序章: 先生たちは自由奔放
新しいタイプの主人公を書こう!と思って書いたらなんだか文自体にやる気が無くなってしまってなんだか締まらない感じです。
だれかどうにかしてくださーい!
「生徒の呼び出しをします。○年○組○○くんは放課後、職員室三沢の所へ来なさい。繰り返す…」
こんな放送が学校で流れた時、生徒はどう思うか。
俺ならこうだ。
「ああ。かわいそうに。貴重な放課後なのになー。まぁ俺には関係ないし、いっか」
たぶんほとんどの生徒が同じことを思う。
ではその放送で呼び出される生徒が自分だったら?
俺ならこうだ。
「やば。俺なんかしたかな?行きたくねー」
これもたぶんほとんどの生徒が同じことを思う。
そしてほとんどの生徒は職員室に行く。大きな不安を背負いながらだ。そして職員室の前で深呼吸し、
「失礼します。○年○組の○○です。三沢先生に用があって来ました」
と言う。
さてここまでは一般論のお話だ。つまり、ここまではその呼び出した教師の話の内容がどうであれ絶対に通るルートだ。
つまり、教師の話の内容によってこの普通のルートは最高にも普遍にも、最悪にもなりうる。
俺の場合?
――――もちろん俺の場合は最悪だった。
――――――――――――――――――――――――
俺が職員室に入るとそこには予想通りに三沢が座っていた。
三沢は俺の講座の国語教師だ。ちなみに俺のクラスの担任でもある。年齢は確か26か27あたりだったはずだ。
三沢は俺を見て
「戸崎。お前この前の国語のテスト何位だった?」
「なんすか。4位でしたけど」
「そうか!よかったな!」
そんななんでもないような会話をして俺を職員室の休憩スペースのような場所へ行くようにうながす。
特に逆らう理由もない俺は言われるがままに休憩スペースの椅子に座って三沢を待った。(呼び出しておいて何様だと思ったがそれは言わないでおく。)
しばらく待つと三沢がきて俺の前の椅子に座り
「お前俺が何歳か知ってるか?」
「26、7っすよね?たしか」
「26だ。では俺の誕生日は?」
「知るわけないじゃないですか」
「8月31日だ。では俺が何座か知っているか?」
「誕生日から考えて、乙女座っす。」
「今日の乙女座の占いは9位だったんだよ」
「はぁ。で、今までの質問の意味が分かんないんすけど」
三沢はなぜか得意げな表情をしてこちらを見てくる。
「ではここでクイズだ。今までで出てかなかった数字はなんだ?」
は?
なんでここでクイズなんだ?
早く俺を呼び出した要件を教えてくれよ。
そう思いながらも俺は考える。
「えーと。最初が4で、次が2と6で、次が、8と3と1で、最後が9だったから出てきてないのは、0と7と5っす」
俺の答えはあっていたようで三沢は手をたたく。
なんだこれ?と内心思っていながらもとりあえずあっていたことに安心だ。
いや、じゃなくて。
「なんで俺を呼び出したんすか?」
「ああ。それなんだが…。戸崎、お前いまなんの部活も入ってないし、これからも入る予定ないだろ?」
俺は三沢の質問の意図がわからなかったが嘘をつく理由もないので本音で答えた。
「そっすね」
「ならちょうどいいな。お前、文芸部入れ。いや、つくれ」
「……は?」
おっと。声に出してしまった。
「さーせん。で、なんで俺が文芸部作んなきゃいけなんすか?俺嫌なんすけど」
「まぁそう言うな。どうせ仕事は年に何回かしかこないし、そもそもお前1人で部室は自由に使えるぞ」
「理由になってないっす」
「あれだよ。俺ここの卒業生で昔文芸部だったんだよ。でもなんかもう無くなっててさ。だからもう一度文芸部復活させたいんだよ」
先生がここの卒業生だったなんて知らなかった。しかも今はない文芸部に所属していたなんて。
てか、それあんま俺に関係なくね?
「理由はわかりましたけど、なんで俺なんすか?別に他にも部活入ってないやつとかいっぱいいるでしょ?」
三沢はこの質問を予想していたようで、
「今日は何日だ、戸崎」
「5月7日っす。それが何か?」
「数字に直すと507若しく057になるな」
「もしかしてさっきの数字すか?」
三沢はまた得意げな表情をする。
そして深呼吸したかと思えば大きな声で
「つまりこの文芸部設立を考えた今日にはお前がふさわしいというわけだ!!」
と言い放った。
いや、え?
いや、めんどいな。
やだな。ぜってーやりたくねぇな。
俺はそんな感情を込めて顔に表現してみたら、三沢は俺のためと思ったのかもう一つイヤーな報告をしてきた。
「大丈夫。お前1人だけじゃないから!」
いや、は?
いや、余計やだな。
だいたいから1人で部室使えるのがウリだったろ。
人数増えたら意味ねぇよ。
「じゃ、ヨロシクー!部活作成届けと、お前ともう1人の入部届けも出しといたからな」
今度は俺の表情作戦も通じなかったようで、三沢は話し終え自分の椅子に戻っていく。
いや、もうこの学校やめようかな。
俺に残ったのはそんな感情だけだった。