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プロローグ
全てにおいて普通の人生を送っていた高校生。
そんな彼の身に起こる大冒険を描いた異世界ファンタジー。
普通の人。それは全ての物事において基準値をキープし続ける僕のあだ名だ。といっても、普通過ぎて名前すらも印象に残らなかったのだろう。
僕は日本で普通に生まれ、普通に育ち、普通に小中学校を卒業し、そして今は普通に高校生活を送っていた。
そんな僕でも、小さいころは工作が好きだった。小学校での図工の授業では顔には出さなかったものの、内心はワクワクしていた。しかし、やっぱり成績は普通だった。
僕は普通が好きだった。いや、普通しか知らなかったんだ。この時までは────