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第四十四話:最強の輪VS最強の十字架


ゴゴゴゴゴゴゴ…………………


クリスの周囲を飾るように、黄金色のオーラが彼女の浮いている足元から溢れ出てきて、まるで彼女の足場でもなっているように新たな黄金色の『床』があそこの空中から展開されたー!


「ハはは……」


俺が右手を自分の顔を覆って痛みに耐える姿を嘲笑うように小さく笑いを漏らしたクリスに、若干の苛立ちを感じた俺は、


「ふぅぅ………やっぱりお前の契約精霊もただもんじゃないなー!契約してから何年経ったんだー!?」


仮にも【3体の大聖霊】なる伝説級の精霊を持っている俺をこうも互角に戦えているんだー!


おそらくその原因には【経験の差】があり、俺がイーズべリアと契約してから1か月間も経っていないの

と大きな差があるのを感じたから尋ねると!


「……イいだろう。ドうせ、これでアタクシがキサマを打ち破って学院から追い出してやれるんだから、もう見なくて済むキサマの顔に対して少し教えてやってもいいだろうな。デは、アタクシがこの【ネトロファイッス=セデロ】と契約してから5年間しか経っていないんデスぞー!」


「……なるほど。…道理でイーズベリアの真の力の全ての10分の2も引き出せていない俺がこうもお前ごときの精霊で傷ついたものだ!」


本来、イーズの力の全てを解放できるように聖魔力量をもっと上げていき、既にマスターしたのならば、イーズベリアを【武器化した状態】で召喚した途端、【3体の大聖霊】以外からの精霊が放ってきた【精霊魔術】は一切合切に俺に効かなくなり、傷をつけることすら出来ないって程のこともできたのに、やっぱり経験の差があって、どう足掻いてもイーズベリアと契約してから1カ月間も満たない俺は5年間も契約済みなクリスを無傷で打ち負かすことができないだろう……


だがー!

この顔はもう傷ついたんだからなー!だからー、


「だがな、クリス!傷ついたままでお前を打ち負かせないって訳でもないだろう―?あくまで、今の俺が無傷で勝てないってだけで、傷つきながら勝てるってだけの話なんだぞー?」


「ソんな単純なことが出来るっていうなら、是非見せてもらいたいものデスなー!そーれーーッ!」


ずいー!


今度、クリスは左手で握り持っているリボンっぽい黄金色な波状なオーラを揺らしながらこっちへと当てるような薙ぎ払い動作を見せるとー、


パチャーー!パチャパチャパチャパチャチャチャチャパチャーーーーーーーーー!!!!!


まるで花火が炸裂した音を響かせながら、振られたリボンっぽいオーラからは夥しい程の黄金色の小さな輪たちがこっちへ向けて飛んでくる―!


「これ、……なんか空の上へもっと飛んでいって避けようとしても追ってこれるよう追尾能力がありそうな感じだから、ここは迎撃以外に選択肢がなさそうだねー!」


そうと決まれば話が早いので、【あれ】を発動しようとしたら―


「コっちの腕の方はただ休んでいると思ってたら、大間違いデスぞ、南蛮人少年ーー!!」

「なー!?」


あろうことか、黄金色の輪の群れがこっちへ飛んでくる最中にもクリスがその右手で持っているロングソードの先端にも伸ばされてくる黄金の槍を俺の方へ突き付けてくるようなのでー!


くそー!上へ避けるしかない!あれの切っ先の前に向けられている全ての軌道上のものが貫かれるような不可視な炸裂が巻き起こる技だー!


多分、あの輪たちも【味方】認定されるので、同じ系統から発生されたクリスのあの槍から放出される『見えぬ炸裂オーラ』が輪たちに当たっても素通りして『敵』認定された俺へと直撃してくるだけだろう!


フシュウううぅぅぅぅぅぅ――――――――――――――――――!!!!!

「おおおおーーーーーーーー!!!!」


ビュウウウゥーーーーーーーーーーーーーンンン!!


上へ飛び上がってなんとかその切っ先の向ける先から逃れると、下へと見下ろしていても軌道上にある輪が炸裂したりしないのを見ると、どうやら【敵】と見なしている対象にだけ有効だっていう俺の先の予感が当たったようだー!


シュウウウウウウウウウウゥゥゥーーーーーーーーーーーーーー!!!!

「ちぇーー!」


だが、輪の黄金色な小っちゃいのがまだ沢山こっちへ向けて飛び上がりながら追ってくるので、


「【三の型、聖波爆出】ーー!!」


バコココオオオーーーーーーーーーーーーー!!!!


前にオードリーをイリナの張った柱から救う時に屋敷の屋根を突き破ったのと同じ聖霊魔術にて剣をあっちへ向けて聖魔力の本流をぶっ放すと、すぐに沢山の黄金色の輪たちがたちまち小爆発を立て続けに起こしながら、チェーン連続で一掃する……にはいかないらしくて、大規模な小さな爆発の波に伴う白い煙がこっちへ到達している途端、その中で隠れるようにして2発の輪だけ抜けて俺の両腕へ着弾した途端ーー!!


「うぅうぅ~~!?ぐ~!?ぎききーー!!くそー!」


どういうことか、着弾した箇所である2の腕にいきなり痒くなり、思わず聖剣イーズベリアを一時的に武器化状態から霧散させるように仕舞うほどに、両手を使って痒くなってるとこを掻きまくりたい衝動にかられた―!


「くそー!これじゃ駄目だろう―!」


なんとか武器化したイーズだけは解除せず、逆側の左手だけを使いながら両方の痒くなっている箇所を掻きまくることにした!


「うぐっぐぎきーー!?きぎきききー!くそッ!」


輪たちが当たったらこういう効果を齎したようだが、それにしても痒すぎだろうー!


まるでそこ箇所にある皮膚をも掻き毟りたくて、掻き切りたいほどに俺の脳へと強烈過ぎる感覚が送り込まれるうちに―!


バチャアアーーーーーーツ!!

「がああーッ!」


ちぇー!


俺の意識が痒くなってるとこの両腕へと集中させられている隙を突いたクリスは、片方の手で持っているあの黄金色の槍が突出されたロングソードの切っ先をこちらのお腹へと向けたので、それによって炸裂した感覚がお腹辺りで走り、まるで腹パンチが深々と突き刺さった激痛を味わうことになった!


「ぐうゥゥ……」

痛みに耐えきれず、まっすぐに地面へと落ちてゆく俺に、


「ヤあああーーーー!!」


いきなりクリスの身体の周りを包囲しているように展開されている三つの大きな輪の内の一つが膨らんできて、俺の方へと一か所だけ出っ張っているような鋭利な黄金色な固体が出来上がるとー


にゅううう~~~!


「なんだとおーー!?」


俺が驚いているのも無理はない……


だって、その出張ってるところから、まるでクローンされたクリスの脚がそこから生え出てきて、こっちへ向かって蹴り飛ばそうとしたのだからーー!!


「セやああーーーーーーーー!!!」

ビュウウウ―ゥゥゥゥ―――――――――――――――――――ンンンン!!!!


伸ばされてきた、履いてるブーツも完璧に再現された【クローンされたクリスの脚】がこっちに向かって伸びてきて、すぐに眼前にまで到達となるとー


「【 三の型、聖波爆ー】」


反射的に聖波爆出にて迎撃しようとする俺だったけど、


ニュウー―――――ト!!

「なにィーーー!?」


あろうことか、いきなりその先端の足というかブーツがいきなり大きく広がっている輪状のオーラに切り替わり、そしてーー!!


パチ――!


未だに後ろの【輪状にされてない方の伸びてくる一直線の脚】が驚愕で油断した俺の身体へとみっちり付着すると、


ブヨオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!


既に俺の身体の上下を取り囲んでいるさっきのデカい輪状のオーラが完全に膨らんで、俺をその中へときつく囲んでいるようにすると、


パチイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!


突如として、囲んできた巨大な輪の上下から発生した五芒星の黄金色の光が俺の身体に付着したさっきの脚を中心に接続されるとーーー!


ガチャー!ガチャー!ガチャー!ガチャー!ガチャーーー!!


「ぐわああーー!」


動けなくなった俺がその五芒星の光の接続の完成で全身が関電する痛みを感じたので呻いてしまった!


次々と五芒星の光のオーラが俺と巨大な輪へともっと何十に亘って重ね重ねで繋がっているように形がもっと完成されるとー!


「コれでお終いデスなー!南黒蛮人少年ーーー!!!大人しくコれを喰らって学院からいなくなれーーー!!!」


キイイイィィィィィィーーーーーーーーーーーーーー!!!!


俺と俺を結ぶ五芒星の光の線が耳鳴りな音を鳴り響かせながら強烈な光が発生させられるのを感じると、やっぱりさっき、……石化した状態のクリスを保つまま最後まで待てば勝ってやるぞっていう選択肢を取らずに、自分の聖魔力量が少し上回った程度で浮かれてクリスを見下していた俺だったのを後悔しながら悔しが――と、言おうと思う―――!?


残念だなクリスーーー!!俺がこの程度で負ける訳ないって――!!


「【聖封第12、波殺斬気流十字切(ホリーシールナンバー12,ウェーブキーリング・ブレイドタービュランス・オブ・ザー・クーロス)】ーー!!!」


バチイイイーーーーー!!!バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチイイイイイイィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!


聖封シリーズ第12を発動して、俺が自分のイーズベリアを両手で持ちながら黄金色の光の線が胸の辺りで【足のない脚の先端】が付着したところへと聖剣を下からその脚を貫くように突き刺していくと、


ビイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンンンンンン!!!!!!


俺の身体全体を中心に、ルネヨー・フラックシスにいた時あの最強クラスな剛力級と戦った時よりも遥かに巨大な十字架の真っ白いオーラを俺が発生させたのと同時に―――――!!


バチャアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!


空に浮かんでいる俺の上下を取り囲んでいる巨大な黄金色の巨大な輪も、胸に付着した【足のないクローンされたクリスの脚】も、その二つを繋げる五芒星の光の線たちも全て消え去り、消滅させられていたーーーーー!!!



………………………………………………………



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