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史上最悪のホワイトクリスマス?

作者: 航空母艦

「記者が現地に到着したようです、上島さん、現場はどうなっていますか?」

『はい上島です、現場はこのように混乱が渦巻いております、』

「現場の被害状況はどうでしょうか」

『はい、えー、現場となりましたのはあそこに見えます勝鬨橋です、被害状況はまだ不明ですが、...え、えー、たった今入った情報ですと相生橋や春海橋でも同様の事態が起こり、警察はテロ事件と結論を出しました、東西冷戦以来の警察予備隊の実に数十年ぶりの出動が予想されています、』

「勝どき区は完全に孤立したと言うことでしょうか?」

『そういうことになります、現在海上保安庁の巡視船が勝どきの周辺を周回して状況を判断しており、警察も特殊部隊の投入を判断しかねている状況です』

「分かりました、武力衝突を避けてきたわが国の今後を左右する事態となっており、今後の対応がどうなるのか、慎重に進めていただきたいです」


朝七時のニュースは、

恐らくこの国始まって以来最悪の内容だった、

誰もがこの国の行き先を不安でしか見ない中、

現場に張り付く彼らは、少なくとも諦めてなかった、


「朝っぱら雪か、視界は最悪、足元も最悪、捜査本部との連絡は取れたか?」

「はい、やはり警察予備隊が動くそうです、」

「そうか、この状況だ、装甲車を持ち込んでるあっちの方が有利だ...」

「住民の避難は海上保安庁が担当しています、順調とのことです」

「静かに動けよ、ばれたら皆殺しだぞ...」

「勝どきと月島を占領されたからここ晴海が最前線か」

「海上警察予備隊(以下海警)の爆破工作も上手く行ったみたいですし、陸上警察予備隊(以下陸警)が到着しだい我々も後退します、」

「アメリゴの大使館を襲撃しそこなったからってうちの国を攻撃しないで欲しいな...」

「朝潮運河を挟んでの膠着戦線ですね...」

「豊洲の埠頭に陸警が着きました、少しずつ後退しましょう」


その時、戦局が動いた


「敵陣地からヘリです!!」

「なに!?」

「あれどこ製のヘリだ!?」

「後退後退!!警察予備隊に任せるぞ!!」


シュシュと嫌な音が聞こえる

全員伏せろとの声とともにロケット弾があっちこちに着弾する


「瀬川が負傷!!その他大勢の負傷者が出ました!!」

「クッソこんな視界が無い状況で発射するバカが居たのかよ!!」


血まみれの蒼い制服を横目に負傷した警官を背負う、

バババと回転翼の音が近づいてくる、

視界がないのによく飛べるな、

おまけに東京はちょうど吹雪だ、

今年の寒波で寒い中、みんなが必死に後退する、


「航空機は飛べない、橋の重量制限で特車はこれない、警備艦や護衛艦も期待できん、どうするんだ...」


前線へ向かう灰色の制服が特徴的な警察予備隊を横目に、

我々は屈辱を深めただけだった、


「迫撃砲も撃つな、砲弾で家を壊すな、銃撃も最低限に、クッソ、制約がありすぎる...」

「隊長、夜襲部隊の到着を待ちましょう、歩兵戦闘車もまもなく到着しますし、」

「歩兵戦闘車持ってきても撃てなきゃ意味無いの、相手はどこぞの意味分からんテロリストだ、ここ読んでみろ、テロリストは強制送還するから生け捕りしろだとよ」

「無茶でしょ!?」


ボウと紙が吹雪に持ってかれた、

しまったと思ったが、運良く運河に沈んだ、


「頼みの綱は夜襲部隊だな、戦略警察予備隊だっけ?」

「この天気です、航空警察予備隊が期待できないんですよ、戦警に頼むしかありませんよ」

「金食い虫には出来るだけ頼りたくないんだがな...」


相手のヘリがどうやら海上に墜落したようで、

海警の無線が混乱していた、


「ミサイル艇だけか、ま、これだけの制約が着けば大型艦は持ってこれないな...」

『こちら海上警察予備隊臨時編成高速艇隊、指示は?』

「無い!!」


受話器を乱暴に切った、


歩兵戦闘車は朝潮運河にかかる四本の橋の封鎖に使った、

全員の灰色の制服がどんどん白くなっていく、


「これを十二時間もやるのか、」

「キツイデスナ」

「衛生隊!こいつを頼む!!」


例年経験したことも無い猛吹雪に冬季装備無しで挑んだために脱落者が増え始めた、

こんな状況では今夜まで持つかどうかも分からなかった、


「クッソ、寒いな...」

「デスネ...」

「衛生隊!!こいつを熱湯風呂にドボンして来い!!」


あっという間に歩兵戦闘車の中は脱落者と衛生隊でいっぱいになった、


「夜襲部隊の潜入が始まりました」

「ゴムボートか、海警から借りたのか?」


そういうわけではないぞ、

河川用のゴムボートでここまで漕いだことをほめてあげましょう


「今夜クリスマスイブなのになぁ...」

「子供のことはサンタさんに任せて仕事に専念しろ」

「仕事っつったってただの見張りみたいなものじゃないですか」

「それでもやるんだ、警察が解決できない以上我々が最後の砦なんだよ」

「ソウデスヨネ...」

「衛生隊!!こいつも!!」


ただただシーンとした時間が過ぎていく、

間もなく時計は明日を知らせようとしていた、


「む、動いたぞ!!」


吹雪の橋の上を何かが動いていた、

あわてて全員が防盾と警棒を構える、


ピュゥと信号弾が上がった、


「...あ、戦警は信号弾で意思疎通ができるって言うけど、ホントなんだな」

「感心しとる場合か、だれかあの意味わかるか!!」

「...」


だれもが黙り込む、

橋は吹雪に視界を遮られてる上にすぐ向こうは敵陣地、

緊張が走る、


『こちら夜襲部隊、説得が完了しました、今から橋を渡らせます』

「女の声ですね」

「へぇ、本当に戦警って女の子ばっかなんですね」

「感心しとる場合か...」


およそ二日間にわたるにらみ合いはこれで幕を閉じた

最後にはお互い橋の上で真っ白になりながら握手したという、


テロリストは後日国籍のある国へ強制送還され、

警察予備隊はクリスマスを楽しんだとさ、


めでたしめでたし


警察「いやいや、負傷者出てるんですけど」

作者「っていうのを考えたんだけどさ」


粟谷「いい加減に成仏しろよ」


千葉「ダメだこりゃ」


チャンチャン♪

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