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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

医学生か殺人鬼

作者: 蝉沙汰茅戸
掲載日:2020/05/21

奈須きのこの文章を再現できないかと思い、書いてみました。

処女作で読みづらい文章が多々あるとは思いますが、御了承下さい。

なんちゃってサスペンス…だと思います。

初期乙一や奈須きのこの影響が強く出ています。

 死んだ人間をバラバラにした事があるのは、医学生か殺人鬼くらいのものだろう。                     

 僕の場合、後者だ。

 今日もまた、遺体をバラバラにした。

 これで今年で3人目。

 間隔ペースがどんどん早くなってきている。

 本日から日記をつけることにした。日頃から現実感がないのでその対策だ。文法とかおかしいかもしれないし、捕まった場合の証拠品となってしまうがそんなこと構うものか。僕はもうどこか壊れている。それを省みるための日記だ。


 殺しのきっかけは些細な事だ。深夜まで飲酒してから終電を逃して歩いているところに、酔っ払いに絡まれてカッとなって絞殺。その時の殺しのいけないことをしているという高揚感と後述する心地よさのために、こうやって殺人鬼を続けている。これらの感覚は自分にとって他のどんな嗜好品でも得られないものだ。自覚しているが性格が破綻している。職は殺人の邪魔になるので辞めてしまった。そこまで引き止められもしなかったので、そこまでの人間なのだろう。

 殺しの話をしよう。手口はもうシステムじみてしまっている。まずは夜に獲物と2人きりになって、その後に人気のない場所に移動、口を塞いで絞殺、場所を移動して隠していた道具で解体する。簡単ではあるが結構体力仕事だ、僕は気に入っている。

解体する必要はないが、やってみると案外心地よかったのだ。この心地良さのために人を殺しているまであるくらいに。

 この一蓮の動作でネックとなるのが絞殺だ。力のある成人男性では抵抗が激しすぎて返り討ちになりかけた事がある。2人目の時が本当に不味くて、僕の方が殺されるかと思った。それ以降の獲物は自分より小柄な人に限定することにした。

 死体は解体場所である幽霊廃ビルに一応隠している。なんでも本当に出るらしい、肝試しした連中が視線を感じたり不幸な目にあった等々の噂が絶えない。YouTuberだかなんだかの格好の餌食になりそうだが、今は冬だから肝試しをして見つかるということもないだろう。ないと信じたい。冬の寒い時期に肝試しなんかする人種はこの世にいないと思い込もう。このビルはいつ取り壊すのだろうか。ビルを爆破するついでに死体も跡形もなく消しとばしてくれないだろうか、というバカみたいな考えしか浮かばない。死体が出たら警察は間違いなく僕にまで辿り着くだろう。

 死体は死んだ順に1階、2階、3階という順に隠している。このビルは5階までしかないから殺せるのはあと2人だろうか。同じ階に2人分のバラバラ死体を隠せるほどのキャパシティはこのビルにはない。これ以上殺人を続けるのなら新しい隠し場所を見つけなければ。

 明日は殺人をしようと思う。目をつけている女がいる。生活パターンは1ヶ月かけて把握済みだ。その女は明日遅い時間に廃ビルの近くを通りがかる。死体の処理が楽になるというものだ。

 明日が本当に楽しみだ。今日は早く寝よう。


 死んだ人間をバラバラにした事があるのは、医学生か殺人鬼くらいのものだろう。

 私の場合、前者だ。

 今日もまた、遺体をバラバラにした。

 これで今年で3人目。

 授業ペースがどんどん早くなってきている。

 本日から日記をつけることにした。日頃から充実感がないのでその対策だ。文法とかおかしいかもしれないし、何年か経た後の黒歴史となってしまうがそんなこと構うものか。私はもう大分と疲れている。それを省みるための日記だ。


 拗れたきっかけは些細な事だ。深夜までのアルバイトの仕事してから翌日の遅れてはいけない授業を許可なく休んでしまった所、教授に解剖学の授業のサポートをするよう命じられた。授業は班に別れて献体(大学に授業目的で提供された死体のこと)を完全に解剖していかなくてはいけない。ノルマに追いつかない班の手伝いが私のペナルティ内容だ。そもそも不真面目な班員が多い班からノルマに間に合わないのだ。そういう奴らは私がサポートにつくと、入れ替わりにトイレと言って喫煙所まで行きタバコを吸っている。ペナルティは癪だが将来のためと後述する心地よさのために、こうやって医学生を続けている。この感覚は自分にとって他のどんな嗜好品でも得られないものだ。自覚しているが性格が破綻している。アルバイトはペナルティの邪魔になるので辞めてしまった。そこまで引き止められもしなかったので、そこまでの人間なのだろう。

 解剖の話をしよう。手口はもうシステムじみてしまっている。まずは観察したい部位の皮膚をメスで剥いでから、その後に脂肪を取り除いて各筋肉の起始・停止部位の観察(要はどこから筋肉が始まってどこに筋肉が終わっているかだ)、臓器があるならその臓器の観察、骨が邪魔ならあらかじめ用意していた道具で解体する。簡単ではあるが結構体力仕事だ、私は気に入っている。私自身が解体する必要はないが、やってみると案外心地よかったのだ。この心地良さのために真面目にペナルティを受けてるまであるくらいに。

 この一蓮の動作でネックとなるのが背骨の解体だ。力のある男性でないと解体が難しくて時間内に終わらなくなりかけた事がある。2人目の時が本当に不味くて、筋肉痛になるかと思った、というかなった。それ以降は男性にやってもらっている。

 献体は解体場所である解剖学室に保管している。なんでも本当に幽霊が出るらしい、視線を感じたり不幸な目にあった等々の噂が絶えない。私自身もそういうのは気にしない方なのだが、結構視線を感じたりする。そういう存在はいないと信じたい。いないと思い込もう。この学舎は近々取り壊す事が決まっている。この古い建物を爆破するついでにも教授達も跡形なく消しとばしてくれないだろうか、というバカみたいな考えしか浮かばない。死体が出たら皆ぜったい喜ぶのに。医学部の試験量は異常だ。

 献体は10体、まだまだペナルティは続くだろう。この防腐剤のホルマリン臭だけは全く慣れない。体や髪に染み付いてしまうのだ。おかげでこの授業の後はどこにも遊びに行けやしない。そこは大いに不満点だ。

 明日は友人と遊ぼうと思う。目をつけている人がいる。交友パターンは1ヶ月かけて把握済みだ。授業でも積極的に話しかけて仲良くなった。相談といってあの人を誘い出そう。話題は家まで帰る時に目線を感じるということでいこう。本当に感じるし。学校の幽霊が家まで付いてきているのだろうか。

 明日が本当に楽しみだ。今日は早く寝よう。


 ■■県■■市で■■日から行方不明になっている●●県●●市の大学2年の女性、●●●●さん(20)について、両親が■■日、文書を公開した。全文は次の通り。


ー以下略ー

ネットニュースより引用


 ××××さんに関する情報をお寄せください。


 ■■県■■市で■■日から行方不明になっている●●県●●市の無職の男性、××××さん(32)について、●●県××警察署は以前情報提供を求めています。心あたりのある方は最寄りの警察署までお知らせ下さい。


ー以下略ー

●●県警察ホームページより引用









 死んだ人間をバラバラにした事があるのは、医学生か殺人鬼くらいのものだろう。

 自分の場合、それは、

 今日は、初めて遺体をバラバラにした。

 これで1人目。

 進行度ペースは自分の思うがまま。

※ 

 本日から日記をつけることにした。なんとも面倒臭いがあの2人にならってつけることにしよう。

 今日の夜は、自分にとって本当に結構なイベントだった。

 授業でも前から気になっていて、無意識に目で追っていたりしていた同級生の女の子と、やっと2人きりでご飯を食べに行けることになった。日記を趣味にしたりするちょっと変わった女の子だ。なんでも相談事があるらしい。

 その子とご飯へ行った帰り道、いきなり頭に衝撃を受けて気が遠くなった。

 気がつくと廃屋にいてその子と2人共々縄で縛られていた。まだ女の子は意識を取り戻してはいなかった。目の前には結構大柄な男がいて、血走った目をこちらに向けていた。その男が言うには女の子にずっと目をつけていて、今日殺そうとしていたのに、間の悪いことに自分がずっと付き纏っていたらしい。その男は辛抱たまらず自分と女の子を殴って2人を殺すことにしたそうだ。

 予定は変わるがまあ建物的にはちょうどいい、と男は笑みを浮かべながら言った。

 その男は2人も拘束すべきではなかったのだ。2人分を拘束するロープを持っていなかったらしく、自分の手は自由ではなかったが、足は縄で拘束されてなかったのだ。そして、自分のポケットには、使っていなかった授業で用いる使い捨てのメスが入っていた。飲み会のネタにカバンから出して、ポケットに入れたままになってたんだろう。授業をサボりまくってタバコ吸いまくってたかいがあった。ありがとう教授、あなたを嫌いなおかげで窮地を脱する事ができたよ。

 拘束する相手の身体検査もしていなかったのだろう、慣れとは恐ろしいものだ。

 その後は逃げまくって隙を見て相手の腹を刺しまくって終わり…となるはずだったが、ここで問題が生じた。女の子が目覚めてしまったのだ。

 当然死体は発見され、とても問い詰められた。自分はしょうがないじゃん正当防衛だよ、と逃げようとしたが、滅多刺しにしてしまっているのでそれも難しかった。

 そんな時にその男が持っていた手帳の日記に気がついた。そこには死体の隠し方、バラバラにする方法、機材の隠し場所が載っていた。

 自分に他の道はなかった。女の子に猿轡をしてその階の隅に放置して自分は解体に勤しんだ。滅茶苦茶重労働だったがなんとかやり遂げた。当面はやり過ごせるだろう。

 男は着替えと血を洗い流すための水とタオルまで用意していた。至れり尽くせりだ。自分には大きすぎたがそこは我慢することにした。

 後回しになっていた女の子の件に取り組むことにした。やはり目撃者がいることは信用できない。ほんの少し迷ったが女の子も殺すことにした。生かしてはおけない。

 自分は殺人を犯してしまったが、まだここまでならギリギリ正当防衛で済むだろう(大学は辞めねばならなくなるだろうが)。確かにそうだが、自分はその時死体をバラバラにする行為そのものに夢中になってしまったのだ。男も一種の心地よさがあると日記に書いてあったが、それには大いに賛同する。アレ気持ちいいわ、本当に。

 ここで女の子に警察に一部始終を暴露されると死体損壊罪で確実に捕まってしまう。心神喪失とかいうお決まりのセリフでは逃げられない。それにやっと手にした勝ち組への切符も失ってしまう。自分はそんなことには耐えられない。

 女の子は泣きながら命乞いをした。自分はその言葉には答えなかった。自分と同性の子を殺すのは少し気が引けるが、そんな事では自分を止められない。時間的猶予、体力もなかったため女の子の件は次回に回すことにした。


 明日は、2人目を殺す。

 苦痛に歪んだ目をしているヒトを殺してバラバラにするのは最高に気持ちがいいだろう。


医学生か殺人鬼/了

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

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