表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

112/115

109.「Summer day communication」

「あつーい。やっぱり外に出たくないかも……どんどん暑くなるよね本当に異常気象だー」

「そうだよね、出かけるなら日焼け対策もしなくちゃだし寮にいるほうが安全だと思う……」

「はっはっは! やはりみんなも暑さは苦手なんだね。私は日ごろからクーラーが効いた部屋でPCを使っているから室温には敏感なのさ、温度計で三〇度以上にならないようにしているのさ。PCは熱を持つからね、ただでさえ熱い部屋がまさに灼熱地獄のようになるからそれは大変なんだ」


 藤森さんはタンクトップに下はハーフパンツっていういかにも涼しそうな格好で冷蔵庫の中で冷やしてあるグレープジュースをコップに注いだ──氷がカランと音を立てて揺れるとひんやりとした手触りが心地よい。



「本当だよねー。あ、でも私、夏用のお洋服そんなにたくさん持っていないから買いに行かなくちゃいけないかも」

「この暑いのに外に出るのかい? それは止めておいた方が懸命だよ。歩くだけでも滝のように汗が溢れてくるだろうしね。私は涼しいこの寮から一歩も出るつもりはないね」

「うーん、でも、さっき話を聞いてみたら小鳥遊君が私たちのために夏休みの予定を色々と考えてくれてるみたいだよ?」


 寮の女の子たちで女子会──それぞれの夏休みの予定を聞きながらキーンと冷えたジュースをゆっくりと飲み干す。


「そうなの? 彼、本当に色々と考えてくれてるんだね……」

「それじゃあ、君たちから彼を説得してもらえないかい? この猛暑で外で遊ぶのは危険だということをね。何にせよ外に行くのはパスしたい……私はエアコンの効いた部屋から外には出たくないね」

「日本の夏はルークランシェとは比較にならないくらい暑いわね」

「メルアさんの故郷にも夏はあるの?」

「一応ね、ルークランシェでは雪がいつも降っていて寒いことの方が多いのだけれど、日本でいうと所の冬が長く続くという感じかしら? 夏はあっても一か月くらいで済むものなの」

「へえー、日本とは全然違うんだね」

「四季がそれぞれ違うのは日本くらいって聞いたことあるけどずっと冬が続いているとお家にいることが多くなりそうだよね」

「けど、小鳥遊君って自分の事よりも私たちを優先して考えてくれるよね。彼だって実家に帰省しなくちゃいけないかもなのに」

「勇人は何よりもこの寮でみんなで過ごす時間を大切にしていると思うわ。だって彼の笑顔は自然で無理しているようには見えないから」

「こうして女子会を開くようになってお互いに考えていることを知れるのはいいよね! 私はもっと仲良くなれたら嬉しいなあ」

 相倉さんは御崎さんの肩にピトっと頭を乗せると彼女が優しく微笑んで場の空気が和やかになる。

 女子だけの穏やかな時間がゆっくりと流れていく──寮での暮らしが少しずつだけど彼女たちを変えていくのが分かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ