誰も知らない、みんな知ってる
初ホラーです。
夏なのでということで書いたんですが、あんまり怖くないかもしれません。
が、楽しんでいただければ幸いです。
7/13 追記…小説家になろう日間ランキング、ホラー[怪談]短編部門にて80位におじゃまさせていただきました!
ランクインは小説を書いていく上で、一つの目標だったので本当に嬉しいです。
読んでくださったみなさん、本当にありがとうございます!
「佐藤和美を探してるの、二年C組の」
「え?」
「どこにもいないのよ」
「あそこにいるじゃない」
「え?いないよ、あんな顔じゃないわ」
「そうだったかしら?あんな顔だったはずだけど」
「そう言われればそうとも思えるけれど……」
「わかった、じゃあ和美さんの髪の色は?」
「黒か、茶色……目立つ色じゃなかったと思うけど。もしかしたら金髪かもね」
「じゃあ、どんな顔?」
「優しそうな顔……少し、大人っぽい顔だったかな?でも、子供らしい顔だった気もするな」
「髪型は?」
「ボブか、ロング……ショートヘアかも」
「なによ、そんな子どこにもいないわよ」
「あ、あそこにいた!」
「え?あれは違うでしょう?」
「いや、あの子よ」
「えー?あんな髪型だったかしら?」
「そうだったはずだよ……あたし、あの子と仲いいし」
「というか、どんな名前だったっけ、その子?」
「えー……と、奈々かな?美羽かも」
「……じゃあ、苗字は?」
「鈴木よ……もしかしたら、佐々木かもしれないけど……」
「あそこにいない?」
「違うよ」
どこにもいない、どこにでもいる。
アノコ、ダァレ?
閲覧ありがとうございました。