第23話 皇女 映画化される(夢と魔法の世界編③)
石像はブルブルと体を震わせると表面の苔や
石の皮が卵の殻の様に吹き飛んだ。
『きゃあ!』
カズコが驚いて目を塞ぐが、ゆっくり片目を開けると、そこには白い毛並みに縞模様が入った小さな動物が肘枕で寝そべっていた。
(この怒り眉にギョロ目!毛むくじゃらで髭が生えてるけど、どう見たって平九郎よね。うふふふ…)
和子は心の中で笑いが止まらない。
『俺を目覚めさせたって事はお前は皇族だな』
『え、ええ。そうよ。初めまして 、猫ちゃん』
それを聞いた途端毛むくじゃらは飛び上がって怒った。
『お前!今なんて言った!俺は猫じゃねえ!《パイ・フ―》だ。さあ、もう一度!』
『パイ・フ―』
『よ-し、良く言えた。もう2度と間違えるんじゃねえぞ!』
『分かったわ。パイ・フ―。私は皇女のカズコ。宜しくね。ところであなたは何者なの?』
『なんだ!皇族のくせに俺の事を知らないのか!じゃあ仕方ねえ。教えてやる。よ―く聞けよ』
パイ・フ―は軽やかなレゲエのリズムに乗って歌い出した。歌に合わせて祠の壁画が踊る。
『遥か海の向こうから お前の先祖がやってきた♪
長い髪をなびかせて 微笑みながらやってきた♪
俺達四神は土地の神 最初はMAX警戒心 ♪
だけど彼女は強かった 島のゴタゴた納めたよ♪
平和な1つの国になり 俺達ゃ 彼女を見直した♪
お前の一族守ってやるよ 固い約束かわしたよ♪
俺は白虎のパイ・フ―さ 四神で一番偉い奴♪
さん!はい!ご一緒に!
(和子とパイ・フ―が声を合わす)
俺は白虎のパイ・フ―さ 四神で一番偉い奴♪
俺は白虎のパイ・フ―さ 四神で一番偉い奴♪』
ドヤ顔で胸を張って立っているパイ・フ―、
思いっきり歯を見せて片目ウインクをする。
カズコは目を輝かしながら質問する。
『まあ!すごいのね!じゃあ一体どんなすごい力があるの。聞かせて!』
『どんな力って…まあ…何だな…例えば…俺は3つの大事な役目を果たしてきた』
『どんな?』
『1つ目は、お前たち海皇家を見守ってきた』
『2つ目は?』
『2つ目は、お前たち海皇家を見守ってきた』
『…3っ目は?』
『3っ目は…お前たち海皇家を見守ってきた……
OK、OK!そんな顔するな。この話はここで終わりだ!そうだな…あれさえ有れば……』
『あれ?』
『そうだ。俺達四神は力の源である神具を持っていた。俺のは白虎金環』
『白虎金冠?』
『ああ。金の首輪だ。だがみんな盗まれちまってな。それからは力がふるえなくなり、忘れ去られちまってこのザマだよ』
パイ・フ―は親指でボロボロの祠を指した。
落ち込むパイ・フ―にカズコは明るく声を掛けた。
『じゃあ一緒に探してあげる!』
『そんなの…見つからないよ…』
『探してみなくちゃ判らない!さあ元気出して。』
『へへッ。おかしなやつだな。じゃあ よろしく!』
二人は グータッチした。
次回 斑目慎之助が現れる。
『やだなあ。僕は皇家を幸せにして差し上げる事しか考えていませんよ』




