第三十話:白霊固体
その目!絶対に何か良からぬことを期待しているその目!
何としてでも阻止してみせますわー!
ですが、『精霊魔術』を異空間収納の魔法陣へそんなに長い時間で保ちながら保管できるだなんて………
確かに、前のイリーズカ先生が教えてくれた精霊術学の授業では:
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「はい~はい~~、『異空間収納魔術』の中へ発動したままの『精霊魔術』、…たとえば風の竜巻とかを入れて、長い時間で保管していられるかどうかその結果を解説していける者がいないのーー?」
「先生ーー!あたしちゃんに任せてもいいノー?」
「はい~!どうぞどうぞ~解説してもいいわよ、イザベラ~」
「やったー!じゃ、『異空間収納魔術』というのは、各人が保有する特有の『聖魔力の波長』をベースに、これもまた特殊な個人識別波長が特定できる『純正聖魔力気』に変換してやっと発動し出現させる魔法陣のことなんだよネー!そして、その魔法陣はそれぞれの個人がアクセスできる固有なロックがかかっている『鞄』みたいなものでもあり、中へはものを永久的に保管することができるけど、食べ物や【精霊魔術】だけはそうそう長い間で保管できるものではないんだヨー」
イザベラサンの解説は正にその通りですわね。
食べ物を保管していい時間は7時間のみ。そして、『精霊魔術』に至っても、発動しながら中へ保管して、一連の『発動期間』が終わらぬうちにずっと保管し続けられる時間は20秒しか持たないと聞きましたわよね。
いくら熟練度の高い精霊術使いであっても、その時間を超えると、術者の聖魔力量がどれほど高くても自動的に魔法陣の中の異空間で霧散し、発動が解けるはずですわねー!
「だけドー、時空や異空間の操作が得意な『上級精霊』なら、発動したままの『魔技全般(四元素魔術と精霊魔術といったすべてを含めて)』を中へ入れて、長い時間で一連の『発動期間』を保って、やっと炸裂したり爆発したり最後の動作に入るまでの時間を長く保管できるはずダーー!まあ、どこまでの時間で保管できるか、その契約精霊の力や熟練度と主の聖魔力量によるけどネー」
ええ?それ、本当なんですのーー!?イザベラサンーー!!
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回想から意識が戻ってきたわたくしがレイーザリンの方へ意識を集中すると、
「火球から伸ばされているその『触手達』、実は巻き付かれる前にそれらはただの普通の火だったから、ソナタの魔壁をすり抜けることができて、腕に巻き付けたってだけっぽよー?そしたら、本体が本物の『精霊魔術の球体』だけど触手だけ普通の火のそれらは、やっとソナタの腕に巻き付いた途端、初めて『精霊魔術』としての本体になって、たちまちソナタの魔壁も解除させられる効果を持っているっぽ!」
なー!?なんてことですの―――!?
聖魔力で形成されない『普通の火』をも触手として発生させ操作している火球だなんて~~!!
「それー!なんかチート過ぎませんのーー!?」
率直な感想を述べると、
「なので、今は惨めにもあっしの【捕獲火球痙攣魔体】に捕まっちゃったんだけど、もう逃がさないから覚悟しろっぽよー?」
「なにをー!?」
「ハフ―!『捕獲敵身ー!激烈回転突落開始ー!』」
ビュウウウゥーーー!
「ええー!?」
わたくしの両腕に巻き付いてきた計8発の『火の触手』達ががっしって締めあげて、きつく拘束を強化した途端、いきなり磁気にでも操られているかのように、垂直で回転しはじめるそれはわたくしの体重も無視しての操作で、天高くわたくしの身体を頭が下にした逆さまの状態で止まったままだから、スカートが大変なことになってるんですけれどもーー!
「そ~~れー!」
ビュウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
「きゃああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!???」
あろうことか、垂直で逆さまになってるわたくしを今度、とっても激しい回転で以って垂直で観覧車より何十倍も早くぐるぐるし出しているこれはわたくしの頭の血を沸騰させられるほどに速度が爆撃急にまで膨れ上がっているとーーーー!!
「仕舞いっぽよーー!!受けてみて下さい――!『床舐め令嬢ちゃん』 っぽーーー!!!」
ビュウウウウウウウウウウウウウウーーーーーーーーーーーーー!!!!!
今度は激しい回転を保つまま天高く伸ばされていった触手がまっすぐ、わたくしの両腕に巻き付いてきた体勢を利用して、惨めにもわたくし――――を!!
ゴオオオオオオーーーーーーーードツーー!!!!!!
暴力満載にも、激しく地面へと突き落とされてきたわたくしーー!!!
あの回転があまりにも激しくてスピードが尋常じゃなかったから、落下されてきた時もすごい衝撃波を生み、クレータができるほどにーーーー!!!
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「文字通り、またも『床舐め令嬢ちゃん』になったっぽね~?ハフフフフフハハー!」
クレータが出来上がり、すっかりと地べた深くに頭を埋没させられ埋めている形になってしまったヒルドレを見ながら、薄笑いがこみ上げて滑稽に見えてしまうとー
「テンカウントを始めるぞー!10-!9-!8-!7-!」
もっと遠くの空で戦いを観察していた審判役の学院長がカウントダウンを開始すると、
「これであっしの勝利なんだから、さっさく立ち去ろうっとー」
「6-!5-!4-!」
ター!ター!
「あら、どこへ向かって歩き出そうとしますのー?本番はこれからだというのにね~?」
「----!?」
ゴーーーーーーーーーードオオオオーーー!!!
ガチャーーーー!!!
「ソーソナターーーー!!一体どうやってー!?」
そう。レイーザリンが驚くのも無理はないですわね。
なにせ、まるで差ほどのダメージも与えられていない無傷の状態のわたくしがいきなり上から槌鉾の振り下ろしの最中で突然に空中で現れて、咄嗟の反応で彼女の杖でかろうじて受け止められているからですわーー!!おーほ!
「お~ほほほほほほほほーーー!!!簡単なことですわー!『白霊気流』はわたくしの『アールドヴィオーレ』だけが有する、禍々しき反人力の存在を真っ白い霊力の載せられている気流で浄化できる特殊な聖魔力というだけじゃなくて、わたくしの本物の身体を太陽光が照らすところにいれば霧のように見えない霊子に変えていき、空中と同化するように魂の状態だけで漂わせてもらい、そして未だに『本物の身体』のように見せているだけの【それ】はただの『白霊気流』がわたくしを霊体化した代わりに、瞬時に『偽りの擬体』で作り上げた『白霊固体』となった【偽物の身体】ってだけですわーーー!!」
おかげで、さっき回転させられているあれはただわたくしの声も真似ることができる【偽物の身体】だけだったのであり、クレーターが出来あがるほどに地面へと落下させられているあれも本物の今のわたくしじゃありませんわよーー!!
「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ~~~!自らの身体をも霊体できるとはーーー!!!それがソナタの契約精霊の最大の切り札だとでもいうっぽかーーー!!?」
「そうですわー!こうして霊体化した状態から『アールドヴィオーレ』がわたくしをまたも本物の身体に戻すべくご尽力して下さったお陰で、この通りに貴女をやっと追い詰められる番に回れたんですわのよ――!」
ちなみに、オケウエーサンと戦った時にこの精霊魔術を使わなかったのは、これを習得できたのはつい昨日の【地下ホール】での訓練をした時に成功したばかりのことだからですわ。
もっとも、この『白霊固体』を作り上げると同時に自分の身体も霊体化する【欺身霊生体変換】っていう超~究極な精霊魔術の発動条件が【術者の張った障壁が敵によって破られた後でなければならない】っていう特殊すぎる条件だから、わたくしがこの魔技を発動できたのも、レイーザリンが親切にもわたくしのさっきの2重障壁を霧散させられたあの『普通の火』の触手たちを送り込んできたからのお陰でしたわー!
後ろで【白霊固体】っていう偽りの身体がやっと霧散したのを『アールドヴィオーレ』との意識をシンクロした状態で感じ取ったんですけれども、これで勝ちますのー?
まだ分かりませんけれども、こんなふうに押し切ろうとすれば、いずれはわたくしの槌鉾が彼女の両手で握り持っている杖を手放させるような弾き飛ばす攻撃をー
「調子にーーーー!!!乗るでないっぽおおーーーーーーーーー!!!」
どういう訳か、いきなりわたくしの下にそんな叫びをあげるレイーザリンなのですがーー!
ガチャアアアアアーーーーーーーーーーーーーーンググウウウウウー!!!!!
「きゃああーーー!?」
どうやら、レイーザリンがいきなり強引なバックフリップで以って、バックへとフリップするために高く両脚を上げたそれらが鍔迫り合い状態のわたくしの腹に直撃して吹き飛ばすことが出来、今はこうして後ろへと吹き飛ばされるわたくしなので、こっちも宙で何回転して着地するとーー!
「これでも受けてみなさいっぽよーーー!!【莫大強緑吹飛砲撃】ーー!!!」
バアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
とても巨大で、とても凄まじい緑色の強力な波動が鋭い速度でレイーザリンの杖の先端にある球状から放たれ、今はすっかりと0.2メートルにまで接近を許してしまったわたくしにーーー!?
バコココココココココココココココココココココーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!
炸裂した緑色の莫大な爆撃により、この辺り一帯の何十メートルの木々、岩々と鬱蒼と茂る植物たちをも一瞬でクレーターと化した大規模な爆発が巻き起こったのでしたーーーー!!!
まだそんなに聖魔力量が残ってるなんてー!!?
無尽蔵にも程がありますわよーー!!!まったく!!
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