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17  ユーゴ戦記 空爆の中

午前1時までに、ベオグラードに臨時で構えているEBUに着かなければならない。


それ以降は映像を伝送できるEBUが撤退してしまう。


着かなければ、ワタナベがハンガリーからベオグラードに向かって、200キロ以上スーパーカブもどきに乗って道中撮影した映像には何の意味も無いのである。




しかし、ワタナベが着く前、NATOの空爆の中、ギリギリまで粘ってくれた担当者は「さすがにこれから退避する」と言い残した。それでもスーパーカブをベオグラードに向かわせ、EBUの陣取ったところに到着。


それでもEBUのすごいところは、現地に人を残し(現地の人かもしれない)ワタナベの相手をしてくれたところである。


しかしオペレーターではないため、映像伝送は出来ない。




もう頭の下がる思いではあったが、ならば、これからさらに南に下ってコソボ自治区に行けばNATOの支配する地域であるからK4(KFOR)、あるいはKLA(コソボの武装勢力)かによって、自分のよれよれ映像が世界に発信されるかもしれない。


そんな思いを抱いて、ベオグラードからさらに南に下る。




しかし、その直後に見たのは絶望的な景色であった。


交通の大動脈である南部への大きな橋が、破壊されていたのである。


どちらの仕業か分からないが、スーパーカブは即座に反転、今来た道を引き換えるにことになった。


国境を越えハンガリー、空港でスーパーカブは無用の長物となった。


ワタナベは地球に優しくなかった。




結局、ユーゴ空爆はあったが、ワタナベは何もしなかったに等しかった。




しかし、1年後、またベオグラードに取材に来るとは、その時は思ってもいなかったのである。




次回以降、一旦戦地から離れて、「ダイアナ王妃」「フランスW杯チケット騒動」の取材について語っていこう。

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