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トナカイの実験

「リリー、ちょっと手伝ってほしいのよー」

「どうしたのトナカイ」

「トナカイの実験に付き合ってほしいのよーっ」

「いいよ。どんな実験するの?」

「これなのよ!」

「……これ、何?」

「これはねー、石ころなのよー」

「やっぱり、そうだよね。この石で何をするの?」

「この石で錬成ってのを試すのよ!」

「錬成っていうと、錬金術のあれ?」

「うむ、この石ころを金属に錬成するのよ!」

「そんな事ができるの!?」

「この前ねー、こんな本を買ったのよ!」

『初心者でもできる錬金術』

「……途端に胡散臭くなった」

「フリーマーケットの片隅で売ってたのよ!」

「ちなみにお値段は?」

「もちろん、持ってたお金全部なのよ!」

「……トナカイ次からお小遣い半分カットね」

「なんとっ!」



「と、いうわけでトナカイの研究所にようこそなのよ!」

「さっき出来たばかりだよね、この研究所」

「細かいことはいいのよー! そんじゃ早速、錬金術を試すのよ!」

「うん」

「まずは石を加熱するのよ」

「わかった。すうっ……ーっ!」

「おー、さすがリリー、高熱のブレスなのよー。ところでリリー? 石、どこいったん?」

「……てへっ、蒸発しちゃった」

「ありゃー……ま、石はたーくさんあるのよー! 次はいい感じでお願いするのよ!」

「わかった!」



「うむ、多分いい感じなのよ!」

「次は何をするの?」

「次はねー、この焼けた石の中に、おいもを突っ込むのよ!」

「おいも? それ、錬金術に必要なの?」

「うむ、必要なのよ!」

「そっか。よいしょ、よいしょ」

「この本に載ってるのと、おんなじ感じになったのよ!」

「おー。ここからどう変化していくのか、楽しみだね」

「うむ!」

「で、次は?」

「んーとねー、しばらく待つのよー」

「そうなんだ」



「あれからしばらく経ったのよ!」

「見た感じ、特に変化はないね」

「うむ。えーっと、中のおいもを取り出すのよー」

「わかった」

「んでー、おいもを割るのよー」

「割るの? はい、割ったよ?」

「これで完成なのよ!」

「……えっ?」

「ほら、この本にはこれで完成って書いてるのよ!」

「見せて……あっ、表紙が外れた」

「んー? なんか書いてあるのよ。『まさに味の錬金術! おいしい石焼き芋の作り方』だそうなのよ?」

「「……」」

「騙されたのよ!」

「騙されるも何も、最初から胡散臭かったし……ある意味納得できたよトナカイ」

「錬金術じゃなかったのは残念なんけど、おいもはおいしそうなのよ!」

「うん。早速食べようよトナカイ!」

「うむ! 今机と椅子を出すのよーいしょーっ!」

「……トナカイは錬金術なんかいらない気がするよ?」

「んー? よく聞こえなかったのよ。どしたんリリー?」

「何でもないよトナカイ!」



 焼き芋はとてもホクホクで美味しかったそうな。

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