表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/100

リリーのスイカ割り

「巷では、スイカ割りっていうものが流行ってるらしいよトナカイ」

「そうなんねぇ」

「うん」



「というわけで、砂浜にやって来たよ」

「ここら辺はこの時期、特に暑いらしいのよー」

「この砂浜に寝っ転がってたら、焼け死にそうだよね」

「うむ、トナカイの砂浜焼き、焼きリリー添えが出来上がるかもしれないのよー」

「なんかやだね……」

「こんな所でスイカ割りをするのが流行ってるのねぇ。人間の考えてることは、よくわかんないのよー」

「あっ、もしかして……極限状況でも冷静に獲物を狙うための、訓練なのかも」

「そうかもしれないのよー。こんなのが流行るなんて、人間は自身を鍛えるのに熱心なんねぇ」

「うん……あっ、そうそう、スイカ割りは目隠しをしてやるらしいから、やっぱり訓練だね」

「ふむー、極限状況の上に、視界まで制限されることまで想定してるんねぇ……」

「人間、侮れないね……さて、私たちも早速やってみようよ」

「うむ!」



そんじゃリリー、目隠しをしてあげるのよー」

「トナカイに目隠しされてしまった。これから何をされてしまうの……ごくり」

「リリーがスイカ割りをするのよ。ささ、始めてどうぞー」

「うん……スイカの気配を探らないと」

「スイカに気配なんてあるん?」

「……全然わかんない」

「そんじゃ、トナカイが教えてあげるのよー」

「うん、よろしく」

「まっすぐなのよー」

「こっちかな?」

「そしてくるっとターンを決めるのよー」

「はいっ」

「いい回転だったのよ。そのまま前方にジャンプしながらリリークロー十六連撃をお見舞いするのよ!」

「せいっ、やぁぁ!」

「やったか、なのよ!」

「……トナカイ、何だか嫌な予感がするんだけど、目隠し外してもいい?」

「どうぞー」

「……トナカイ、スイカはどこ?」

「あっちなのよ」

「だよね。じゃあ、私が仕留めたのは一体……」

「この前リリーが作ってた砂トナカイなのよ」

「まだ残ってたのあれ!? そして自分の作品を手にかけてしまった……力作だったのに!」

「なんか変な削れ方して、見たら呪われそうな不気味トナカイになってたのよ……見ない方が良かったと思うのよ」

「そ、そうなんだ……せめて製作者の手で葬れて、よかったのかな」

「ちなみにトナカイの作品もまだ残ってたのよ」

「ほんとだ……うわぁ、変な削れ方して廃墟みたいになってる」

「あれはトナカイがやるのよー」

「じゃあ、私が声で誘導すればいいんだね」

「よろしく頼むのよー」



「それじゃいくよー」

「うむ、頑張るのよー」

「まず右を向きます」

「こっちなのよー?」

「そのまま真っ直ぐ行って、両手を広げます」

「ふむ? はい、こんな感じなん?」

「そうそう。そこから三歩前に出て、前の物体を包み込むように抱きしめます」

「三歩歩いてからのー、包み込むのよー」

「うん、いい感じです」

「「……」」

「この包み込むように抱きしめたリリーを、あっちにある、トナカイの作品に向かって投げたらええのん?」

「目隠し意味ないじゃん!? あとリリーは投げるものじゃないよ!」

「冗談なのよー。代わりにこれを、よいしょーっ!」

「……今、何を投げたの?」

「そこに落ちてたスイカなのよ」

「そういえばスイカのこと、すっかり忘れてた!」



 トナカイが投げたスイカは、以前トナカイが作った砂の城を粉々に破壊した後、綺麗に真っ二つに割れた。

 そして二人に美味しく食べられたそうな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ