叫び泣き始める
『え! システィーナどうした?』
ウォーゼンが慌てて、システィーナを見て、手に持つ指輪を見て青ざめている
(御父様まで・・・これがホルギリス王国がしたことなのか? どうしたら? もう秘密にするにも・・・魔族が絡んでいるなんて、もうどうにも出来ない)
 




