表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/100

トナカイとリリーのダンジョン探索 その四

「進むごとに、魔物が強くなっている気がする」

「うむ、力を一割程度に抑えられてるから、さすがのリリーも苦戦してるのよ!」

「ま、まだまだ余裕なんだもん……あれ? そういえばトナカイ全然戦ってないじゃん!」

「むふー、とうとうばれちゃったのよ!」

「もぉぉ! 私ばっかり戦ってトナカイがさぼってるなんてずるい! 次から交代で戦ってよね!」

「わかったのよー」



「ピギャーッ!」

「魔物がきたのよー。これをトナカイが倒せばいいのねー。ほいっ」

「ピギャッ……」

「なんか弱い魔物だったね。 じゃ、次の魔物は私が倒すね」

「任せたのよー」



「グルルァァァッ!」

「はい、リリー頑張るのよー」

「ちょっと強敵だね。せいっ!」

「グルァッ……」

「さすがリリー、危なげない戦いなのよー」

「ふふっ。このくらい、ドラゴンの敵ではないんだよっ」

「頼もしいのよー。そんじゃ次の魔物はトナカイが倒すのよー」

「うん、よろしくね」



「ピヨォォ!」

「また魔物が来たのよー。そんじゃトナカイが倒すのよー。ほいっ」

「ピヨッ……」

「すごく弱い魔物だったね。 それじゃ次は私の番ね」

「うむ、頼んだのよ!」



「ギャォォオオ!!」

「はい、リリー頑張るのよー」

「なんで私のときばっかり強そうな魔物が出るの!?」

「リリー? ドラゴンにとって、このくらいの魔物はー」

「いや、確かにそうだけど! 倒せないとかそういうのじゃなくて……なんだかなぁ」

「リリーとでっかい魔物が、いい勝負をしてるのよー」

「くらえドラゴンクロー!」

「ギャォォ!!」

「……ふぅ、やっと倒せたよ」

「お疲れなのよー」

「ちょっと倒す順番交代! 次も私が倒す!」

「わかったのよー。そんじゃ任せたのよ!」



「ガオォォ!!」

「……なんとなくそんな気がしてた」

「そんじゃ、よろしくなのよ!」

「うん。もうあんまり深く考えないことにする」

「ガルルァッ!」

「ふっ! せいっ!」

「でっかい魔物の猛攻をうまく避けながら反撃してるのよ!」

「隙あり! --ッ!」

「ガフッ……」

「リリーのドラゴンブレスが魔物をとらえたのよ!」

「弱体化が地味に辛いね。ちょっと疲れてきちゃった」

「お疲れなのよー。ここらでちょいと休憩するのよー」

「うん。頑張ったからもふもふして!」

「むふー、リリーは甘えん坊さんなのよー。はい、もふもふー」

「えへへ……はっ! ちょっと待った」

「んー? どしたんリリー」

「連戦で体がちょっと埃っぽくなってる。このままじゃトナもふを堪能できないよ!」

「そうなんねぇ。そんじゃ水の魔法で洗い流すのよー」

「うん、お願い」

「ぐーっと魔力をこめてー、えいっなのよ!」

「!? トナカイ、ちょっと水の量がおかしい!」

「……どうやら魔法を制御する力も弱まってたみたいなのよ!」

「ぴゃぁぁ!? 流されるぅぅ……」

「これが本当の、洗い流すってやつなのよぉぉ……」


 ダンジョンの罠というより、自ら窮地に陥ったトナカイたち。

 大量の水とともに、ダンジョンの奥へと進む(流される)二人であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ