北へ出発
翌日、リリシャはポーションを作り続けて、グゼンは追加の材料を届けに来て
『これで私が持っている材料の在庫は無くなりました』
『ありがとうございます。出来上がったものはあそこです』
『え?まさか全部出来ているのですか?』
『作りすぎたかな?』
『いえ!売り時ですので大丈夫です。このまま領主に納品します』
グゼンは馬車に載せて納品に向かう。そしてリリシャは残りの薬草でポーションを全部作る事にする
マルスは魔力制御で付与魔法の準備を続けている。そして夜になり
『マルスまだやっているの?』
『後は剣が3本あるよ』
『手伝うね』
『防具の魔力の通りを確認して。お願い』
マルスの言葉にリリシャは防具を確認し始め
『全部出来ていますね』
リリシャは笑顔になる
『休憩したら付与魔法使うね』
マルスは笑顔で言う
ご飯を食べた後、マルスは付与魔法を始める
ルメイルの鎧は構造強化、魔法防御、体力強化、生命力強化、軽量化
アニーのジャケットは、構造強化、魔法防御、物理緩衝、生命力強化、防汚
ミリアの外套は、構造強化、魔法防御、魔力強化、物理緩衝、防汚
『完成したね』
『これでみんな、防御力上がるね』
リリシャは微笑みながら言うと
『後は剣だけだね』
『この剣は何を付与するのかな?』
『それは考えているよ。出来るかは解らないけど』
マルスが言う
『師匠、ラーケンさんが来ました』
『え?ラーケンが来たの?』
マルス達は外に出るとラーケンが
『間に合ったな!このマントを渡しに来たぞ!革の上に水蜘蛛で作ったマントだ!』
ラーケンは渡してから笑って帰っていく
『3人分だね』
『ラーケン、頑張って作ったんだね』
『これを先にやっちゃおうか?』
『そうだね』
リリシャは笑顔で言う
マルスとリリシャは、マントを魔力制御で確認すると
『凄い!魔力が通りやすい』
『これならば早くできるね』
マルスとリリシャは笑顔になる。早速魔力制御で準備をする
マントには中級構造強化、防汚防水加工、中級火防御、中級精神異常防御、中級闇防御の付与魔法をする
『これでかなり良い防具になったね』
『ヴァンパイア対策しておかないとね』
マルスの言葉に驚きながらも頷く。そして夜遅くまで付与魔法の準備をして寝ることにする
翌朝、荷物を纏めて出発の準備をする。フローネがやって来て
『準備は進んでいますか?』
『フローネ先生、おはようございます』
キリシアが言うと
『リリシャとマルスは?』
『まだ寝ています』
『もう起こさないとダメですね』
フローネは微笑みながら言うと、ミリアが起こしに向かう。しばらくしてリリシャとマルスは起きてきて準備をする。そしてアニーの格好を見て
『あ!ルメイル、ミリア、アニー着替えてね』
『え?何ですか?』
『あ!マルス!完成したこと言ってないよ!』
リリシャの言葉に、マルスは急いで工房にみんなを連れていく
『これがルメイルの鎧ね、アニーのジャケットとミリアの外套ね』
『ありがとうございます』
3人は笑顔で言うと着替えに持っていく
『まさか3人の防具は本気で付与魔法をしましたか?』
『手加減はしてあります』
フローネにマルスはそう言ってキリシアにマントを渡す。フローネはキリシアのマントを鑑定して、溜め息をつく
『また凄いマントですね』
『ヴァンパイア対策です』
マルスはそう言うと
『精神魔法と闇魔法防御ですね』
フローネも頷く
『あの剣は?』
フローネが言うと
『これから付与魔法をします。出来ればガシリオに貸したいので、少し迷っています』
『構造強化だけよりも何かを付けたいのですね』
『そうです。これにしようと思っています』
マルスは紙をフローネに渡す
『え?とんでもない事を考えましたね?』
『やってみても良いですか?』
マルスは笑顔で言うと
『やってみても良いとは思いますが成功したら国王に報告する必要が有ります』
マルスは剣に付与魔法の準備が出来上がっているか確認すると、付与魔法の魔方陣を起動して、魔石に魔方陣を書き込む
『確認してください』
フローネは受け取った剣の魔方陣を確認して微笑む
『完璧ですね』
フローネは魔力を通して剣全体に魔力が行き渡り、完成を確認する
『体力強化回復構造強化型の完成ですね』
フローネの言葉にリリシャは微笑んでいる
『え!・・・・師匠、本当ですか?』
リシリアは驚きながら言うとマルスを見つめている
『じゃあ残りも完成をさせますね』
マルスは4本の剣に次々と付与魔法を施す
『マルスの付与魔法は凄いです・・・・・とんでもない付与魔法使いですね・・・・』
リシリアはフローネに言うと
『この剣は本当に凄い剣です。多数の敵と戦い続ける事が出来ますからね』
フローネの言葉にリシリアは笑顔になる
『戦いに有利になりますね』
『馬車が到着しました』
エビリアが伝えに来ると
『ポーションの残りを渡してください』
リリシャが言うとエビリアは伝えにいく
『どうでしょうか?』
ミリアとアニーが着替えて戻ってくる
『アニーはぴったりだね。ミリアはやっぱり少し大きいね』
『はい!だけどどんな付加が付いているのですか?』
[アニーのジャケット]構造強化、魔法防御、物理緩衝、生命力強化、防汚
[ミリアの外套]構造強化、魔法防御、魔力強化、物理緩衝、防汚
マルスは説明すると
『え?えーーーーーーーーー!』
ミリアは驚き、杖を落としてしまう
『こんな素晴らしい防具、使わせて貰って良いのですか?』
『ミリアとアニー専用だよ』
マルスが笑顔で言うと
『私なんかのためにありがとうございます』
ミリアが言うと
『弟子に怪我されたら困るからね』
マルスは笑顔で言う
外に出ると
『また凄い量のポーションだな』
隊長は笑顔で言う
『多すぎましたか?』
『いや!心強い!今回は沢山必要だからな!しかしこれを準備するなら、3日遅くなっても正解だ!』
『待たなかったら何人もの命を救えないですからね』
ガシリオが言うと
『この馬具を馬に取り付けてください』
マルスは用意してある馬具を指差す
『これは?何故ですか?』
『付けて走り出せばわかります』
マルスが笑顔で言うとみんな微笑んでいる
『わかった!すぐに取り付けよう!』
隊員たちはすぐに馬具を付け替え始める
『お兄ちゃん』
レティナが抱きついてくる
『レティナお母さんとお父さんを迎えに行ってくるね帰ったら一緒にお出掛けしようね』
マルスが言うと
『私も一緒に行きたい、一緒にいたい』
『どんな危険があるか解らないから、連れてはいけないから、フローネ先生とイリアと一緒に待っていてね』
『うっ・・・・』
涙目になってマルスを見る
『レティナちゃんの面倒は私たちもちゃんとみます』
クレスタとエビリアが言うと
『安心して行ってください』
リシリアも言う。イリアがレティナと手を繋ぎ微笑む
『お兄ちゃん、約束だからね。絶対帰ってくるって』
『わかったよ。約束だ!』
マルスはレティナに言うと荷物を馬車に乗せていく
『マルス師匠、この鎧凄い軽いです!』
ルメイルが着替えてやってくる
『軽量化も付けてあるからね』
『ありがとうございます』
『ルメイル無理はしないようにね』
キリシアに注意される
『わかりました』
ルメイルはキリシアを見て言うと
『マント似合っています』
『動くのに少し邪魔かな?』
キリシアが言うと少し動き回る
準備が終わり、出発する前に
『どのような状態か解らないが、必ず全員帰ってくる事を待っているぞ!武運を祈る!』
隊長が檄を飛ばし
『了解しました!』
4人の隊員とガシリオがそう言うと
『ガシリオ、貸し出す剣があります』
マルスが言うとリシリアとミリアが渡し始める
『この剣は?まさか魔剣!』
『マルスが付加した剣です、無くさないようにしてください、付加内容は体力強化回復構造強化型が付加されています』
フローネが言うと
『え?えーーーーーーーーー!』
隊員達は固まる
『そんなとんでもない代物を借りて良いのですか?』
隊長は興奮して言うと
『だから無くさないように帰ってきてくださいね』
フローネが言うと
『了解しました!必ず帰ってきます!!』
『私の檄より士気が上がるとは・・・仕方ないが』
隊長が笑いだすと隊員達は大笑いする
馬車に乗って出発する
『あの剣どのぐらいの価値なのですか?』
『そうですね・・・金貨数百枚で国宝級ですね』
フローネは苦笑いすると隊長も苦笑いする
『3日到着が遅れても、これだけの準備が出来れば言うことは無いです!』
隊長が言うと
『多分、先発した馬車に追い付くつもりですよ、あの子達は』
『え?何故ですか?』
『付け替えた馬具も魔道具です、そして身体強化構造強化型と体力回復構造強化型と体力強化構造強化型が付加されています』
『ん?どんな効果が?』
隊長は疑問に聞き返す
『馬の身体が強化され、体力が強化され、体力が回復されたならどうなりますか?』
『早く動いて体力が多くなり体力が回復する・・・・・まさか休まず走れる!』
『その通りです。貸し出す為にあの子達は作って試し、すでに効果は確認済みです。アーメルドから5日で帰ってきた様です』
『え?じゃあ3日で到着も可能!』
隊長は笑顔になり
『ここまで計算をしていたなんて・・・ありがたい!』