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57.「Golden variation」

「わたしの名前はメルア・フィオーナ・ルークランシェ・セレスティア・イーリス。ルークランシェ王国の第一王女、ゆくゆくはルークランシェ王国の女王になるのが決まっているわ」


 “ルークランシェ王国”


 確か北欧にある国でヨーロッパでは比較的に豊な国だと言う話を聞いた事がある、近代ヨーロッパの歴史を勉強した時に僕はその名前を知った。

 その王国の姫君が一体何の用があって僕の前にいるんだろうか? 王族なんて御伽噺の中だけだと思っていたけれど……。たった今、目の前にある現実を簡単に受け入れられそうにない。

 特に物が多くなかった僕の部屋はいっぺんにどこかの国の王宮みたいな感じに模様替えされる。


「君の事はなんて言う風に呼べば良いかな? ルークランシェさん? ああ、ごめん。外国人の友達なんていないからどう接したらいいのか悩んでいるんだ」


「そうね、メルで良いかしら? 親しい人からはそう言う風に呼ばれているの。あなたがこの呼び方で良いのならわたしは構わないわ」


「それじゃあ、メル。いくつか君に聞きたい事があるのだけど聞いても良いかな?」


「何かしら? わたしが答えられる範囲でなら」


「どうして日本にルークランシェ王国の王女様がいるの? それも僕の部屋に来ていることがいまだに理解が追いついていないのだけど……」


「ああ、それならー」


「私の方から説明します」


 メルの隣にいる金髪の女の子が会話に割って入る、一体彼女は何者なんだろう? 荷物の荷解きを手伝っているだけのようには思えないけれど。


「挨拶が遅れました。私はアイリスと言います、メルア様の護衛を務めている近衛騎士団の隊長で、この度は姫様の護衛を任されています。一緒に学園へ通う事もすでに決まっていて、このお部屋でお世話になります。

 私、以外にも本国から来た護衛の者たちがこの学園の近くに拠点を構えています。姫様に何かあればすぐに駆けつけられるようにです。拠点といっても要塞のようなものでなく広めの住居と言いますか、体を休める場所なのです」


 丁寧に挨拶をするアイリスさん──気品と騎士としての風格を漂わせる彼女の様子に僕は背筋を伸ばした。こういう時は相手に失礼のないような態度を取らなくちゃいけないましてや初対面の相手なら尚更。子どもの頃から礼節は教わっていたし、しっかりと振舞おう。


 メルの護衛だというアイリスさんから彼女たちが日本に来た理由を聞かされた。


「じゃあ、やっぱりあのプロジェクトが関わっているんだね……」


 ここでも話題の中枢を担うのは“ハーレム・プロジェクト"

 って言うことは母さんが関係しているのか……。あの人のことだ、僕の知らないところでプロジェクトに関する活動を進行しているのだろう。


 メルと母さんがどう言った関係なのか知らないけれど欧州からわざわざ日本まできたのだから彼女も僕の恋人候補の一人なんだろうな……。

 生まれて初めて見た金髪美少女状況が違っていれば誰もが羨むような環境なんだろうけど、僕は手放しには喜ぶことができない。

 だって、彼女と結婚するという事はゆくゆくは僕がルークランシェ王国の未来を築いていくのだろうから。


 良い加減な気持ちではいられやしない。これからメルがどう言う風に学園生活を送っていくのかも気になるし。

 心配事がまた増えてしまったな……。そんな今の状況を彼女達に悟られるわけにはいかない。プロジェクトに向き合っていくと決めたのだから覚悟を決めておかないと。


 ふと顔を上げるとメルと目が合った──彼女の透き通った綺麗な目は真っ直ぐと僕を捉えている。こうして見るとメルは本当に美人だという印象。

 お姫様ってこんな綺麗な子ばかりなのかな? 漫画やゲームの世界でしか見たことが無かった御伽噺に登場しそうな女の子が目の前にいる。

 新しい出会いはが僕に何を運んでくれるんだろうか? 

 明日からの学園生活がまた一段と忙しくなりそうだ。ああそういえばルークランシェ王国ではLIMEって使われているんだろうか? 


 コミュニケーションを取るための方法は色々と考えておかないとな。

 っていうかメル達は本当にこの部屋で過ごすんだよな。今まで自分の私物しか無かったけど美少女と同じ部屋で暮らすなんて緊張する……。

 今日は眠れそうにない。その後二人の荷物の整理を手伝い出たゴミを処理する。夜空には綺麗な満月が明るい光を地上へ届けるその金色の輝きを見上げつつ自販機で三人分の飲み物を買って部屋に戻るのだった。

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