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戦うサラリーマン

その後リオン会長も佐藤課長もとても喜んで仕事の細かな説明を行うところだったが

会長の国王としての業務もあることからこれからの説明は佐藤課長からすべて聞かされることとなった

ひとまずは佐藤課長のデバイスでギルドに戻ってきたのだが


さて、いざモンスター退治をするとはいえ

武器とかそうゆう戦闘補助的なものをどうするべきか

というか、私はこのままの姿で戦えるのだろうか

そんなことを考えると

「さて、これで一鷹君は正式にうちのギルドの一員になったわけだけど」

と佐藤課長が話し始める

「とりあえずまずはデバイスの使い方を覚えないとかな?」

「あ、あぁ確かに」

私もデバイスを手にしたのだからこれからは佐藤課長のように簡単に移動したりとかできるようになるのか

とか思っていると

『その点は非常に簡単にできますよ』

「ん?」

手に持っているデバイスがそう言ってくる

『私にお願いすれば私のできることなら私が勝手にやりますよ』

「おぉ!さすがしゃべるデバイスちゃん!便利だねーうらやましいなぁ」

『もちろんです。私、喋りますので』

と自信満々に喋るデバイス

『...ですが』

「ん?」

『一つ、お願いしてもよろしいでしょうかマスター』

「なんですか?」

『私に名前を付けていただけませんか?』

「名前?」

『ええ。確かに私の名前は"デバイス"ではありますが、そんな普通の名称では私のプライドが許しませんのでぜひお願いします』

「プライドっておまえ...」

「そうかー。確かにデバイスって普通に呼んでも愛着わかないかもしんないし。一鷹君、名前つけてあげたら?」

「でも、道具に名前をつけるって...そのままデバイスでもいいんじゃないですかね?」

『...やはりマスターは最低な男です』

「ちょおまえ」

「そうだよ一鷹君。せっかくデバイスちゃんがお願いしてるんだからちゃんと名前つけてあげなさい!!これはじょーし命令です!!」

「えぇ...」

「返事は!!」

「わ、わかりました...」

名前か...

昔飼ったことのあるペットにはポチとかかめ吉とかだったけど

そうなるとこのデバイスだと...

「...ナビとか?」

『2点』

「なっ!?」

『センスのかけらもない直球過ぎな名前ですやり直し』

「おま、これでもちゃんと考えてだな」

「いや、さすがにそれはないと思うよ一鷹君...」

「えっ?だ、駄目ですか...」

「そうだよ。せめて可愛く"ナビィ"とかにしてあげなよ」

『...ナビィ』

「ん?」

『いいですね。ナビィ。美智子様とてもいい名前だと思いました。ナビィ気に入りました』

「えーほんとぉ?照れるなー。えへへー」

「ち、ちょっとまってください。なぜ"ィ"を付けただけでこんなにも評価がかわるんですか!?」

『それがセンスというものです。マスター』

なん...だと...

わからん...センスって一体...

「そーそー。さっすがわたし。センスいいよねーうんうん」

『ええさすがは美智子様。このナビィこの御恩は末代まで忘れさせませんことを誓います』

「...おまえ子供とか作れるのかよ」

『作れませんよ?何変なことを言い出すんですセンスのないマスター?今のは単なる喜びを表現するための比喩にすぎませんよ?それくらいわかってください』

「ぐっ...」

「一鷹君はリアクションはおもしろいけど空気まったく読めないよね」

「ミ、ミチコさんまで...」

く、くそぉ...

これから前途多難すぎる...引き受けないほうがよかったかも...





「さて。無事にナビィちゃんの名前も決まったしさっそく準備を始めようか」

「...はい、わかりました」

「本来だったらいろいろとめんどくさいんだけど、一鷹君の場合はナビィがいるから任せちゃっていいかな?」

『わかりました美智子様』

「んじゃおねがーい。私ちょっと昼寝してくるねー」

「えっ?ミ、ミチコさん?」

「終わったらドアノックしてくれればいいからよろしくー」

そうゆうとバイバーイと手を振りながら奥の部屋に入っていった

いいのだろうか、一応職務中なのに昼寝って...

『...ではマスター美智子様から直々に頼まれましたので私ナビィが説明して差し上げます』

「あ、あぁ。よろしく頼むよナビィ」

『結構。ではまずは"職業"を決めましょう』

「職業?」

??今の私は一応サラリーマンだが

『残念ですがマスター。この世界において現在のマスターは素っ裸と同じような状況です』

「えっ、そ、そうなのか?」

『はい。職業、通称"ジョブ"といいます。この世界のジョブとは"能力補正"のことを示し例えば剣や槍が得意になるものや魔法で攻撃するのが得意なもの、罠を設置したり破壊するのが得意なものなど様々あります。また、戦闘で役に立つものとは別に料理や鍛冶に長けるジョブもあります』

「ふむふむ、なるほど」

『さらにゆうとこのジョブには元々の潜在的な物に影響されるので通常はなることのできるジョブが限られており最初は二つか三つ。多くても五つから選択するのですが』

ん?"通常の場合"?

「というと私の場合は少し違うということなのか?」

『はい。そもそもジョブは何千何万と実際いくつあるのか把握しきれない数の物の中からそれぞれ潜在能力と適応能力が近いものをいくつかリストアップしてその中から選ぶことになるのですが...マスターの場合ですと』



『ほぼ全てのジョブを選択することができます』



「ほぼ、全て...だって?」

お、おいおいてことは普通なら1つや2つとかから選ぶのに私はそんな無限に等しいような中から選ぶってことか

どうゆうのがいいのかよくわからないというのにその説明を一つ一つ聞いて理解して選ばないっとってことなのか...

『はい、ですがいくつか制限があります』

「ん?」

制限?

『まず一つ目はマスターの選べるジョブは"戦闘職"のみです』

「戦闘職のみ?」

『はい。ジョブには二つ種類があり"戦闘職"と"専門職"があります。戦闘職はその名の通り戦闘を有利にすることのできるジョブのことで専門職は戦うことは可能ですが料理人や鍛冶師など主に生活に役に立つ能力に長けている職業となります。マスターはこの専門職になることはできません』

「なるほど」

ということは専門職の分だけ選択肢は消えるのか

『二つ目に現段階で選択できるジョブは基本職のみとなります』

「基本職?」

『はい。ジョブには熟練度というものがありまして、わかりやすくいうとそのジョブで生活していくことで熟練度を貯め。一定の値を貯めることで現在のジョブからその上のランクの高い上位ジョブという強いジョブにランクアップすることができます』

「そうか、普段から同じジョブを使うことで今使ってるジョブより強いジョブに変えることができるようになるのか」

『そうですね。少し補足させてもらいますと一定の数値の熟練度で上位ジョブにはなれますが、熟練度を貯めきることでそのジョブをマスターすることが可能です。ジョブをマスターしますとそのジョブの性能を他のジョブを使っていてもマスターしたジョブと同じ性能をもつことが可能となります。これを"ジョブリンクシステム"と言います。ただし、リンクできるジョブは最大二つまでですのでご注意ください』

「なるほど。例えば剣の使いやすいジョブをマスターしたあと魔法が得意なジョブに変えても、リンクさせることで剣も魔法も使いこなせるようになるのか」

『その通りですマスター。そしてジョブのランクは三つあり上から"最上位ジョブ"、"上位ジョブ"、"基本ジョブ"と言います。先ほど申し上げましたが現在のマスターはこの基本ジョブから選択することになります』

なるほど。まずは基本的な物から始められるってことか

『さらに申し上げますとある特定のジョブをマスターすることによって新しい"隠しジョブ"を発見することも可能です。例えば先ほどマスターがおっしゃっていた剣のジョブと魔法のジョブを両方マスターすることで剣と魔法どちらも得意なジョブを使うことができるようになります。通常ですとこの隠しジョブは一つ見つけられればいい方なんですがマスターの場合はどのジョブにもなることが可能ですので沢山見つけることが出来ますよ』

「へぇ。それはすごいな」

なんというか全体的にゲームみたいなシステムだな

『そして、三つ目ですが』

というと少し黙り込んでしまうナビィ

「?どうした?その三つ目が問題なのか?」

『はい。三つ目ですがその基本職を選ぶのにも現在"スキルロック"がかけられています』

「...は?」

スキルロック?

『まずはスキルについて説明していきますと一つは"技スキル"といいまして主に剣技、槍技、拳技など主に武器の技や使用者の性能をあげたり他者の性能をあげたりできます。大きな利点としては比較的に楽に使えるものが多いのですが欠点としましては威力が低かったり使用者の体力によって性能が変わったりします』

「なるほど。ちなみに体力ってのは数値でわかったりするものか?」

『いいえマスター残念ですがそれは不可能です。体力とは常に変化していくものですので疲労の蓄積やその日の体調による状態変化などで常に変化しておりますので申し訳ありませんがそれくらいは自分で管理してください』

なんか変なところで現実的なんだな

『二つ目に"魔法スキル"。こちらはその名の通り魔術を扱うことが可能なスキルです。攻撃魔法や防御魔法、性能を一時的に上げる補助魔法や怪我を治せる治癒魔法など様々です』

「ほうほう。なら、治癒魔法を使うことで疲労改善することができるのか?」

『そうですね、確かに強力な治癒魔法を使えば可能かもしれませんが、基本魔法を扱うにも使用者の体力を必要としますのであまり期待しないほうがよろしいと思います』

ぐ、そううまくはいかないのか

「ん?魔法スキルを使うのにも体力が必要なのか?」

『はい。技スキルと比べればごくわずかなものになりますが、魔法スキルの場合主に"マナ"の消費でスキルを発動させます』

「まな?」

『マナとは魔力の根源のことで素質のある者にしか使いこなせません。最も基本的にはどんな人間にもマナの素質がありますのでマスターのようなボンクラでも使いこなせますのでその点は問題ありません』

「さりげなく罵倒するなよ」

『続けます。このマナは体内に蓄積されておりそれを消費することで魔法スキルを使います。そうゆう意味で体力を使うってことになりますね』

「なるほど。このマナは数値化されているのか?」

『ええ。こちらはちゃんと数値化されてますのでご安心ください』

「そうか」

さすがにこれまで分からなかったら魔法スキルを使いずらいしな

『ちなみに使用したマナの回復方法ですが、まずは自然に回復するのを待つ方法。マナは大気中にも含まれておりますのでマナが足りなくなったらしばらく深呼吸などしていると回復します。また休憩や睡眠などでも回復しますので一日働いて疲れたときは夜更かしなどせずじっくり寝ることをお勧めします』

まぁそれよりも最初のうちは慣れないだろうからくたくただろうし

ちゃんと休まないと身が持たないだろう...

『それともう一つは"マナポーション"を使うことです』

「マナポーション?」

『こちらになります』

というとデバイスの液晶部分からブォンと立体映像が映し出される

『これがマナポーションです』

「...これって」

どう見ても携帯用の酸素ボンベだなぁ...

もっと飲み物的な物を想像していたのだが

『マナは先ほども言いましたが基本大気中に含まれておりますのでこれを体内にいれることで高速にマナを回復することが可能です』

「...これの水版みたいのはないのか?」

『?ありませんよ。確かにマナは食物や水からも得られますが吸収するのに時間がかかりますのでこのように空気なら一瞬で吸収することが可能ですのでこのほうが非常に効率がよいのです』

「...そうなのか」

結構前にコンビニとかで売ってたのもあるからそっちのイメージが強いんだろうなやっぱり

現実は効率重視なんだな

『話を戻しますと魔法スキルの利点は技スキルよりも威力が高く、尚且つ広範囲に使うことが可能ですから戦略においてとても重宝します。ですが説明した通り体力とマナを消費いたしますので連発は不可能ですのでご注意ください。そして』

「そして?」

『三つ目のスキル。これが一番重要で名前を"アビリティスキル"といいます』

「アビリティ...能力ってことか?」

『ええそうです。よくわかりましたねマスターのくせに』

「...これくらいはわかるよ」

『そうですか。では説明はいりませんね。もうすでにわかってらっしゃるのなら』

「いやいやいや!どうゆうものかはわからないから教えてくれ!!」

『...それならちゃんと「教えてくださいナビィ様」と言ってください』

「なっ、そ、そんなこと言えるか!」

『いいんですよ言わなくても。ただ知らないでおくと後々後悔することになりますからねマスター』

「こ、こいつ...」

とことん生意気な...

だが、ここは素直に言わねば

私は大人なんだからこれくらいの理不尽なら今までも経験してきたし...

「わかりました。教えてくださいナビィ様」

『「お願いします」は?』

「っつ...お願いします...」

『よろしい。最初から素直なのが一番ですよマスター』

ち、畜生

こいつには顔が無いからあれだが

今絶対すっごい馬鹿にした顔をしてる

『では、何も知らない"馬鹿"なマスターのために説明して差し上げましょう』

「...はい」

もう何も言うまい

『アビリティスキルとはまずそれぞれのジョブに必ず一つある"固有アビリティ"、武器によって様々ある"ウェポンアビリティ"、そしてジョブの熟練度によって解放される"基本アビリティ"の三種類です』

「これまたいろいろあるのか」

『まず固有アビリティ。これはジョブごとに設定されている必ず発動するアビリティです。例えば剣が使いやすくなったり、魔法の威力が強かったり、移動するときに足が速くなったりとジョブによって様々あります』

「なるほど。そのジョブにあったアビリティが付くってことか」

『そうですね。最低一つ。多くても二つ付いています。ちなみに二つ付くものは最上位ジョブと隠しジョブになります。最上位ジョブはかなり強いジョブになりますから二つ付くのはあたりまえなのですが、隠しジョブの場合ランクとしては上位ジョブなのですがそれより上のジョブが存在しませんので実質最上位ジョブと同じ位置なので二つ付きます』

「つまり私の場合最上位ジョブを見つけるよりも隠しジョブを見つけたほうが最初は楽なのかもしれないな」

『そうかもしれませんね。その選択はマスターにお任せしますが...さて次にウェポンアビリティについてですがこれも固有アビリティに似ておりましてそれぞれの武器に一つだけアビリティがあるもの存在しており、ジョブのようにその武器を使いつつけることで熟練度を貯めることでマスターすることが可能です』

「武器にも熟練度があるのか」

『すべての武器にあるわけではありませんがね。また、武器には武器固有のアビリティもありこちらは習得できませんが主に武器に付加効果が追加されています。こちらのアビリティは"マシンアビリティ"といいます』

「なるほどな」

『どのようなものがあるのかは今は説明を省かせてもらいます。そして最後の基本アビリティはジョブの熟練度の数値によって解放されるものとなっており一つのアビリティに最大八個あります』

「へぇ、結構あるんだな」

『この基本アビリティも二種類ありまして一つがそのジョブでないと発動しないもの。もうひとつが習得すると習得者自身のアビリティになるものとあります。後のアビリティは一度習得してしまえばずっと使用できますが、前者の場合ですとそのジョブを選んでいるときかジョブリンクさせていないと発動できません』

「なるほどな...で、このアビリティが一番問題みたいだったのはどうゆう理由なんだナビィ?」

『そう...ですね...』

というとまた黙り込んでしまうナビィ

「?」

『...このアビリティなんですがジョブを選ぶ際習得していることでそのジョブを解放することができますのでそのため基本的には何かしらのアビリティを既に習得しているからそのジョブを選択できるのです。逆に言うと潜在的にアビリティを習得できないものもあるので選択できるジョブも絞られるわけなのですが...』

「なるほどな...ん?」

そう考えるともしかして...これって



『残念ながら現在マスターは一つのアビリティも所持しておりません』



ななななな

「なんでってぇ!?」

え?ど、どうゆうことなんだ?

それって私には何にも取り柄がないってことになるのか

「いやいやいや!少なくとも剣道やっていたからせめて剣の扱えるものぐらい持っていてもいいんじゃないですかね」

『残念ですが、一つもないのです。普通ならありえないことなのですが事実ですマスター』

「なっ、そ、それじゃあ私はどのジョブにもなれないんじゃないのか?さっきの話と全然違うじゃないか!!」

『落ち着いてください。いかなる時でも冷静さを忘れてはいけませんよ。それにそんなマスターでもなれるジョブは一つだけあります』

「...え?一つだけ?」

『はい。一つだけですが』

ちょ、ちょっとまってくれ

「ナビィ、確認するが、私のなることのできるジョブはいくつなんだ?」

『はい。先ほどの話からまとめますと戦闘職全てです』

「...今なれるジョブは」

『一つのみです』

...

「いや戦闘職全部から選べないじゃん!一つじゃん!どうゆうことなんじゃん!?」

『マスター、それ面白くないです』

「そんなのいいから!全然言ってることが違うじゃないかナビィ!!」

『ですからマスター、"現在は"一つのみなんです』

「?現在は?」

『はい。最初からマスター固有のアビリティが存在しませんので確かに今現在のマスターは一つしかジョブを選べません、ですが逆に言いますと現在アビリティがないということは"これからいくらでもアビリティを覚えることが出来るのです"』

「これからいくらでもだと?」

『通常ジョブの数が制限される理由としましてはジョブを解放するために必要なアビリティを最初から持っているがゆえに他のジョブを解放するためのアビリティを習得できないためジョブに制限が付きます。ですがマスターの場合ですと最初からアビリティがないためその鍵となるアビリティを全て覚えることが出来るジョブしか選択できません。つまりマスターはその最初のジョブをマスターすると全ての基本ジョブになることが出来ます。ですから戦闘職のジョブが全て習得できてしまうのです』

「なっ...」

なんということだ

何もアビリティを持っていないということで全ての基本職の鍵となるアビリティを強制的に習得させられるがゆえに全ての戦闘職になることが可能になったということか

『しかし、何故専門職にはなれないのかはわかりませんが、とにかくその最初のジョブをマスターすることで全ての戦闘職を習得することが可能ですからぜひ頑張ってフルコンプしましょうマスター』

「いや、フルコンプできるかどうかはわからないが...それで、その唯一なることのできるジョブっていうのはどんなのなんだ?」

『はい。そのジョブは基本職よりもランクの低い"基礎職"というものになりまして。基本職よりも性能が圧倒的に低いです。ぶっちゃけ現在の状態とほとんど変わりません』

「なっそれって状況変わらないじゃないか!!」

『いいえマスター少なくとも好きな武器を装備できます』

「それだけかよ!!」

『はい。それだけです。ですが武器無しよりもはるかにマシですよ?今のまんまじゃ素手でモンスターと殴り合うことしかできませんもの』

「そ、そうなのか...それよりかはましか...」

『えぇ。それに基礎職はジョブマスターすれば自動的になくなってしまいますし。ちゃんとマスターすれば基本職全てから選べますからねマスター』

「あ、あぁ。そうだな」

『まぁ最初は大変でしょうが頑張ってマスターしちゃいましょう』

「はぁ...ちなみにその基本職の名前って何かあるのか?」

『ええとですね...』

そうゆうとナビィはそのジョブの名前を探し始めているのだろうか一分ほど静かになると

『ええーっと...あ、わかりました。そのジョブはですね...』



『見習い冒険家ですね』



...見習い冒険家、か

なるほどな。確かに冒険することも何も知らないからな

今の私にはぴったりな気がする




「そうかわかった。早速その"見習い冒険家"になれるのか?」

『ええ。もちろんですマスター。ジョブの管理もデバイスの仕事ですからね。早速変更しますか?』

そう

ここで変わったら本当に変わり始める

今までの逃げ腰の私から

新しい冒険者に

さっき迷いは捨てた

逃げるのも辞めたんだ

あの言葉を始まりに私はここから変わる



「あぁ。頼むナビィ」

『かしこまりました。システム"ジョブチェンジ"起動。選択ジョブ"基礎""ミナライボウケンカ"入力。発動』



ここから私のこの世界での仕事が始まる

自分の意思で決めた仕事が



『ジョブチェンジ  ミナライボウケンカ   チェンジカンリョウ』




こうしてここに

サラリーマン兼見習い冒険家の前村一鷹が誕生したのである

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