鉄くずバベルの塔
今にして思えば、ということだが。
あの時、安泰だった私たちの家系、というか親族に、たしかにその不穏な気配は近づいていた。
と言っても、『不穏な気配』というくらいなのだから実体のある存在ではなく、あやふやな存在なのであるが、確かにそれは、無色透明であっただけで、我々の間近で密かに息づいていた。…というのが昔、親戚の中で一時期そればかりが噂になったことがあった。
まるでそうやって噂すること自体が呪いであるように、その無色透明な存在に関する噂は絶えることが無かったのだ。
ウーパールーパー。鉄くずバベルの塔。香田。口裂け少年。久国。そういったものが登場するお話です。
あの時、安泰だった私たちの家系、というか親族に、たしかにその不穏な気配は近づいていた。
と言っても、『不穏な気配』というくらいなのだから実体のある存在ではなく、あやふやな存在なのであるが、確かにそれは、無色透明であっただけで、我々の間近で密かに息づいていた。…というのが昔、親戚の中で一時期そればかりが噂になったことがあった。
まるでそうやって噂すること自体が呪いであるように、その無色透明な存在に関する噂は絶えることが無かったのだ。
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