四十一話:ニールマリエー救出作戦、開始
オケウエーが王都国立公園の外れにある廃墟の第2区画の屋敷 へ着く前のこと:
キイイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンンンンンン!!!
パチーーーーーーーーーーーーー!!!
『『『キキキキキキイイイイーーーーーーーーーーー!!!!』』』
オードリーの向かう第2区画の屋敷へと飛んでいく俺とイーズの行く先を阻むように、3体の剛力級が樹界脈の可視化後、出現した!
「イーズ!空の前方に【レッド・ワイバーン】が3体だー!弐の型、いけるかー?」
『イエース、マイ―マスター。剛力級……が3体までも飛んでくるので……一気に片付けよう』
「よし!」
ビュウーーーーーーーーーーーンンン!!!
イーズベリアの気合も十分上がっているし、相手3体の【レッド・ワイバーン】に向けて聖剣を構え、
「弐の型、【百回連続聖斬早歩激駆(ハンドレッド=タイムズ・コンティニューオッス=ホリースレーシュ・オブ・クイックアンドスイーフト・ステップス)】ーー!」
ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!ズ――ン!
バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサーーーーーーー!!!!
『『『キキイイィィ~~!?クケエ~~ッ!?………』』』
聖霊魔剣術、弐の型、【百回連続聖斬早歩激駆】を発動すると、俺の身体中が美しい舞踊家さながらのダンスみたいなステップを目にも留まらぬ速さで激しく相手へと距離を詰め、そして百回までの正確無比な鋭くて効率重視な聖なる斬撃を踊るような動きで3体へと切り刻み、全ての動作が15秒間だけで完了する時にはすでに、
フーーーシュ………フーーーシュ………フーーーシュ………
3体の【レッド・ワイバーン】は1体ずつ、33回までも聖剣で切り刻まれ33切れの肉片と化して、計100切れの肉片が空から下方の地面へと絶賛落下中のようだ(100回の斬撃はそのどれの一体にも計算に入った)。
「聖魔力を温存したかったけど、あれほどの数を早く殲滅するのにはこれを使うしかなかったのでさっそく目標地点へと駆け出していくぞー!オードリーなら大丈夫だと思ってたけど、お姉さんが人質に取られてる以上、不利な立場でいるのは間違いないので早く加勢しにいけるよう飛ぶスピード2倍にするぞ!」
『御意』
意識を集中させ【空中浮遊魔術】の発動中にもっと聖魔力を集束してあそこの方向へと飛び出す前ー
キイイイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンンンンンンン!!!!!!!
今度は俺の頭上から遥か上の空へと耳鳴りの音が発生して、太陽光から目を守るために【聖眼(ホリーアイ―)】を発動したまま天上の雲に現れたとっても巨大な樹界脈を確認すると、
パチーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
熾烈な閃光と共に、海のように感じるほどの激しくて莫大な反人力を感じると共にーー!
『グルグル……グルオオオオオオオオ――――――――!!!! 』
遥か真上の空に、今まで見たことのない大きさを誇る超巨大な食人植物の形をしている …あの反人力の波動から察すると紛れもない『剛力級』のあれは、本体から繋がっている六つの長大なサイズを持つ粘着性高めの触手を蠢かせながら、
『グルオオオオオオオオ――――――――!!!! 』
こっちへとすべての六本の触手を伸ばしてくるーーーー!!!
「これはあの時クレアリスを穴の底へと引くずりこんだ触手だーー!!どうやらあの緑色の食人植物っぽい外見してるあれは本体だ!ならーー!【聖封第9、敵撃全発絶対迎撃(アブソリリュート・ガード・フロム・エネミーアタック)】ーーー!! 」
ビューン!ビューン!ビューン!ビューン!ビューン!ビューン!
向かってくる敵からの攻撃は六つまでの触手によるものなので、この防御系の聖封シリーズの聖霊魔術を発動すれば、自動的に六陣までの真っ白い魔法陣が俺の剣の切っ先が示す方向へ出現し、そして向かってきたすべての触手六本をその六陣の魔法陣が肉薄して阻んでいき、そしてーー!
バコオーーーーー!!!バコオーーーー!!!バコオーーーー!!!ボコオーーーー!!!バコオーーーー!!!バコオーーーー!!!
たった六つの小規模の聖なる真っ白い爆発にて、その聖なる衝撃波が反人力を持つ触手達を先端から浄化していきー
『グケエエエエエ――――――――!!!! 』
ズリュー!ズリィー!ズリィー!ズリュー!ズリリュー!ズリューー!!
シュウウゥゥーーーーーーー!!!
どうやら、先端から浸食してる強烈な聖魔力が触手をここからあっちへと波動を奔らせていき、範囲内に到達すべての物質を跡形もなく一瞬で消滅させているから、本体に届くのを恐れたか、素早いタイミングですべて6本の触手を本体から自ら剥がしているようだ!
「どうやら、剛力級の中にはあれほどの気転が出来る知能を持っている分類もいるんだな!でも、敵の攻撃手段が減らされたのは好都合!一気に畳みかけるぞー!イーズ!『あれ』を発動するよ!」
『分かった、オケ兄ちゃん。使えば、聖魔力……の消費は尋常じゃないけど、……仕方ない。やるよ』
「よーし!行こうーーーーーーーーー!!!」
ビュウゥゥゥウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンンンン!!!!!!
直上へと真っ直ぐに飛び上がっていく俺は通常より2倍増早く速度を上げた【空中浮遊魔術】を発動してるけど、
『グロオオオオオオオオオオオオ――――――――!!!! 』
バコーーーーーー!!!バコーーーーー!!!バコーーーーーー!!!
最後の抵抗とばかりに、あそこで浮遊している食人植物は大きく口を開けて、3発の超巨大な黄色の球体を放出してきたけど、
「無駄だーーー!!【聖封第8、磔楔絶惨止阻(クルックシーフィクション=ウェーッジ・オブ・クルーエルオブストラックション)ーーーーーー!!!】
聖魔力量の枯渇をまるで気にしないように、またも聖封シリーズの聖霊魔術を発動すると、たちまち巨大で長くて真っ白い磔が12本も飛んでくる球体達の左右に現れたと同時に、両側面から貫いていき、貫通したままの態勢で動きを封じ、そして純粋なる聖魔力により、すべての球体を霧散させていった。
「終わりだ!」
もう時間が惜しいので、【近距離転移術エルノイーナゼフット】 を使って一瞬であのバケモノの大きく開けられた口腔の前に転移して、そしてー
「喰らえ!【聖封第7、莫大規模聖白浄清球状魔封(マッシーヴ=スケール・オブ・ホリーホワイト・クレンジングスフェーリカル・マジック・シール)ーーー!!!】
丁度いいところにバケモンの伸ばしてきた舌へと聖剣の切っ先を触れさせたら――!
ギュウウウウーーーーーーーーーーーーーーンンン!!!!
カチャーーー!!
そう。
聖剣の切っ先から発生しているのはとてつもなく超巨大な真っ白い球体で、複雑な文様も球体の表面上に浮かび上がって点滅していることに加えて、この球体の中に閉じ込められてるようになってる食人植物の形をしている剛力級が球体が固体化したと同時に、石化して数秒後、塵となって崩れ落ちていった。
……………
「これで撃滅完了だ!早くオードリーのとこへー~!?」
ここから降りようかと眼下へと飛び降りていこうとして、いきなりぐら~って眩暈がして、すぐ頭を抑えた。
『敵もオケ兄ちゃんを消耗……させるために剛力級数体を出して……邪魔して来る作戦が成功……聖魔力量は10パーセントまで減少。でも仕方ない。......さっきの剛力級は......【プラント・マン=イーティング・ヘールアームズ・ジャイガント】 だから。......ルネヨ・フラックシスで戦った前の世界獣より弱いけど......それでもオード姉ちゃんの戦った熟成体レッドフーリックスと......アイスフーリックスより遥かに強い......から』
「はぁ…はぁ…前に、あの『グリーン・ジャイガント・スイーパー』 と戦った時に、確かに99パーセントまで消耗したってことなんだな?今回は【大聖魔力】に変換する必要のない比較的に消耗の控えめな聖封シリーズを使ったけど、さすがに連続して何度も使ったのが堪えたか、最後のあれは強力すぎたからか、こうも聖魔力が10パーセントまで枯渇してるとは……」
やっぱり俺を弱体化させ、オードリーを助けにいく際の俺の戦闘力を低下させてくるのが目的だってイーズの言ってた通りだ!
世界樹を制御下においてる黒幕がこっちへと樹界脈を伸ばして暴走させてたんだろうな!
「くーッ!……でもいくら消耗していようが、オードリーの側に一刻も早く辿り着きたいー!何かの役に立つことがあるはず!」
こればかりは絶対だ。オードリーが心配なので、身体に鞭を打って移動しようとすると、
『オケ兄ちゃん、待って。とっておきの……プレゼントがあるよ』
ぱちーーーーーん!
いきなり真体姿に戻ったイーズ。
「ん?今度はなんだ?早く加勢しにー~んぐふっ~っ!?」
そう、言葉を続けようとしたら、出来なかった。
なぜなら、イーズがその可愛いらしくて白すぎる顔を俺の濃い褐色肌してる顔へと近づかせ、そして俺の口を塞ぐように、自分から唇を寄せて、俺のそれへと接吻してきたーー!!
『んむっ、んっ、ちゅっ、ちゅ~』
「ちょー!?」
『れろれお~ちゅっ~!んむふっ……』
イーズにされるがまま、舌を絡まされながら唾液も入ってきて俺を恍惚とさせる大人のキスをしてきたイーズ。
ったく、なんなんだよ、この時に限って!確かに、このあどけない少女の姿をしてる大聖霊からこんな熱烈なキスを交わすのはやぶさかではないが、時と場所を考えてからーむふ~!?
『れろーれお~んふっ…ちゅっ~!』
ダメだ。
いきなりイーズからの情熱的な接吻により、その気がないというのに彼女が恋しくて愛しく思ってしまい、なんかこんな熱いキスを交わし合ってると頭に血が沸騰しそうなほど真っ赤になってる感覚を覚え、気持ちよくなってしまってる俺は誘惑に負けて、もっと楽しむようにイーズの身体へと手を伸ばしかけていったがー
『はい、これで完了っと……』
「ー!?」
え?いきなり俺から素早く離れていったけど、どうしてー!先に積極的になったのそっちじゃないかー!?
んー?そういえば、なんか身体中がいきなり力が漲ってくる感覚を覚えたんだけど、もしかしてさっきのー?
『もう回復してるでしょ?……聖魔力』
「……はっ!確かにそうだな!さっきのキスで、お前から聖魔力を供給してきたのか?いつものと逆の立場で…」
『正解……契約人間と契約聖霊……聖魔力の相互的循環……3体の大聖霊とのキスなら、可能なことだから。お互いに供給し合えるけど、……24時間に一回しか使えない。だから、特別に、イーズ特有の権能、【愛の渇望】を発動させ、オケ兄ちゃんの今まで保持してる聖魔力量の2倍まで……膨れ上げさせることに……成功できたー!』
「なー!なるほど!だからさっきのでイーズのことをあんな愛しく思って、抱きしめたい衝動に駆られてたんだったな、俺―!別にイーズに対して恋愛感情がないのにも関わらず!」
『うん』
肯定してくれたイーズのようだけど、なんか最後の言葉を言い終えた瞬間に、少しむすっとなって2秒間だけむくれてるように頬を膨らませてる様子だったけど、なにかの見間違いだったのかなぁー?
聖霊には人間の感情が少しならあるって聞いたんだけど、出会った時のイーズから今まで、そういうタイプじゃないって振る舞ってたからまさかこの瞬間だけ怒る、なんていうことはないはず。
は!急がなきゃ―!
「行こうー!」
『御意』
普段通りに武器化した姿の聖剣に戻ったイーズの刀身を握り持って、
ビューーーーーーーーンンンンン!!!!
太い雲の群を突き抜け、斜め下のあそこを俯瞰的で見通せる規模の大きくて様々植物や木々がある公園の先にある、廃墟の建物の多くある区画の奥に、それが見えたー!
他の家屋よりひときわ大きな屋敷がそこで聳え立っていて、屋根と外観全体には本で読んできた、ゴシック建築でできていて、その中からはーー!?
「なんだありゃー!イーズ!感じてるか、あそこからの禍々しくて、海の底を覗いてるような戦慄とさせられる絶望感満載なオーラはーー!?」
『はい、イーズも……感じる。気をつけて、オケ兄ちゃん。あれは、……【混沌の波力】。魔神特有の力の源』
【混沌の波力】だとーー!?魔神という種族の神の『力の源』っていうあれーー!!?……やっぱり大ピンチなんだな、オードリー!!
「イーズ、今の俺はお前のおかげで、2倍までも聖魔力の保持量があるからー!広範囲的な結界を展開できる【聖封第2、広範囲悪滅大聖域(ラージュ=スケール・イビルデストロイング・ホリーエリア)】を発動するぞー!」
『イエース、マイ―マスター。準備ばっちりだよ 』
よし!
それから、この奥の手の一つである結界を展開し、範囲内にあるすべての敵対する禍々しい悪意の込められてる魔術とオーラを弱体化させる。
そして、今まさに死にそうな気配をここまでにも察知させられるオードリーを一刻も早く助け出すべく、この聖剣からの『三の型、聖波爆出』で剣のきっさきから聖魔力の放出で屋根を突き破って、眼下に禍々しき【混沌の波力】で構成されてる柱に囚われたオードリーを見て、素早く【聖封第1、浄化聖大清波流爆(クレンシング・オブ・グレート=ホリー・クリンニングウェーブ・オブ・エックスプローション=ウェーヴフロー)】を発動し、柱を純然たる大聖霊の究極の敵対魔術浄化の効果を持つこれで消し去ると、
タ―――!
「よーう、オードリー。もう大丈夫?お前らしくなくてまたもピンチに陥ったな。でももう安心していいよ。この前のバケモンと同様に、今この目の前のあいつも……絶対に許さないから!」
何となく、大ピンチに陥っているオードリーを鼓舞したくて、以前のように決闘した時で見せた不撓不屈さを誇っていた彼女の本来の性格を思い出させてほしくて、ついそんな言葉を言ってしまった。
自分のお姉さんが人質に取られて成す術もなく相手の指示をすべて従わざるを得ない状況化にいたことを一瞬だけで脳内から抜け落ちた俺だったが、もう回復して、
「大丈夫。お前のお姉さんのことも任せて。なんとか助け出してみせるからー!」
振り向かずに、前方の階段のところで上階の中心的な分厚いドアの前で陣取っている犯人の銀髪ショートの少女の側にいる、車椅子で座らされ、頭上の少し上で刃が突き出て今でも振り下ろされようとしてる下のセミロング金髪ポニーテールで横髪の両側は首のところまで伸びているほど長い女性のこと、きっとオードリーのニールマリエーお姉さんらしき人物を目で確認しながら、後ろのオードリーを安心させるようにそう言ってやった。
大丈夫だ、いざという時に、『あれ』も事前に用意しておいたからな!
最後の『切り札』として。
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