染まる
これからどんどん面白くしていくので評価よろしくお願いします
あの日から全てが最悪だ
僕達の全てを奪われたあの日から
僕達は復讐を覚えた
xxx年
「最近じゃあすっかり鬼も見なくなったもんだ」
「当たり前でしょう。あの桃太郎様と3人の手下が軍を率いて手も足も出せないようにしたそうよ」
「しかも宝は全て俺達国民に譲ってくれた」
「まさに神だ」
「異例の天皇と同等の地位になるそうよ」
「そんな事あるんだ」
これがいつも通りの光景
鬼を退治してから数年経つが昨日のことのように国民達は人類最強の男「桃太郎」
そして桃太郎に遣える「犬、猿、キジ」と呼ばれる三つの軍の大将
「犬」のリーダーのケン
「猿」のリーダーのエン
「キジ」のリーダーのシン
桃太郎と三人将がいる限り鬼たちは自由を手にすることが出来ない
「そういえば聞いたか?今年もアレをやるらしい」
「子供じゃなくてよかったー」
「あぁ、鬼ヶ島に言って鬼の首を持ってくるなんて絶対無理だ。桃軍に入ってる20歳直前のガキは行かなきゃいけない制度無くした方がいいよな」
「まぁアレをやらないと1人前の戦士になれないってことだろ。鬼の首持ってきたやつには大金が入るから、親達も喜んで桃軍に入れて鬼ヶ島に送るんだろ」
「まぁ、俺の子供も鬼ヶ島に送るけどな」
「クズが」
桃太郎が戻ってきてから3年後にこの制度が導入された。鬼の首を持ってきた人には今のお金で1千万近くの大金がもらえ、「3」の称号を得ることができる
称号は上から
「1」(軍内最強。日本の最後の砦の為、国に守られている。そのため人殺しなどをしても刑に問われない)
「2」(「3」の称号を持つもののみの軍をもつことができ、『1』の称号を持つものと同等又はそれ以下の実力を持つ。贅沢できる給料を得られる)
「3」(「2」の称号を持つものの側近として戦う。「4」「5」の称号を持つものの軍を率いる。生活に困らない程度の給料を得られる)
「4」(自分より上の称号を持つものを命懸けで守る盾の役割を果たす「5」と地位は変わらない。)
「5」(鬼退治に出ることは出来ない。しかし、他国との戦争で日本軍として活躍し、生還できれば「4」の称号を得られ、鬼退治をできる)
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「ごうくん。鬼退治に行くって本当?」
翔は弱々しい上目遣いで親友の吾羽に聞いた
「あぁ、さっさと『3』の称号を得て母さんを楽にしてやりたいしな」
「でも、鬼は強いんだよ?隣の国との戦争の時とは比べ物にならないくらい苦戦すると思うし・・・死んじゃうかもしれないよ?」
「そんなにビビってっからいつまでたっても翔は『5』なんだよ。弱けりゃ何も出来ないし、何も守れないぞ。おれは先に3になってお前の軍長になってやるよ」
「ごうくんが軍長かぁ。なんか嫌だな」
「おい」
今年の鬼退治に参加するものは6人
桜田吾羽
石田桐生
西条徹
浅田のぶ
栗生ひろと
捧大志
開催日は明日へと迫っているのにも関わらず
吾羽は余裕な素振りを見せていた
翌日、6人は鬼ヶ島へと送られた
帰ってきたのは石田桐生、桜田吾羽
その知らせを聞いて翔は喜んで吾羽の元に向かった
しかし帰ってきたのは
吾羽の右腕だけだった
石田桐生は大怪我を負い、再び戦闘に戻ることは出来ないと判断された
「石田くん・・・だよね」
「君は・・・吾羽の・・・」
石田は唇から血が出るほど強く噛みしめを見つめた
「すまない翔くん。吾羽は俺がいなければ帰ってこれた・・・吾羽は俺を庇って死んだんだ。」
「吾羽が死に際に、『母さんに会いたい』って言ってたから。吾羽を担いだら鬼から逃げられないと思って、死にものぐるいで吾羽の死体の右腕を切り離して持ってきたんだ」
翔は涙を流し石田の肩に手を乗せた
「石田くんのせいじゃないよ。悪いのは鬼たちだ。」
翔は吾羽の言葉を思い出した『弱けりゃ何も出来ないし、何も守れないぞ』
「来年だ」
翔のつぶやきに石田は振り返った
「え?」
「来年までに『4』になって鬼退治にいく」
石田は目を見開いた
「やめた方がいい。あそこは地獄だ。もう一度鬼退治に行くくらいなら一生軍の犬でいいと思ったよ。まぁ俺はもう戦えないけど」
「石田くんは『4』の中でも上の方だったよね。傷が言えたらでいい。僕に剣術を教えてください」
石田は微笑んだ
「決心は硬いようだね。わかった。君を吾羽以上の実力にするように頑張るよ」
翔は石田と修行の約束をし、そのまま家に帰った。
寝る直前、石田が帰り際に言った言葉を思い出した
「翔くん。吾羽を殺した鬼なんだけどさ・・・青色だったんだ」
青鬼。必ず殺してやる。
翌日、翔は石田の元へ向かった。
しかし石田の家には人だかりが出来ていた
「まぁ仕方ないよな」
「再び戦場に戻れないんじゃあ戦士としては・・・」
「よく戦ったよ」
翔は不安になり人だかりの中に入っていった
「すいません通してください!」
人だかりを抜けると
そこには石田の死体があった
「何・・・これ・・・」
「石田は将来期待されるほどの戦士だった。それは多分自分も自覚していたし、誰よりも桃太郎様を尊敬して毎日修行に励んでたからな。
もう戦えないとなると、自殺するのも無理はない」
自殺?石田くんが?
「石田くん!石田くん!」
「こら!離れなさい!」
翔は必死で石田を起こそうとしたが
ただ首に刺さった刀に血が滲むだけだった
「すいません。行くぞ翔」
「川藤くん・・・」
川藤は翔と同じ「5」
よく一緒に訓練でペアを組んでいた
「石田はまだ微かに息がある。もしかしたら助かるかもしれない。
明日は休め。俺が軍長に言っておく」
「え、どうして。僕は『4』になるために頑張らないと・・・」
「『5』の連中のなかで・・・」
翔の言葉を遮る用に川藤が口を開いた
「噂がたってるんだ」
「どんな?」
川藤は少し戸惑いながら翔に告げた
「翔と仲良くしたやつは死ぬって」
翔は川藤の言っている事を理解出来なかった
「それどうゆう意味・・・」
「まぁ気にすんな。お前にそんな能力ないだろ〜。大丈夫、明後日にはもうそんな噂消えてるよ」
「あぁ・・・うん。ありがとう」
翔は川藤に言われた通り次の日休むことにした
朝起きると『3』の久米田さんが翔の家にいた
「初めまして翔くん。君に聞きたいことがあってきたんだが」
翔は焦った。昨日来なかった理由を聞かれると思ったからだ
「一昨日の夜、石田死んだね。その現場に君と川藤がいた所を複数の人が目撃している。
そして一緒に帰ったことも。」
「あ、はい。確かに川藤くんと帰りました」
久米田は微笑んだ
「なら、その時のことについて詳しく話してくれるかい?」
やはり休んだことを怒られると思い、翔は正直に話した
「すいません!実は5の中で、僕と関わったら死ぬって言う噂が立ってたらしくて・・・・川藤くんが気を使って『休め』って言ってくれたんです」
久米田は顎に手を当てた
「なるほど、では昨日は何をしていたんだ?」
「昨日は家にずっといました」
久米田は翔を睨んだ
「実はね。昨日休んだのは君だけじゃないんだ。
川藤くんも休んだ」
「え、そうなんですか?」
「そうなんですかじゃないだろ!!!」
久米田は翔の目の前で怒鳴った
「え、あの・・・すいません」
久米田は立ち上がり翔を見下ろした
「石田の話によると、鬼ヶ島で吾羽はめまいがすると言っていたらしい。お前吾羽と前日に会って話していただろ。
それだけじゃない。石田が自殺未遂をした前日もお前と話してた所を目撃しているやつもいる
そして今回もお前は川藤と接触していた」
翔は久米田の言っていることを整理した
(吾羽くんと石田くんを殺したのは僕って言いたいのか?この人は噂を信じるような人だったのか。
今回も川藤と接触していたって何が言いたいのか・・・
今回も?)
「今回もってどうゆうことですか!?」
「とぼけるな。さっきも言ったとおり昨日休んだのはお前と川藤のみ。そして昨日川藤は殺された。という事は川藤を殺したのはお前だ」
「僕は・・・そんなことしてません!」
「捕まえろ!」
久米田の合図で数人の軍人が翔を取り押さえた。
「お前は拷問ののち、死刑だろうなぁ。ま、当然だな」
「僕じゃない!離せ!」
「大人しくしろ!」
翔は殴られて気を失った。
気づくと牢屋の中にいた。
そして翔の前には40歳くらいのおじさんがいた
「やぁ、目を覚ましたかい、翔くん。話し合いの結果。やはり死刑になってしまったようだよ。僕に可愛がられてからねぇ」
それからは地獄そのものだった。手足の爪を全て剥がされ、さらに全ての指に釘を打たれた。さらに複数の人に殴られ続けられる生活が続いた。
「殺してください・・・」
「やぁ、それは出来ない。あと3日間耐えてもらうよ」
「いやだぁぁあ」
僕は生きているかどうかもわからなかった。でも、自分の血の鉄のような匂いが鼻に入ってきて、「あぁ、まだ僕は生きてる」と感じることが出来た
「おい、立て。死刑が執行される」
こんなはずじゃなかった。僕はただ普通に生きて。普通の生活をしたかった
クソみたいな親の言いなりでこの軍に入ったのが運のつき。この軍に入っていい事なんて何も・・・
翔は「5」での生活を思い出した
「おう、お前も今年から入るのか?おれ吾羽!宜しくな!」
「おい翔!「3」に慣れたら最高な人生送れるぞ!一緒に頑張ろうぜ!」
「俺達親友だよな!翔!」
吾羽くん・・・
「翔。本日3月26日。死刑とする・・・・・・
君は今この瞬間人間じゃなくなった」
「え?」
「おい、あれを持ってこい」
翔の前に持ってこられたのは鬼の死体だった。
「これは桃太郎様が殺した鬼の首領だ。我々は鬼を解剖する事によって分かったのだが・・・・・」
「おい、詳しい話は長くなるからいいだろう」
「そうだな。翔。お前はこれから・・・鬼になる」
はい?