表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/107

32 猫娘カーニバル5


 猫屋敷と酒場を手に入れた。


 ギルドで、達成ボーナスを受け取り、酒場の開店資金に充てる。

 猫娘25名を抱えて、クラン《乙女達の楽園》は、大所帯となったので、金がかかる。冒険で稼がないのが、俺のクランらしいだろ?

 この日の午前中は、全員で掃除だ。一緒に、汗を流す。綺麗にすると、心まで綺麗になる。コイシちゃんは、動けないけど、グラスを磨かせたら天下一品だ。


 粗方、綺麗になったので、


 まずは、資材の買い出しだ。普通は、こういうのは、業者に任せるんだが、初回は、あえて、猫娘達に買い出しに行かせる。


「ミケ、お酒の買い出し、宜しく。手順は、覚えたな?」


「分かってるにゃ。」


 てくてく歩く獣人のミケは、可愛い。それは、もう、凄く。酒屋に入ったミケに釣られて、ぞろぞろと冒険者も入ってくる。


「な、何を、お探しで。」


蜂蜜酒(ミード)麦酒(エール)妖精酒(フェアリー)火竜酒(アッシュ)を、全部5本ずつ欲しいにゃ。」


「お買い上げありがとうございます。ところで、どうやって、持って帰るんだい?」


「あっ、困ったにゃあ。。力持ちの人、知りませんか?」


「「しょうがねぇ、俺達が運んでやるよ。」」


 と、後ろから声が掛かる訳だ。

 さぁ?誰が手伝うんだと、無言の戦いが始まる訳だが、激甘クランの《乙女達の楽園》は、争いを好まない。


「頼もしいにゃ!バンバン追加注文で。」


 そして、高級酒を減らし、安酒の嵩増しの注文にさらりと変えて、全員に活躍のチャンスを与える。


 ニコニコ笑うミケが、ぞろぞろと暇な冒険者達を連れて帰ってきた。


 他の買い出し班も似たような感じだ。1日目から繁盛しそうな予感がある。




「いらっしゃいませー。」


 美しい猫娘達の総出で、お出迎えだ。


 天国の酒場

《乙女達の楽園》オープンです!


 運搬という仕事を果たした冒険者達に、サービスの一杯をプレゼントだ。労働した汗に、沁みる程に美味いだろ。


 猫娘シルバーが、魔法が得意だったので、キンキンに冷やして貰ってる。


 さあ!ジャンジャン、バリバリお金を落として貰おうか。


 今夜の料理は、簡単な物でいい。というか、出来合いのものを買ってきて、皿に持ってるだけだ。


 猫娘が、器に盛ってる所を見たら、誰も文句は言わねーよ。3倍価格なのに、飛ぶように売れる。


 人を笑顔にするのは、良いもんだねぇ。


 ヒートアップしたミケが、片足で何かを踏みながら、蜂蜜酒を振り上げて叫ぶっ。


「皆ーっ。飲んでるかにゃー?セクハラしたヤツは皆で袋叩きだから、しないでにゃ。今夜は、猫娘カーニバル!薄い薄い蜂蜜酒がなんと、半額、半額だよー。」


 おぉっ、踏んでいるのを良くみると、セクハラして袋叩きにあったヤツだ。


 客に混ざって、ダストも美味そうに超高級酒の龍精酒を飲んだ。あぁ、これは、超VIPな客しか飲めないんだ。高すぎるし、だいたい普通のコネでは買えない。上手く表現する言葉を持たないが、香り高く、天にも昇る味だ。

 しかし、帰り道が、徒歩1分ってのが、最高過ぎる。よゆーで歩けるだろ?


 ういーっ。


 ハクレンに背負われて、戦線離脱した。

 



 そういえば、セルゲイの婆さんが、どうなったかって?どうでも良い事を気にする人もいるんだねぇ。


「老人には広い屋敷などいらぬ、小さい小屋でええ。」


 とか、言いながら、あの後、クロと、隣の家に入っていった。値段が高騰する前に、安く買い叩いたらしい。


 ちなみに、隣の家も結構な豪邸だ。マジで、ふざけんな。


「あぁー。クロや、魂の一杯だな。」

「そうだね。」


 超高級酒の龍精酒を、開店祝いに持ってきた老婆は、早速、開封して、娘クロと愉しそうに、それを呑んでいた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ