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第39話 皇女の策略①

深夜の皇女記念館。


館内の清掃を終えたタカシが玉座の前で一服していた。


ふと和子の様子を見てみると彼女は何か思案している様子である。


「そうだ!ねえ!タカシさん!」


「は、はい!何でしょう?」


和子に急に大きな声で呼ばれ、目をパチクリさせるタカシ。


「いいことを思いついたの。この前の面接のリベンジよ!」


「ええ!和子様…まだ諦めておられなかったのですか?」


「当然でしょう。あんな優秀なお三方をわざわざ見逃す手はありませんわ」


「でも名誉顧問が目を光らせている限り無理ですよ…」


「そこなのです。面接となると必ず平九郎がからんでくる…」


「そうです。男だと追い返されてしまいますよ…」


「ええ。だから今度は《女性枠》で募集をかけるの」


「女性枠!?」


「そう。これなら平九郎も文句は言わないでしょう」


「確かに…でもあの三人はそれでは無理なのでは…」


「ええ…あのままではね…」


「あのまま?」


和子はニヤリと笑った。


「だから…あの方達には女の子になってもらうの!」


タカシは仰天した。


「は、はひ!それは無理なのでは…」


「そうかしら?きっとお似合いになると思うけど…」


「そ…そういう問題ではなく…本人たちが受け入れるでしょうか?」


「大丈夫よ。募集枠の話をあの三人だけに伝えるの。きっと来てくれるはず」


なぜか和子は確信を持っている様子であった。


それでも気の進まないタカシだったが、さらに皇女に説得され渋々三回目の面接に動かざるを得なかった。



3日後、タカシは田端と示し合わせて皇室庁を訪れた。


名誉顧問室に通された2人は、正面壁に額に入れて掛けられた『皇国の命運 この戦いに賭けん』と書かれた墨の大書が目に入った。


平九郎はその下の重厚なマホガニー机の向こうで軍刀の手入れをしていた。


「おう!館長と山田男ではないか。珍しいな。まあ 座れ!」


「ありがとうございます」

「失礼いたします」


来客用のソファに座った2人は右側壁面に掛けられた巨大な油絵の絵画に目を奪われた。


それは礼和海決戦の様子を描いたもので、連合艦隊旗艦《三星》の艦上で右手で敵艦隊を指差して指揮をとる平九郎の姿が描かれていた。


「今日は一体何の用じゃ?」


打ち合わせ通り田端が切り出した。


「折り行ってご相談したいことがございます。やはり記念館の人員不足の状態が続いております。再度 職員募集を行いたいのですが…」


「ふむ…分かってはおるが…男はいかんぞ!見た目ばかりチャラチャラしおったろくでもない奴が寄ってきよる!」


「はい…そこで今回は女性に限定して募集をかけたいと思いますが如何でしょうか?」


「ぬう…女か…まあ致し方あるまい」


「よろしいですか!」


「うむ…ただし今回もわしは立ち会わせてもらうぞ。殿下の元におかしな奴が入ってはかなわぬからな!」


「分かりました!」


まずは第一関門を突破し、内心胸を撫で下ろすタカシと田端。


次に2人は白鳳堂家に向かった。






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