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72 エルフ3


「ところでダストよ、結界石はどのくらい持っておるのじゃ?」


「結界石とは?」


「何じゃと?そういえば、この世界に来て間もなかったか。冒険者ではなくても必須アイテムじゃよ。防御力1のバリアを展開し続けて虫等から身体を護る。攻撃力2を受けると回避しても壊れるので戦闘中は封印するアイテムじゃ。また半年ほどで砕けてなくなる消耗品でもある」


「何でそんな便利な物を誰も教えてくれなかったんだ。」


「こちらの世界では子供でも知っておる常識じゃからな。」


 イケオジ執事が、すっと現れる。


「こちらで準備致しますので、まずは朝食を。」


「任せたのじゃ、イケオジ。」


 案内されるまま、パンとサラダにベーコンそして紅茶のなかなかに優雅な朝食を食べて出発となった。


「結界石は、24個。石留めは、我らの物を6個用意しましたので、お使いください。」


 懐から大事そうに、綺麗な装飾のなされた小さい箱のような物を出してきた。


「いや、そんな大事そうな物は。」


「ダストよ、結界石は、石留めに入れて初めて効力を発揮するのじゃ。ここは素直に借り受けるのが良かろう。イケオジにボーイ達よ、大儀であった。」


 結界石の入った石留めを受け取ると、何かに包まれたような感覚になった。

 箱の中にある金属が結界石に触れると効果を発揮するらしくご丁寧にスライド式のスイッチがついている。

 日常生活の場合は、シャワーを浴びる時以外は、入れっ放しでも良いらしいが、そんな使い方をすると1ヶ月ほどで砕けるので、必要な時だけ入れるのが普通らしい。

 よし、入れっ放しで行こう。


 石留め[SR],結界石[R]を獲得。



 ハクレンにダストが背負われ、ペンダント化したコイシを装備。

 サラにリリイ、ポニーにピンクの組合せで旅立つ。


「行ってくるのじゃ。」

「お館様、ご無事で。」


 執事とボーイに見送られ、いざ出発。


「御主人様、案内よろしくっす。」

「え?ハクレンは道を知らないのか。」


「ダストよ、魔導コンパスを使えば良いじゃろう。」

「魔導コンパスとは?」


「何も知らんのじゃな。あと、探索するならオートマップ[SSR]があると良いのじゃが、さすがにアレは妾も持っとらん。」


「いや、それは持ってる。」

「どうなっておるのじゃ。」


 頭を抱えるリリイに、魔導コンパスを貰った。

 地図に書かれている記号を読み取らすと進むべき道を示してくれる。

 電池は屑魔石で良く、原理は全く分からないが、方位磁石というよりかは、ナビのようなものらしい。


 魔導コンパス[SR]を獲得


 少しグダグダした感じとなったが、どうにかお昼前に、エルフを探しに赤の森の1番近くの村メルカーナへと向けて出発した。



 ハクレンの背中は気持ちいい。

 良い匂いがして、一体感があり身体能力が拡張された気分になる。

 

 豚を乗せ、とんとんと、弾むようなリズムで、地面を抉りながら恐ろしい速度で狭い整備のあまりされていない街道を走る。

 結界石のお陰で風圧がなくなり車内いるかのように会話出来るようになったのが、さらに素晴らしい。


「気持ちいいな。」

「そうっすね。」


「昼飯は、どうするー?」

「まだ良いのじゃ。」

「後で良いですにゃ。」


 近づけば、バリアが繋がり会話が出来るのも、異世界ならではの魅力だろう。

 バイクやトラックで無線で話しながら仲間と旅をしている感覚。


 レーシングカーのような加速感を楽しみつつ。


 オフロードバイクの楽しさといえば良いのか、ゴロゴロと岩が転がる困難な道をトントンと軽快に駆け上がる。


「ここは、川の上を通った方が、早そうっすね。」

「は?」


 道の草が刈られておらず走りにくそうだったが、浅そうとはいえ川である。


「川は急に深くなる所があるんだ。危険では無いか?」

「御主人様、うちは本気を出せば空だって飛べるんすよ。」


 そう言って、川の上を走り出したハクレン。

 パシャパシャと音が変わったくらいで先程までと変化を感じない。


「どう、なってるんだ?」

「僅かに、浮いてるんす。」


 ほぅ、深く考えたら負けか。


「そろそろ休憩だ。次に店を見かけたら止まってくれ。」

「了解っす。」



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