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45 林檎1


 平穏な1日の始まり。

 手斧を振り回す令嬢ドールのストーカー行為から開放されて、気が抜けていたのかもしれない。


 それは、ちょっとした興味からだった。

 禁断の果実に、手が伸びる。


 男は、アダムとイブが、楽園エデンを、追い出される原因となった知恵の実に、愚かにも手を出した。


 

 魔が差したんだ。


 キラリと艶めく赤。

 手で、その玉肌をキュキュッとコスり、表面にかけられたワックスを滑らかにすると、艶を増して、宝石のように輝く。

 それを、かぷりと、思い切りよく、かぶりつくと、爽やかな酸味が口の中で弾ける。


 そんなかつての記憶が、梅干しを見ると唾液がでるように、条件反射で気付いた時には、手袋を脱がせていた。


 テーブルの上に置かれた、その娘が、誘惑してきたように感じる。『私は、磨けば、光る娘だよ』と。



 だから、

 つい、手を出してしまった。


 ピカァ!


「えっ??林檎も光るの!」




 異能発動ーーーー


 『絶対美少女化(ハーレム)!!』



進化前:林檎

成功

名前:リンゴ

種族:樹人『林檎』(美少女)

外観:オカッパ頭の白い幼女。照れると真っ赤になる。

装備:裸→森のワンピース[R]

弱点:裸足

特記:寿命(1日)



 異世界に美少女が生まれた。


 白い肌、銀のオカッパ髪。緑の髪留め。爽やかでいて甘い薄緑のワンピース。スカートから覗く細い素足は、ふにふにとしている。幼いけど、ちょっとエッチな甘酸っぱい女の子。

 顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに言ってきた。


「リンゴだよ。おにーさん、私を食べちゃいたいんですよね?」


 爆弾を投下した幼女は、両手で真っ赤な顔を隠して、小さな指の隙間からチラチラと、ダストを見てくる。


 助けを求めてコイシちゃんを見たダストは、コイシちゃんの最近少し豊かになりつつある表情が、すんっ、と無表情に戻ったのに気付き、慌てる。


「え!?コイシちゃん。誤解だ、だから、そんな目で見ないで。」


 爆撃は、なおも止まらない。


「リンゴに、かぶりつきたいんでしょ?知ってるんだから。」


「それは、擬人化前の話だから。なっ。」


 必死に抵抗する。幼女に欲情とか事案であるし、ただの健全な食欲だったと、誤解を解くべく徹底抗戦。


「でも、リンゴを女にしたのは、ダストさんでしょ。」


「ぐっ。言い方ぁ!」


 悶絶するダスト。完全に、この耳年増な幼女に、手玉に取られていた。


「誘い受けなのかなぁ。やれやれ、リンゴから手を出して、あ、げ、る。」


「ひぃぃぃ。あ、あれ?」


 リンゴちゃんは、果敢な攻めだったけど、如何せんお子様なのだ。文字通り、ダストの手を繋ぐだけに、留まった。


「ドキドキした?」


「ハッ。フハハ。お子様が、何を言っているのやら。この(オッパイ)マエストロである俺をからかうなど、ん?」


 何か変だ?ダストは、そんな違和感を感じた。繋いだ手が熱いような気がするが、子供の体温だからだろうか?いや、それだけでは、無い気がする。


「恋人繋ぎだけど、ドキドキした?」


「くぅぅぅ。これが、噂の恋人繋ぎなのかーー。」


 顔を、赤らめて、ぼしょぼしょと喋るリンゴちゃんに、ノックアウトされた。

 絡められた指先に、心臓はドクドクと血液を送り込む。


 禁断の果実に手を出してしまった豚野郎ダストは、猫屋敷という楽園から、出る事になるのだが、それは、次のお話。



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