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15 馬


 厩舎に入ると、少し獣臭さと、干し草の匂いがした。


 ブルルッ


 馬が鼻を鳴らす。

 3頭の馬がおり、その中にいた唯一の白馬が、ダストに興味を示して、人懐っこく、寄ってきた。


乗物:白馬[R]

名前:ハクレン


 でかく純真な瞳に見つめられて、どぎまぎしていると、すりすりと、大きな顔を擦りつけられた馬の顔から、体温を感じる。


 首筋を撫でてやると、気持ち良さそげに白馬は、目を閉じた。

 ちなみに、利き手である右手で撫でたが、黒竜の手袋[SR]を装備して、異能の暴走を完璧に制御しているので、何の問題も無い。

 

「ふむ。ハクレンに、気に入られたようじゃの。」


 その仲良さげな姿を見たリリィにお墨付きを貰ったが、乗馬に不安が残るため、他の候補も見せてもらう。


 ただ、野良犬にしか見えない醜悪なケルベロスの馬車や、地を這う絨毯という他の候補には魅力を感じなかった。


乗物:ケルベロスの馬車[R]

特徴:低級モンスター魔狼を利用

特記:キモイ


乗物:地を這う絨毯[SR]

特徴:絨毯の下に生えた触手で這って進む

歴史:空飛ぶ絨毯に憧れた魔道具師の失敗作

特記:キモイ


 なので、最初に見た馬をもう一度見に戻ろうか。乗れるか不安だけど、かなり気になっている。



 自然と早足になるが、これが駄目だった。

 膝枕業務により、無自覚のうちに、バランス感覚がおかしくなっていたダストは、なにもない所で躓きそうになる。

 しかし、同じ失敗は犯さない。今度は、ぐっと転倒しないよう右足を一歩前に出して、ダンッと踏み込み耐えた。


「うぉっとと。あっ。こ、小石ちゃぁーん。」


 ひゅうう〜、ぽちゃん。


 躓いた瞬間に、胸ポケットに入れていた小石ちゃんが、飛び出て、馬用の水桶の中に着水した。ゆらゆらと、浅い水底へ沈んでいく。


「今、助けるから。ごめん。」


 黒竜の手袋を濡らさないようにスタイリッシュに口に加えて脱ぎ、躊躇せず、水の中に素手を突っ込み、時間にして、僅か7秒でヒロインを救出っ。


 ハンカチで、濡れた小石ちゃんと手を丁寧に拭き、一件落着した。


 ・・ふぅ。



 ブルル?


 心配そうに見つめてきたのは、純真な瞳の馬ハクレン。


「心配してくれたのか、ありがとうハクレン。」


 寄せてきた首筋を自然な感じで、

 撫でた。

 

 そう。うっかりと、

 撫でた。





 ピカッ!


 黒竜の手袋を脱ぎ、素手で触った愚かなる男の右手が光る。ダストの顔は後悔に歪むが、もう遅い。奇跡は、起きる!



 異能発動ーーーー


 『絶対美少女化(ハーレム)!!』


進化前:白馬

大成功★

名前:ハクレン

種族:獣人『馬』(美少女)

特記:背の高い8等身の美少女

異能:天翔る脚力

体質:M

装備:Tシャツ、ホットパンツ、ランニングシューズ[R]


 異世界に美少女が生まれた。


 背の高い8等身の美少女。その美脚は、空を翔ける脚力を秘める地上最速の乙女。純真な大きな瞳。Tシャツ、ホットパンツ、ランニングシューズのスポーティな美少女。


「ハクレン誕生。よろしくっす。」


 ポニーテールの赤毛が、元気に揺れる。



誤字報告ありがとうございました。

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