アリシアとウルシナ公国
アリシア達は、伯爵領からすぐにウルシナ公都に戻り、金品を降ろして、すぐに次の貴族の島に向かい、次々と降伏させていく
アリシア達が全ての貴族を降伏させると、ウルシナ公国の城に戻ってくる
『終わりましたわ』
アリシアが笑顔で言う
『終わったか・・・途中からリヴァイアサンが港町の近くを泳いで、脅していたが』
レオナルオが苦笑いしている
『マルス様を敵に回したのですから、当たり前ですわ。反乱を起こす方が悪いのですわ』
アリシアが微笑みながら言いながら部屋に歩いている
部屋に入ると、公王と公妃が待っている
『終わったのか? 伯爵家から文句が来ているぞ』
公王が苦笑いして手紙を置く
『なんですの?』
アリシアが微笑みながら手紙を見ると、レオナルオが手紙を読んでいる
『民間船を拿捕した事に対しての抗議ですか? 面倒な』
レオナルオが苦笑いしている
『拿捕した船の保証は伯爵家の領分ですのーー 今更遅いですわ』
アリシアが笑いながら言う
『そうだな・・・返事をしても、難癖をつけるだろう』
『騒いで騒いで、駄々を捏ねさせる方が良いですわ! 約束を違える方が悪いですの』
『民が騒ぎ出すぞ』
『町の有力者の前で調印しましたのー約束も守れない人に民がついていきますか?』
『は? レオナルオ本当か?』
『町の有力者の前で、調印しました・・・条文も読んで確認して貰ってました』
レオナルオが考えながら言う
『若いからって、油断しすぎですの』
アリシアが笑っている
『何故ここまで頭が回るのか・・・油断が出来ない』
公王が呟く
『忘れましたの? 魔法学院の講師してましたわ! 多くの国の歴史は好きですの・・・それに民を蔑ろにする事は嫌いですの』
アリシアが笑顔で言う
『変な口調で騙されていますね・・・一国の王女であり、隣国諸国の王家と仲良く話せる人ですから、当たり前ですね・・・レオナルオ、アリシア様を大切にしなさいね・・・裏切ったら今度は貴方がアリシア様から攻撃されますよ』
公妃が微笑みながら言う
『え? 酷いですのーー変な口調なんて、言われたくないですの』
アリシアが抗議するように見ている
『アリシア様は、人を油断させる為にこの口調を使っていると思ってます。魔法の実力は我が国の魔法使いでは、足元にも及びません・・・1国を治める能力が有ります』
レオナルオが考えてから言う
『ゆっくり遊びに行ってきますの』
アリシアが笑顔で言う
『伯爵家への対応は考えます』
レオナルオが笑顔で言う
『何言ってますの? 一緒に遊びに行きますわ! 伯爵家は船が有りませんのー だから外交にも来ませんの』
『え! 船が・・・』
『レオナルオ、その通りだ!いくら騒いでも伯爵領内だけの問題だ! 少し休むと良い・・・数年分働いたのだから』
公王が微笑みながら言う
『式の日取りも考えましょうね』
公妃が微笑みながら言う
『え! はいですの』
アリシアが少し赤くなりながら答え、レオナルオを見ている
マルス達は、町中を散歩して、買い物などをして過ごしている
『マルス師匠、どこに出掛けるのですか?』
エミールが出掛けようとしているマルスを見付けて聞く
『散歩だよ』
『一緒します』
エミールが笑顔で言うと、エレーヌが微笑みながら着いてくる
『マルス、早くしなさいね』
リリシャとソリナが微笑みながら待っている
町中を歩いて、一軒の家の前に到着する
『何か御用ですか?』
女性が出てくると、子供達が見ている
『孤児を少し見させてください』
リリシャが微笑みながら言うと、女性がマルスを見てから、ソリナとエミールとエレーヌを見ている
部屋に案内される
『孤児を見させて欲しいと言う事は』
院長がマルスを見て言う
『良い子が居れば、引き取ります。養う能力も問題は有りません』
ソリナが微笑みながら言う
『若いですが・・・服装から多少は裕福なのは解ります・・・どのような子供を?』
『侍女や料理が好きな子供が良いですが・・・魔法使いになりたい子供が、一番ですね』
リリシャが微笑みながら言う
『躾はしっかりしますので、性格重視です』
ソリナが微笑みながら言う
院長が考えてから、職員に伝えると、マルス達は子供達とそれぞれ話しながら、選び始める
『マルス、決めましたか?』
リリシャが興味津々に聞く
『ソリナさんに任せるけど、あの子は素質が有るね』
マルスが幼い少女を見て言う
『あの子ですか? 魔力を持ってますね・・・まだまだ幼いように見えます』
リリシャが微笑みながら言う
『君は、兄弟は?』
マルスが幼い少女に聞くと、こわばる顔で後退りをしている
『どうかなさいましたか? この子はまだ幼く、人見知りです』
職員が慌ててマルス達の前に来る
『この子はどうしてここに?』
『両親は魔物の大群の時に亡くなりました。家族や親族は居ません』
『御両親は魔法使いだったのですか?』
『いえ、村人でした』
『そうですか・・・リリシャ』
『可愛い少女ですね。引き取るのですか?』
リリシャが微笑みながら聞く
『リリシャはどうしたい?』
マルスが微笑みながら聞く
『下女として働けないですけど・・・可愛いですね』
リリシャが微笑みながら言う
『ライオの教育係になれるかな? レティナ次第かな?』
マルスが微笑みながら言う
『ライオちゃんの? マルスの妹になるのですか?』
『え? 考えてなかった』
マルスが苦笑いしている
『マルス、冒険者ですから、子供を育てるのは、大変ですよ。屋敷なら下女達とステラさんが居ますから、育てられます』
リリシャが微笑みながらマルスを見ている
『名前は? 教えてくれるかな?』
マルスが座りながら聞く
『ルシアナ・・・』
少女が恐る恐る言う
『ルシアナは、将来何になりたい?』
『え? わからない・・・』
『お友達は?』
『お友達・・・ いない』
少女が首を振りながら言うと、マルスが職員を見る
『ルシアナは、人見知りなので』
職員が申し訳なさそうに見ている
『何が出来るのかな?』
『えーと・・・お手伝いぐらい・・・』
ルシアナが泣きそうな声で言うと、マルスがリリシャを見る
『ルシアナちゃん、帰りにまた来ますね。それまでに自分で考えていて下さいね』
リリシャが微笑みながら言う
『え? 自分で考える? 何を?』
ルシアナが不安そうに聞く
『将来何がしたいとか、どのようなお手伝いが出来るとか、色々考えていて下さいね』
リリシャが微笑みながらルシアナの目を見て言う
『はい』
ルシアナが自信無さそうに言うと、マルスとリリシャがソリナ達の方に歩いていく




