アーメルドの食堂
食堂に向かうと、兵士が食堂の周囲を警戒している
『アルクオドール様、貸切りにしてあります。どうぞ』
店員が微笑みながら言うと、マルス達を見て、緊張してガチガチになっている
『クリスちゃん本当に美味しいからね』
レティナがクリスの手を引いて入っていく
『うん! 楽しみにしてました』
クリスが笑顔で良いながら、歩いていき、ミーレスとリリアとシーリスとイリアとサトメルが、後を追って入っていく
『え! アルクオドール様より先に・・・』
店員が驚いてレティナ達を見ている
(御無礼では・・・注意しないのですか?)
『マルス様、町中の食堂なんて、初めてで緊張します』
レイナールがキョロキョロして言うと、クセリオもキョロキョロしている
『ここの料理は美味しいからね』
マルスが笑顔で言うと、みんな席に座っていく
料理が運ばれてくると、みんな美味しそうに食べている
『本日の料理はどうでしたか?』
料理人が出て来て、アルクオドールに聞くと、アニーを見ている
『いつもより豪華ですね、味付けも良いですが・・・クラゲだけは、料理の仕方が良くないですね』
アニーが考えながら言うと、レイナールが驚いている
『クラゲの料理の仕方・・・良い物が入りましたが・・・本場の料理方法を知らないので、苦戦してます』
料理人が苦笑いしている
『厨房借りますね』
アニーが微笑みながら言うと、厨房に入っていき、料理人が後を追う
『うそ・・・また厨房に』
店員がアニーの後ろ姿を見ている
『何故豪華なんだろう』
マルスが考えている
『え! それは・・・結婚式の料理を任されているので、予行練習です』
店員が申し訳なさそうに、アルクオドールを見ている
『ここにいる人達の舌に合えば、問題ないです。 今回来訪予定の一番重要な人達ですから』
アルクオドールが笑顔で言うと、ルキアが隣で微笑んでいる
『え! やっぱり・・・歓迎の宴の代わりなのですか・・・』
店員が呟く
『歓迎の宴など嫌いな人達なので、何よりも美味しい料理を食べて楽しんでくれれば、良いです』
『歓迎の宴が嫌いな・・・でも王族がも来店したら、大変な事に』
店員が呟く
『え? 何か?』
レイナールが店員を見ている
『え! まさか・・・』
店員が青ざめている
『レイナール様、ここでは、ルキア先生を祝いに来た、魔法学院の生徒ですよね』
マルスが笑顔で言う
『はい!マルス様』
レイナールが笑顔で言い、料理を食べている。 店員は青ざめながら、仕草を観察をしている
(優雅な食べ方・・・全員優雅・・・アルクオドール様、もしかして・・・この中に数人王族や上級の貴族が・・・)
『こちらをどうぞ』
アニーがクラゲ料理を持ってくると、みんな笑顔で食べている。料理人も食べている
『これが・・・こんな方法が・・・』
料理人がクラゲ料理を食べながら考え込んでいる
(旨すぎる・・・まだまだ精進しなくては・・・)
『アニー様、デザート作りたくなりました・・・良いですか?』
レセナが微笑みながら言うと、アニーと厨房に入っていく
『は? 勝手に・・・何者なのですか?』
店員が呆然と見ている
(また増えた・・・アルクオドール様の接待なら、文句が言えないですが・・・料理人が逆に食事して良いのですか!!)
『お口に合うか解りませんが・・・』
レセナが微笑みながら、パンケーキを作って持ってくる
『これは!! 素晴らしい! 彩り、クリームの泡立ち・・・文句がつけれない』
料理人が目を見開いて言うと、レセナが次々と持ってくる
『アニー、フリーズの魔法で氷を作った?』
マルスが食べながら言う
『鍋が無いので、氷は作りました』
アニーが微笑みながら見ている
『ジェラートは作れないから、クリームにしたのか・・・冷える魔導具は必修だね』
マルスが笑顔で言うと、みんな頷いている
『レセナ様、本当に美味しいです。 クレオル様も幸せ者ですわ』
アリシアが食べながら言うと、レセナが照れ笑いをしている
『結婚祝いは、厨房の魔導具一式かな?』
マルスが考え込んでいる
『え! 本当ですか! 嬉しいです』
レセナが嬉しそうにしている
『マルス様、祝いに快適な屋敷をお願いしますわ』
アリシアが笑顔で言う
『アリシア御姉様がおねだりをしています』
メトリシアが笑顔で言うと、みんなアリシアを見ている
『快適な屋敷は欲しいですわ』
アリシアが満面な笑顔で言う
『孤島にアリシア様専用の屋敷を作るかな?』
マルスが考えながら言う
『え! 孤島に・・・寂しいのは嫌ですわ!! 1人は嫌ですの・・・メーレシア一緒に居て下さいですわ』
アリシアが慌てている
『クスクス、アリシア御姉様も寂しがり屋ですね』
メーレシアが笑っている
『メトリシア様が出掛けて、帰ってくるまで毎日東の空を見ています。 見付けたら、いつも慌てて準備をして、着替えて待っています』
ソリナが微笑みながら言う
『ソリナ内緒ですの!! ソリナーーーー! 言わないで!!』
アリシアが慌てて叫び、みんなアリシアを見て笑っている
『アリシア御姉様、寂しがり屋だったなんて』
メトリシアが笑顔で言うと、アリシアが耳まで真っ赤になっている
『アルクオドール様、大変です。魔導船が戻ってきましたが、オベリストリア王国の使いも来訪です。至急お出迎えが必要との事です』
重臣が慌てて入ってきて言う
『オベリストリア王国? 外交特使ですか?』
ハルドが考えてから聞く
『え! ハルド様が何故ここに?』
宮廷魔術師がハルドを見て叫び、マルス達を見て驚いて口を開けている
(マルス様にミリア様にメトリシア様まで・・・何の集まり?)
『出迎えてきます。ルキア、ここは任せるね』
アルクオドールが考えてから言う
『御一緒します。オベリストリア王国なら、外交関係が有りませんので、王都まで護衛も必要になるでしょう』
ハルドが考えてから立ち上がり、アルクオドールと一緒に出ていく
『え? あの方は・・・』
店員が青ざめている
(外交特使相手に出迎え? もしかして、重臣なのですか? もしかして、とんでもない人達なのですか・・・)




