アーメルドの買い物
翌朝、素材集めに出かける
『いらっしゃいませ』
『オルクスはいないかな?』
『主人に何か用ですか?』
店員はそう言って怪しんでいる
『生地を頼みたいだけだけど!』
『聞いてきますが、名前は?』
『リベリアのキリシアです』
『え?リベリアのキリシア様』
急いで奥でおかみさんに伝えてから
『奥の部屋にどうぞ』
奥の部屋で待っているとオルクスがやってくる
『みなさん、お久しぶりです』
『オルクス、こんにちは。こっちに来たので挨拶と、生地を手に入れたいと思ったので寄らさせて貰いました』
『ありがとうございます』
『このローブも凄く使いやすいです』
『ありがとうございます』
オルクスは笑顔で言うと
『色々魔道具を作りそうなので、生地を手に入れたくて来ました』
『魔道具を!なるほど!それは面白そうですね』
『魔力を通る生地をまた見せて欲しいのですが、何か良いものは入りましたか?』
『水蜘蛛以外だと、中々今は手に入りません』
『糸で魔力の通る糸はありますか?』
『色々ありますが、知り合いの方がよく知っていますので紹介します』
『ありがとうございます』
『後、これを預けておきますね。残りは何かに使ってください』
魔石とゴーレムの鉱石を渡す
『やはり凄いです。この鉱石は、この前使わせてもらって素晴らしかったですからね』
オルクスは笑顔で鉱石を見ている
『リベリアから中々来れないので、もしかしたら商会を通して依頼をするかも知れないですけど、良いですか?』
『どんな商会ですか?』
『私達の商会で、魔法のランプの貸し出しをしています』
『え?魔法のランプですか!買うことも出来ますか?』
『販売もしていますが、貸し出しが多いですよ』
『以前持っていたランプが壊れてから、中々良いものが無かったですよ』
『見せて貰えますか?』
オルクスは部屋を出て一個のランプを持ってくる
『あ!先生のランプですね』
『フローネ様を知っているのですか?』
『フローネ先生は、リーベル様とこちらのリシリアさんの師匠です』
『そうなのですか!先生?』
『弟子は取らないと言うことで、私は先生と呼ぶ事になっています』
リリシャが笑顔で言う
『やはり魔石が割れているね。ミリア、魔石を新しいのに交換してみる?』
マルスが確認してから言う
『はい!やります』
ミリアは笑顔で言う
『え?治るのですか?』
『馬車に魔石の予備を積んであるので、すぐに治せます』
『ありがとうございます』
オルクスはそう言って頭を下げる
『帰る前に水蜘蛛の生地を一反くださいね』
『わかりました。金貨50枚です』
金貨を積んで渡す
『ありがとうございます』
『次は、ミリアとマルスのローブを仕立てるときですね』
リリシャが言うと
『楽しみです』
オルクスが笑顔で言う
次は紹介された糸屋に向かい
『いらっしゃい』
『魔力を通す糸はありますか?』
『え?お待ちください』
奥から男が出てきて
『魔力を通す糸が欲しいと言うのはお前らか!』
『そうです』
『高望みはしないように!』
いくつかの糸を出してくる。マルスは糸を確認してから
『魔力が通る糸がありませんね』
『は?まさか・・・・王都のくそじじいの所に行ったか?リリシャとマルスだったかな?』
『行きましたよ』
『バカ野郎!先に聞いてから呼びにこい!』
男は店員を怒鳴り、奥に通してくれる
『済まなかったな。この糸はどうだ!』
色々な糸があるが1つずつ見ていくと
『こっちが魔力を通す糸で、こっちはダメだよ』
マルスが言うと
『これじゃ騙せないな!!』
男は笑いだす
『革細工用だとこれとこれだな!』
『それください!後、水蜘蛛の生地用にどれかな?』
『水蜘蛛だと!まさかオルクスか?』
『そうですよ!』
『この2つだ!しかしオルクスが紹介するとはな!そのローブ!成る程、あの時のやつだな!』
『あの時の?』
『あのオルクスが糸を選ぶのに頼み込みに来たからな!凄い付与魔術師が来たから失敗出来ないと言ってな!しかし糸の選び方を見たら納得出来るぞ!』
男は大笑いしている
『そこまでしてくれていたんだね』
キリシアは笑顔でいう
『お前達が凄いと周りも大変だな!』
『そうかな?ブーツ作ってと材料を見せたら勿体ないと言って中々作ると言わない人もいるけどね』
キリシアが言うと
『どんな革を渡したのだ!』
『レインダーだったかな?』
『レインダーだと!ワハハハ!それは嫌がるな!それでこの糸か!』
『そんなものかな?』
『魔力の通る最高級品だ!』
『だから魔道具のブーツなんだけどね』
キリシアが言うと
『職人が負けたのだな!よし!必要になったらいつでも取りに来い!何でも用意してやるぞ!ワハハハ』
『ありがとう。だけど、中々来れないので商会を通して依頼するね』
『わかった!どんな商会だ!』
『リベリアの魔法のランプの商会だよ!』
『魔法のランプだと!売っているのか!』
『欲しいの?』
『リベリアと言えば、フローネのランプだ!』
『先生も知っているのですね。この間のローブの1つはフローネ先生用ですよ』
リリシャが言うと
『バカ野郎、先に言えば、リベリアまで糸を売りに行ってやるものを!』
男は興奮している
『お前達からの依頼なら何でも用意してやるからな!』
『革用の糸はどのぐらいあるの?』
『4巻ずつあるぞ!』
『全部でいくら?』
『1巻金貨5枚だから40枚だ!』
キリシアが金貨を積み上げていく
『これでよろしく』
『オルクスが必死になるわけだ!即金で支払うとはね』
『後、水蜘蛛用が2個だからこれくらいなのかな?』
『合わせて金貨6枚だ!』
『これで』
『楽しみにしているぞ!』
糸屋を出て革屋に向かう
『キリシアさま!いらっしゃい』
『魔力の通る革を買いに来たよ』
『わかりました。在庫がある革を見せます』
奥の部屋で在庫のある革の見本を見せてもらい、マルスが選んでいくと
『全部魔力通るね。こっちが良い革だけど』
『最高級品だけ選びますね』
『マルスが相手だと嘘はつけないよ!糸屋も認めていたから』
糸を見て
『は!あいつが認めるとは・・・とんでもないな』
『在庫、どのぐらいなの?』
『全部で金貨100枚です』
『ちょっと待ってね』
『あ!足りない!下ろしてくるね』
『キリシア、これ!』
『あ!預けていたね!』
リリシャから受け取り、金貨を数え始める
『これで100枚だね』
『やはり即金ですか。しかし馬車に乗りきらないので、リベリアまで届けますね』
『ありがとうございます。だけど、もう1台借りて、2台で帰ろうか?』
『それも良いね』
『それならばうちの息子に送らせますよ』
『良いのですか?』
『これだけの買い物をしてもらえるなんて、相手の家や商会も確認したいからな!』
『ありがとうございます』
約束して帰ることにする
『何だか凄い買い物ですね。驚きました』
エビリアとクレスタが言うと
『これで色々作るからね』
リリシャが言うと
『これぐらいじゃないと買うもの無いしね』
キリシアが言うとみんなで頷く
『この革は何を作るのですか?』
『ブーツと馬具ですよ』
『え?馬具?何故ですか?』
リシリアが考え込む
『効果は王都からアーメルドで見たはずだけど』
『え?休憩しなかったですね!まさか魔道具!!』
『そうですよ』
キリシアが言うと
『こんな使い方が・・・・』
『帰ったら一緒にやりましょう』
リリシャが言うと
『わかりました』
リシリアが笑う
冒険者ギルドに寄りギルドマスターに挨拶をする
『お待ちしていました』
『今日は挨拶だけね』
『愚か者の件ですが・・・・』
『アニーさん、リシリアさん、エビリアさん、クレスタさんは待っていてください』
奥の応接室で話すことにする
『ありがとうございます』
『どうかしたのですか?』
『処刑されるのが嫌な様で、口を割らなくなっています』
『拷問に耐えているのですね』
『その通りです。申し訳ないと領主が言っている』
ギルドマスターも困っていそうだった
『じゃあ私達がやっちゃう?』
キリシアが言うと
『それは不味いでしょ』
ギルドマスターが言うと
『師匠が本気になったら、多分兄は全て吐きます』
ミリアが言うと
『そんなことは無いと思いますが』
キリシアがギルドカードを見せる
『拷問許可に特別聴取者ですか!どうして?』
『理由はリベリアの警備隊に聞いてください』
リリシャが言うとみんなで笑いだす
『昨日の賊も先に面倒だからやっちゃう?』
マルスが言うと
『地獄を見せるのですね』
ミリアが言う
『わかりました。領主と兵士に伝えます。明日の朝、一緒に行きましょう』
ギルドマスターはそう言う
『じゃあ明日、また来ますね』
ギルドを出て宿屋に帰ることにする