39 剣舞の真髄
南町には、あっという間に到着した。
ハクレンの背中は、乗っていて、とても楽しい。
それで、すぐに、ダンジョンに向かうのか?慌てない慌てない、僕の特別なクランを、普通の冒険者達と同じように、考えてもらっては困る。
僕レベルになると、まずは、武器屋に向かう。そう、Cランク冒険者クラン《乙女達の楽園》は、未だに、誰も、武器を持っていなかった。
ほんと、今更だが。
「そんな装備で、大丈夫か?」
武器屋の親父が僕達の装備を見るなり、呆れ顔で聞いてきたが、僕はこの親父に呆れている。
大丈夫では無いから、買いに来たのだと言いたい。
「一番、良いのを頼む。」
まぁ、いい。金ならあるぞ、酒場で稼いだから。酒場経営が本業で、冒険は、ただのストレス発散だ。
どうだ?上客だろ。しかし、そんな僕達に、親父は嫌そうな顔で答えた。
「お嬢様たち、悪いが、おじさんには、武器とか使えるように見えないんだが。」
「大丈夫だ。問題ない。」
名前:ダスト君
種族:人族(最強の男の娘)
装備:穢れなきドレス[SSR]黒竜の手袋[SR]
サブ:火蜥蜴の鞭[SR]
武器:右手:上級料理ナイフ[R]←NEW
武器:左手:上級料理ナイフ[R]←NEW
名前:小石
種族:石族(美少女)
特徴:灰色の瞳髪。少し尖った表情。
異能:不食[SR]、変身[R]
装備:お洒落なジーンズ[SR]←NEW
武器:煉獄剣[SR]←NEW
名前:ハクレン
種族:獣人『馬』(美少女)
特記:背の高い8等身の美少女
異能:天翔る脚力
装備:Tシャツ、ホットパンツ[R]、ダッシュブーツ[SR]←NEW
武器:装備不可
親父には大見得を切ったのだけど、僕は、どうやら、重い武器を装備する事が出来ない事が分かった。
安売りの剣の束に隠れた本物を引き当てるとか、興奮するよね。と、いい感じの剣を引き抜こうとしたが、まさか重くて持ち上げられないとは。
軽い剣を求めて、辿り着いたのが、包丁だった。剣といえなくも無い。
女に見えて、男の筋力があるのは、ニューハーフであり、男の娘は、普通の街娘より、華奢であるらしい。マジかよ。
「くそっ、料理ナイフしか装備出来ないって、どういう事だよ。」
「ダスト君の双剣姿も格好いいよ。」
コイシちゃんは、そう言って、慰めてくれるんだが、ゴツい剣を軽々と持ってるんだよなぁ。力持ちー。
しかし、思わぬ戦力外通告の駄馬ハクレンより、包丁が装備出来るだけ良しとする。心のオアシスだよ、君は。
良いんだ、僕は、双剣で行くから。
ちなみに両刀使いでもある。「そこのお兄さん、タイプだよ。今夜、一人で部屋に来ない?今なら、処女と童貞が選べる。」なんて妄想プレイが捗る。
だが、店の親父が、忘れたい現実を指摘してきた。優しくしてくれよぉ。
「お嬢ちゃん、その。売っといてなんだが、包丁で冒険は諦めた方がいいのでは?そんな武器では、おじさんにも、ダメージが入らないからな。」
「僕は、強いよ。この危険な剣舞を見た後でも、まだ同じ事が言えるかな?」
キレたダスト君は、包丁を、双剣のように構えて、キレのいい動きで踊る。
おおっ、この身体なら、魔法剣を持つと戦えるかもしれないぞ。僕の強さを見直してくれたかな?
チラッと武器屋の親父を見たが、そんなダストの想いなど通じず、デレデレとゲス顔になり、ひらひらと、揺れるスカートをガン見していた。
「げへへ。こんな剣舞なら歓迎だ。なんなら、もっと激しく舞ってくれてもいいぐらいだ。昂ぶってきたぜ。」
この助べぇさん、もう、いいでしょう。どうやら君は、懲らしめてやる必要があるようだ。僕の剣舞の真髄を教えてやろう。
「この冒険者カードが、目に入らぬか!」
「し、C級だと!?もしや、魔法使いなのか。でも、剣舞は関係なくないか。」
あるんだよなコレが。
教えてやろう、不都合な真実を。
「良くカードを見ろ。僕は、男だ。」
「え???はぁ!?うぐっ、ホントに男だ。ま、まさか、男なのか。そんなものを見て喜んでいたのか。。もう少しでパンツが見えそうだったのに。はっ!危ない、なんと危ない。これは、恐ろしく危険な剣舞だ。」
反省してくれたようで、何よりである。意気地なしさんめっ。
危険な剣舞を踊る黒髪の男の娘ダスト君。その魅惑の踊りは、新たなる心の扉を開けてしまう。
ガチャリ
「ダスト君だよ?男だけど、良いカナ?」
見た目は、超絶可愛い美少女だ。少し切なげに、憂う瞳に、保護欲をくすぐられる。だが、男だ。
「へへへへ。」
武器屋の親父さんが、放心して、「へ」しか言わなくなくなったので、モンスター退治に、行こう。狙うは、ザコラビット。
子供でも、倒せると噂の癒やし系モンスターだ。唸れ、僕の上級料理ナイフ!




