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年月と成長
淑女教育が始まってから二年が経ち、フィルナは七歳になった。
フィルナの淑女教育が始まった際のヴィルフィー兄様と同じ年齢になったのだ。
九歳になったヴィルフィー兄様は、剣術において新米兵士とあまりかわらないほどの強さだと剣術の先生であるエキジュナが言っていたと聞いた。
フィルナの淑女教育に関しては、この二年で大抵のことの基礎は習得して次のレベルへと進んでいた。
だがしかし、いまだに苦手なことはあった。
礼儀作法や知識の面に関しては上達が見られたのだが、ダンスが苦手なままなのだ。
フィルナはダンス教育の時間に加えて、空いた時間で自己練習をしていたがいまだに裾を踏んでしまったり躓いてしまったりすることが多いのだ。
そんなフィルナが自室で休んでいると、訪問者があった。
誰かわからず受け入れると、訪ねてきたのはヴィルフィー兄様だった。
ヴィルフィー兄様は、フィルナが上達しないことに対して悩んでいると知り、空いた時間に訪ねてきてくれたようだ。