18.「周りの変化」
女子ばかりの学園に勇人が入学してから周りは少しずつだけど変化していった。
中にはまだまだ男性に対していいイメージを持っていない生徒も多い。
理事長の神崎さんは無理に学園に残る事を進めてはいない。
嫌なら他の学校に転学するという選択肢もある、選ぶのは彼女たち自身。
由緒ある家柄に生まれ、将来を約束されている女性達は更に自分を高める為に学園に通うことに意味があった。
小阪亜理紗はまだ悩んでいた。
亜理紗はずっと母親に憧れを持っていていつか同じ場所に立ってみたいとずっと思ってた、恋麗女子学園に入学したのも母に近づきたいという亜理紗自身の願いでもあった。
亜理紗の父は婿養子で家での立場は弱かった。
昔から頼りない父の姿を見ていたからか、男性に対していいイメージは抱けなかった。
女子ばかりの学園で華やかな学生生活を送れるはずだった。
小鳥遊勇人はある一件なら学園中の女子の注目の的になっていた。
“ハーレム・プロジェクト”(正式名称自然繁殖推奨プロジェクト)
勇人が学園に通う三年間、学園にいる女子全員に恋人になるチャンスがある事、亜理紗達はその為に学園に通わなければいけない事、勇人に選んで貰えない子は平凡な日常を過ご過ごすしかないという。
理事長の神崎の言葉を今だに信じれないでいたけれど、あの全校集会以降ちょっとずつだけど周りは変化していった。
あまりおしゃれに気を遣っていなかった女の子達は自分をどういう風に見せるのかを考えてた、容姿に自信がある子はより一層美しさに磨きをかける。
クラスの中ではそういった話題が中心になって仲の良いグループはお互いに色々と情報を交換していた。
亜理紗は周りから見るとすごく恵まれたスタイルをしていた。
B94、W59、H92の完璧なプロポーション、他に男子がいたら間違いなく魅了されていたと思う。
亜理紗にスタイル維持の秘訣を聞きに来る子だっていた、そんな状況にうんざりすることも無く聞かれた事にしっかりと答えてあげる亜理紗の真面目さは同じクラスの子からも評判がいい。
学園の雰囲気は今のところギスギスとした感じは見られない、勇人は最近Fクラスの相倉麻奈実や同じクラスの御崎智佳と仲よさそうにしている所がちょくちょく目撃情報としてあがっていた。
積極的にアピール出来る子はいいんだろうけど、それが出来ない子もいる。
亜理沙は自分は恋愛に興味ないと言って離れた場所から今の状況を眺めていた。
残された時間は三年間もあると思っているけれど、自分がどうなりたいかを早めに決めないといけない。
学園に残るべきか、それとも違う学校に転校するのか、それぞれの選択しないといけない時間が迫っていた。




