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チラシの裏  作者: あきの
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自分、不器用ですから……の許容量の話

 いいことも悪いこともなにも言わないのは、相手に察することを求めている、にすごく近い。男の美学的なやつ。背中で語るとか、無口なのがかっこいいとか。


 なんらかの付き合いがある人だと、ある日突然ブチ切れたり、折れたりされても扱いに困る。「自分、不器用ですから……」がかっこよく見えるのは、含羞があるからだよね。至らない己を恥ずかしく思っていること、相手に感謝していること、一生懸命生きていることが行動に現れるから、それをかわいいと思える女性に受け入れられる。

 受け入れられない女性もいる。相性。

 わたしは自分のことで手一杯だからムリ。自分の機嫌取るだけで精一杯。


 ありのままの自分をかわいい/かっこいい人が好いてくれるなんてのは、夢妄想のマンガやラノベだから存在する。男女に関わらず。現実はそんなに甘くないから、妄想がエンタメという売り物になるんだ。

 いまの流行りは涼しい顔ですごいことやってのける系かな。これも自意識強いよね。主人公に乗り込むタイプの読者を想定すると。


 創作物語のように混ざりもののない純粋な人間はいない。物語のキャラクターのようにわかりやすい属性の人間もいない。常識もルールも、必ずしも正しくはないし、話せばわかるなんて幻想だ。

 数式のように、同じ条件が揃えば同じ答えになる物事は、現実世界にはあまり多くない。失敗を避けることは事実上不可能だ。自分の部屋に引きこもって布団をかぶって生活したとしても、「ヒキニートのダメな自分」と傷つくことはできる。病気だから外に出ていけないとかの『言い訳をする必要』があるくらい、そんな自分をダメだと、他ならぬ自分が、言っているだろう。


 失敗や傷心を避けるより、立ち直りかたを学びたいものだよね。でも教えられる人もあんまりいなさそう。自分はこうやって立ち直ったけどあなたに通用するかはわからない。そういうもののはずだから。

 心療内科の投薬は体の不調を治すためだし、精神科の投薬は時間稼ぎをするためだし、カウンセリングは当人に治る気があるなら手助けをするもの。当人次第だから、勇気づけをするくらいしか他人にできることはない。しかも、手助けを受け入れるかどうかも当人次第だからね。



 ……。

 コミュニケーション不全のせいでピント外れの『女性優遇』になり、する方もされる方も納得行かない。現在、日本のジェンダー問題はそこでつまずいている気がする。

 男女とも、です。主張が苦手な女性側も、耳を傾けるのが苦手な男性側も、どちらも。


 しかしこの障害物を越えるためには、教育が必要なわけで。

 子どものころから、自分の意見を正しい方法で主張する技術、他人の意見を正しく聞き取る技術を、学ばないといけない。能力差もある、環境、性格、性質、習慣。

 なかなか難しい。


 最近の心理学は『傾聴』を推してるみたいだけど。

 自分の気持ちはとりあえず腹に収めて相手の話を否定しないで聞く。これってなかなかうまくできるもんじゃない。

 自分がしゃべって相手が聴く。相手がしゃべって自分が聴く。ストップウォッチで時間測って第三者の意見を聞きつつ学ばないと、『平等』『公平』にはいかないだろうし。

 勉強と聞けばそれだけでアレルギー起こす人もいるし、容易ではないんだけど。



 同じ日本語しゃべっていて、ちゃんと日本語通じているにもかかわらず、伝えたい内容は一向に伝わらない。ほかの人には伝わっているのにこの人には伝わらない! なぜだ!


 って経験は、誰でもあると思うのにね……。話し方、聴き方の勉強はじめる人、少ないよね……。

 自分はちゃんと聴けている、自分は伝わるように話せている、と、誰もが思っているだろうし、難しいね……。


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