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22 魔道具店


「うわぁぁ、誰っすか?」


「うるさいぞ、この駄馬が。」


 朝っぱらから騒がしいハクレンに起こされたので、火蜥蜴の鞭[SR]をひゅんひゅんしながら、この可憐なダストちゃんが、ダストである事を証明する。


「この口の悪さは、御主人様っすね。」


「今日は、3人で街へ繰り出し、冒険の装備を整えるぞ。よって、ハクレンよ。コイシちゃんを背負って出掛けてくれ。あと、おやつの人参は、3本までとする。」


「そ、そんなぁ。横暴っす。ぽりぽりぽりぽり。」


 ならば食い溜めしようと、食事を始める意地汚いハクレン。コイシちゃんが、慈愛の目で見つめてきた。はぁ…


「コイシちゃんに免じて、6本にしよう。」


「ありがとうっす。」



 宿屋は、とりあえず、3日分の前金を入れてあるので、残りの人参は宿屋に放置だ。リリィから貰ったお小遣いはかなり多いが、1年間の宿屋待機は、さすがに無理だろう。


 なにか稼ぐ手段が必要だ。それに美少女3人になったので、自衛の必要もある。



 街を歩く。


 美少女トリオのリーダーである俺は、珍しい黒髪の最強美少女ダスト。女王様よろしく、ひゅんひゅんとしなるムチを持っている。

 それに続く、背の高い美脚の女、ハクレン。その白い太ももには、俺の愛の証であるピンクのハートが咲き乱れている。

 ハクレンに、背負われた微表情の灰色の髪の美少女は、石族のコイシ。


 すれ違う人の視線を全て独占する。


 美少女は、正義。




 まずは、魔道具屋で、異世界のお約束のアイテムボックスを手に入れようか。


「おい、魔道具店に行きたいんだが?」


「こっ、こちらっしゅっ。案内しましゅ。」


 適当に、冒険者と思われる青年に、声を掛けたら、この有り様だ。気持ちは分からんでもないぞ、童貞。俺様は可愛すぎる。そうだ、君の事は、心の中で「マシュ君」と呼ぼう。

 自らも童貞である事を棚にあげるダスト。



 

「お勧めの魔道具店に案内しましゅ。店長は残念だけど、凄い人で、品揃えは最高でっしゅ。」


 ごちゃごちゃと、魔道具が置かれた店に案内された。


「いらっしゃい。でゅふふ。か、可愛すぎる。天使様達、何がご入用なんだ?」


 魔道具屋の奥で退屈そうにしていた丸眼鏡のハゲ親父が、興奮して飛び出して、声を掛けてきた。なんかヤダ。違う店に行きたくなるなぁ。


「・・アイテムボックスとか、冒険に必要な物。」


「ぼ、冒険者なのか?」


 この店長に、カードを触らせるのが、なんか嫌なので、見せるだけにする。


「Cランク!?凄いでゅふ。」


「触れるんじゃねーよっ。」


 無意識で、俺の清らかな手を、触ろうとしてきた丸眼鏡のハゲ親父の手を、ムチでしばく。


ビチィッ!


 店長の手に、俺のハートが、くっきりと浮かんだ。店長は、そのアザと、ハクレンの太もものアザを交互に見ながらニヤつく。そして、凄い人と呼ばれた店長の丸眼鏡がキラリと光った。


「でゅふふ。天使様、ちょっとお仕事してくれたら、美少女割を適用しちゃうよ。」




 びゅんびゅんびゅん。


 心を無にしてムチを奮う。断っても良かったんだが、9割引きって言われたらなぁ。

 店長の持ってきた商品に、次々と、ハートのブランドマークを付けていく。頑張る俺の隣で、マシュ君が、ぼったくりのマーク付ブランド魔道具をお買い上げしていた。キモイ、死ねばいいのに。


 女王様業務をこなした俺は、人数分のアイテムボックスと、各種魔石、スキルロール、毒消しの針、魔法石のランタン、オートマップを、格安で手に入れた。


「でゅふふ、またのお越しを。」


「来ねーよっ。」


 いや、近い内に、行く気がする。店長に問題有りだけど、品揃えは、神ってたからな。ツンデレだなぁ、俺。



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