episode2.王都スヴィエーツェとヴォルバス商会(3)
初めて小説を書くので文のつながりが変だったり誤字があります。先に謝ります。ごめんなさいm(._.)m
「アメトリン。2番へ」
シィニは案内をするように手短に伝えた。
「もうお客さんは帰ったの?」
ケットは帰って行く人を見ていないため聞いた。
「ここには別の出入り口があるのですよ。
ヴォルバス様とのお話の場合はそちらから出入りするんです」
いつもの笑顔を崩さず説明をしてくれた。
アメトリンは立ち上がり、ケットについてくるように伝えお店の奥へと入って行く。
Ⅱと書いてある扉の前までやってきて
ノックをすると、中から入れと低いバリトンボイスが聞こえてきた。
その声を聞くとどうしても緊張をしてしまうカットは肩を上げガチガチになりながらもアメトリンの後をついた。
「失礼します」
「あぁ、とりあえずかけろ」
そこには高級そうなソファーとテーブルがあり、テーブルランプひとつと間接照明が数個あるだけの薄暗い部屋だった。
「お、お久しぶり…デスネ」
ケットはこれから何を言われるのだろう、と今までの経験からいい事は少なかったので不安になりながらも相手の顔をみた。
そこには中年の銀髪のくるくるとした癖毛で、後ろで一つに結んでいるメガネし、アイスブルーと珍しい瞳をしている。
毛皮のコートを肩に羽織った割とガタイのいいおしゃれに整えたヒゲの男性がいる。
普段は人間の見た目だが太刀魚の魚人族でもある。笑うと歯がギラギラしているのが見える。
アメトリンはだらっと座りながらケットと出会った経緯を軽く話していた。
「ヴォルバス商会へようこそ
お前はどれほどの利益を運んでくれるんだ?」
ケラケラと笑いながらタバコを吸い始めた。
「俺、またなんか面倒なこと頼まれるの…?」
「あ?」
「食べないでぇ」
ケットは怖くなり変なことを口走っていた。
「お前不味そうだし食べねぇよ。
お前に頼み事したい時は裏ルートを使って頼むから今日は違う。
前も言っただろ?珍しい情報や持ってるモノを金に変えてやるって」
ケットは前にもそう言われたのを忘れるくらいそれとは別に無茶な話題を言われる時があった。
基本商会であっても何かを販売しているというよりは裏で情報など宝石などをやり取りしているような少しダークな商会だった。金になれば犯罪もするところである。
そしてケットに対しては、自由な旅をしているため、人がなかなか行けない場所などに行って絵を描くこともある。
例えば精霊樹だったり、そこの場所や行き方などを情報として買うと提案されていた。
だがケットは基本的に歩いたらあった、わからないけどそこにいた、どうやって入ったかわからない、話聞いたけど忘れたなど、
情報としては特に役に立たないことも多かったが、
それとは別に、絵を渡す代わりにもらっていたものが珍しい薬草や、花、その場所独自の硬貨や、宝石、香辛料など様々であった。
そっちの方がメインである。
ケットはほとんどもらった物の価値がわかっていない。
基本王都では小銀貨大銀貨、小金貨大金貨と分けられているが、
ケットが持っている珍しいものがどれくらいの価値なのかはあまり気にしていないため、持っていても困るものなどは手放して欲しい人にあげることの方が多いのだ。
そんな金に執着がないケットを気に入り、他でカモにならないよう、ケットを見かけたら捕まえるようにして、
自分たちの利益もだしていた。
ある意味優しい商会であった。
「んー、あ!これ!ここじゃ使えないお金だよね?交換してねって言われてたんだ」
ケットはカバンから手のひらより少し小さめの木の板に千と書いてあるものを3つ出した。
「お前、イサクに行ってきたのか」
イサクとはこのヴィエルーツェ国より東に行くとある小さな国である。
そこはこの国とは違い、どことも同盟などを組まず閉鎖的な国としても有名であった。
そこから商品を仕入れようとするとイサク通貨を要求してくるような国である。
そのため、そのイサク通貨持っているのは大変珍しくこの国ではなかなか高価に扱われている。
百の板だけでも大金貨1枚
(ちなみにパンは小銀貨1〜2枚くらい
宿に泊まろうと思えば小金貨2枚
大金貨ならめちゃいいところ泊まれる)
「あそこ普通に入れたんだけど、本当はダメだったらしくて一回牢屋に閉じ込められて大変だった〜」
笑っていうケットにアメトリンは危機感ねぇ〜って呆れながらも爆笑していた。
「けど、牢屋からさ!珍しいピンクに咲く木があるのが見えてさ!
絵を描きたいからカバン返してって言ったら返してくれたから牢屋で絵を描いてたんだけどやっぱり
鉄格子見栄え悪くてさー」
「頭悩ましてたら出してくれて街案内してくれたんだ!そこで一番いい位置でその木を描かせてくれて、お城に飾るからってその木の板と交換してくれたの」
「本当はなんかもっと大きいのもくれたんだけど流石に持ってくの邪魔だから断ったんだよねぇ〜」
ケットは思い出しながら楽しくなり興奮しながら話していた。
ちなみにその大きいやつとは“万”という札である。
「お前はやっぱり面白いやつだ」
大きいのという発言をきき、利益など関係なく描きたいからという理由が相手にも伝わり、イサクの国の住民からも可愛がられたであろうケットはヴォルバスからしたら自分とは違う価値観のため退屈しなかった。
「あ、それ欲しいんだっけ?あげるよ!持ってても使い道ないし」
ケットはそのまま渡そうと笑顔ではい、と差し出した。
「ははは!!」
ヴォルバスは笑いながら葉巻の煙をゆっくり吐いた。
「ケット、これはお前が対価でもらったものだ。それを無償で渡そうとするな。
俺らはお前から無償でもらうために読んでんじゃねぇーんだ。
対等に取引がしたいからお前は捕まえさせてるんだよ」
そう言うと、テーブルの引き出しを開け、小さな革袋を取り出してテーブルに置いた。
金属の重たい音が響く。
「この板三枚…この国なら大金貨15枚分だな」
「え、そんなに!?」
ケットはびっくりしてソファーの上で膝を抱えながら丸まりながら目を丸くした。
「だがイサクの通貨は流通が少ねぇ。
俺が売る時はもう少し上で捌く」
ヴォルバスはニヤリと笑う。
「だから…」
革袋をもう一つ取り出し、横に置いた。
「こっちは情報料だ」
「情報?」
「イサクの話だ。あそこは閉鎖的でな。
普通は入れねぇ」
アメトリンはさっきのケットの話を思い出し笑った。
「牢屋スタートだけどな」
「ははは、違ぇねぇ」
ヴォルバスも肩を揺らして笑った。
「まぁいい。お前は気にすんな」
そう言って袋をケットの方へ押した。
「お前は見たものを描け。
面白いもんを持ってこい」
そして少しだけ声を低くする。
「その代わり、変な奴に騙されそうになったら俺のとこに来い」
「お前みたいなのはな」
葉巻を灰皿に押し付けながら言った。
「この世界じゃ、すぐ食い物にされる」
ヴォルバスは気に入ってるやつが食い物にされるのは気に食わない。
一度身内に入ったら死ぬまで守ってやることにしている。
そんなことはつゆ知らず、
ケットは袋を覗き込み、少しだけ首を傾げた。
「んー…でもパンめっちゃ買えるね!」
アメトリンが笑い転げた。
「そこかよ!!」
ヴォルバスもまた豪快に笑った。
「やっぱりお前は面白ぇやつだ」
他にはないのか?と聞かれるも、他は食べ物だったりしたため、もうケットのお腹の中にある。
あとは花など、ストラップだったので自分で大事に使っていたのだった。
――――――――――――
「ケットといると退屈しねぇわ!まだつけたら捕まえるからいろんなところ行ってこいよな〜」
ヴォルバスとのやりとりも終わり、商会との楽しくもあり不安もあった話し合いは終了したのだった。
アメトリンはケットをメインストリートまで送り、自分は可愛い女の子と過ごすため飲みに行ってくると道を別れた。
「あぁぁー」
「お腹すいたぁぁぁ、パンが俺をまっている!」
ケットはジェラートしか食べていないためお腹がぺこぺこだった。
もともと王都に着いたら行きつけのパン屋に行ってから画材屋に行く予定だったためだいぶ時間が押していた。
あと少しで閉店してしまう時間のため急いでお店に向かうことにした。
「ここどこだ?」
あまり王都にはきていないのもあるが店などが変わっておりなかなか辿り着かず迷子になっていた。
「もーーー、お腹すいてるのにーー、どこだよーーー」
文句を言いつつ歩いて、だいぶ歩いたところ、見慣れた道に出た。
やっとパン屋につける、まだ終わらないでくれ、残っていてくれ、という気持ちを胸に
焦る心のまま足を早めた。
お読みいただきありがとうございました!
次回作はちょこっとづつ書いていくので楽しみにしていただけると嬉しいです!




