新たな生活
翌朝、目を覚ましたフィルナ。
いつも通り支度をし、朝食の席に着いた。
そこで、今日の昼頃から淑女になるための様々な教育が始まるとヴィルナスお父様から伝えられた。
フィルナは朝食後、淑女教育が始まるまでに覚悟を決めた。
不器用でドジが多いが、それでも出来るようになるまで努力し続けて頑張ろうと心に決めたのだ。
それは血筋の問題もあったが、フィルナ自身がヴィルナスお父様やフェシエナお母様などの期待に応えたいという気持ちや、ヴィルフィー兄様への尊敬や憧れの気持ちなどがあったからでもあった。
昼頃になり、淑女教育が始まった。まずはじめは礼儀作法の授業であり、レナリッタ先生に教わることになった。
今までは見様見真似で行い、多少のことは許されていた。そんな部分の教育が始まった。
まずは食事マナーであった。カラトリーの使い方や食べ方、その際に音をたてないように気を付けることなど色々あった。
フィルナはカラトリーの使い方はすぐに習得できたものの、食べ方に少し苦戦した。だが、それ以上に苦戦したのが音をたてないようにすることであった。
食べ方は、頬張らないことや口に入れる際の注意点などだったため比較的に習得しやすかった。
だが、音をたてないように気を付けることに関しては難しかった。
ナイフで切る際に食器にあたり音を立ててしまうことなどがどうしても絶えなかった。
そのため、なかなか習得することができなかった。