いつものままで
辛いことがあった。
誰にも言えない、誰にも話したくない。
そんな辛いことがあった。
自分を責めて唇を噛んだ。
自分が嫌で拳を握り締めた。
破壊的な衝動に駆られる。
でも何もできない。
見渡す世間は非情にも平穏だ。
誰が悪いのか…
何が悪いのか…
そんなことは分かっている。
社会は冷酷で温かい。
こんな自分がそこにある石ころのように受け入れてくれる。
誰も悪くない。
何も悪くない。
自分が悪いのだ。
自虐じゃない。
事実だから。
繰り返しその言葉を連呼する。
諦めるな。諦めるな。諦めるな。
もがき、足掻き、生に固執するんだ。
自分を鼓舞する自分が滑稽だ。
でもこれでいい。
いつものままの社会は個の意思に関わらずそこにある。
だから辛いことがあっても生きていけないことはない。
地べたを這いずり回ってもいいじゃないか。
泥水飲んで土を食べてもいいさ。
生きるんだ。
いつかきっとを夢見て。
諦めなければ明日はきっと来る。
そしてそこには自分がいるよ。
いつものままで…