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69 エルフ1


「大森林アルファ、赤の森、カルガラ峡谷。この辺りかのう。」


 大きな地図を広げて、4人で、エルフの元になりそうな生き物がいるであろう行き先を、考えていた。

 しかしながら、この異世界には、魔法でも空を飛べる者はいないようで、地図の精度は限りなく低い。


「赤の森にしよう。」


「何故じゃ?」


「根拠なんて無いが、俺のカンが囁やくのさ。」


 ダストは、格好をつけた。

 手掛かりは無く、出たとこ勝負なのだ。


 ならば、何処だっていい。

 失敗の責任を誰かに押し付けないよう、あえて自信たっぷりに言うと、皆が信頼の眼差しで見つめてきたので、策がありそうな顔で頷いたが、この男にこれ以上の考えは無い。


「とりあえず、赤の森に1番近いこの村を目的地とする。」


 コンコンと、地図を叩く。


「拠点とするのじゃな。」


「それも、あるが案内人(ナビゲーター)を雇うつもりだ。リスクが減らせるなら、有り難い。」


「良い考えじゃ。しかし、随分と遠い旅に、なりそうじゃが、どうやって行くのじゃ?」


「馬車旅は、もう嫌ですにゃ。」


 心底うんざりした顔でピンクが言う。

 あぁ、気持ちは、俺も同じだ。


「移動中は、石になってもいいよ。」


 とは、いつも優しいコイシちゃん。


「コイシが小さくなってくれても、御主人様、お館様、ピンクで3人っすね。他の乗り物よりウチが走った方が断然速いっすけど、3人も抱えるのは、無理っす。それに馬車を改造しても速度をだせば、かなり揺れると思うっす。」


 まぁ、問題は、そこだ。

 ハクレンが全力で、荒れ果てた街道を引っ張る馬車を想像したら、軽く事故って、あの世まで行ってしまった。

 言うなれば、まるで、霊柩車、速いんだけどなぁ。


「安心しろ、現代知識チートの馬車は、昨日、リリイお抱えの職人と話したが、開発に1ヶ月は掛かりそうだから、今回は、無しだ。ただ、移動手段は、まだ思いついていない。」


 そう、思いつかない。

 ハクレンが優秀過ぎて、他の移動手段が、しょぼ過ぎて。

 獣人化チートが発動したハクレンは飛行機並みに速いくせに、他の移動手段はクソなのだ。

 何なのだ、このギャップ。


「そうだ!あの、地を這う絨毯[SR]は?」


「絨毯の下に生えた触手で這って進むキモい魔道具じゃな。乗り心地は、悪くないが、歩く並みに遅いのじゃ。」


 困った。

 別行動をとり、ゴールで合流するのが、合理的ではあるが、それは、なんか違う気がする。


 ハクレンが3往復する!


 突如、閃く。

 これが、この異世界の技術水準では、最速の最適解であると優秀な脳が結論づけたが、それだと、チームの一体感というか冒険感がまるで出ない。



 いいか?

 こっちは、仕事じゃねぇんだよ。


 遊びだ!


 つい熱くなってしまったが、言いたいのは、一体感を大事にしつつ、それでいて速い手段を。

 

 何か方法は無いのか?

 しかしながら、良い考えは、まるで浮かばず、沈黙の時間が流れる。



 すると、小首を傾げていた猫が、ポンと手を叩き、とんでもない事を言い出した。


「そうだにゃ!ソファに、3人座って、リリイがフロートを掛けて、ハクレンが運ぶのはどうですにゃ?」


「おぉー、それなら、出来るっす。」


 二人は盛り上がるが、リリイが珍しく狼狽する。このロリババアを焦らすとは、大したものだ。


「猫娘よ、ちょっとでも、妾の集中が切れると、高速で、地面に激突するんじゃぞ!恐らく、あの速さなら死ぬ。」


 それを聞いて、ピンクの顔がひきつる。どうやら、浅はかなアイデアだったと、気付いたらしい。



「ぼしょぼしょ。」


 そんな時、コイシちゃんが、耳元で、小声で冗談を囁いてきた。


 あ、それはいいかもと。

 それで行こうか。

 

 ダストは、いまだソファーで行くとかアホな事を考えてる3人に、悪い顔でニヤリと笑う。


「よし、移動方法は、決まった。ハクレンは、人参をありったけ買い出し。リリイとピンクは、赤の森の資料集めと準備。コイシは、俺の補佐だ。日の出と共に、出発する。明日は、ハクレン頼んだぞ。解散っ。」


 やる気に燃えるハクレンと、怯えた顔で見つめてくる2人。


 え?だから、ソファーでは行かないって。




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