<幕間>ある日のトナカイとリリー その三
今回もトナカイとリリーの絵を落書きしたので、恥をそこらに投げ捨て投稿。
挿絵入りなので閲覧注意です。
「今日もいい天気なのよー」
「こんな日は地面に寝っ転がってゆっくりするのよー」
「リリーです。気配を消して寝転がってるトナカイを観察しています」
「今日もトナカイは無防備だなぁ……」
「初めて出会った時も、無防備だったもんね」
「……そーっと、そーっと」
「……リリーがこっそり近づいて来てるのよ」
「遮蔽物もなにもないところで気づかれないようこっそり近づくのは、さすがに無理なのよ」
「あの様子だと、たぶんトナカイが気づいてないって思ってるのよ」
「リリーはたまに、残念な子になるのよぉ……」
「気づかない振りして、しばらく様子を見るのよ」
「……目標まで距離約トナカイ三つ分、方向よし、角度よし」
「いきますっ、そぉいっ!」
「!?」
「急にリリーが勢いよく飛んできたのよ!」
「これを避けたらリリーが地面にダイレクトアタックしちゃうのよ!」
「おふぅっ!?」
「んーっ、着地ならぬ着トナカイ成功!」
「リリー?」
「なぁに、トナカイ?」
「急に飛び掛かってくるのはどうかと思うのよ」
「トナカイ」
「うむ?」
「例えば、ダンジョンを探索していて、目の前にお宝があったらどうする?」
「もちろん飛びつくのよ!」
「つまりそういうことだよトナカイ」
「それなら仕方がないのよぉ」
「うん、仕方がないんだよ。もふもふ……」
リリーはこの後、トナカイをめちゃくちゃもふもふしたそうな。