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ゆっくり過ごす日

「「……」」

「リリー、今日は何しようねぇ?」

「んー、なんとなくゆっくりしたい気分だよトナカイ」

「そうなんねぇ。それじゃ今日はゆっくり過ごすのよー」

「うん」



「「……」」

「今日も天気がいいのよー」

「そうだねぇ」

「今日も何かいいことが、ありそうなのよー」

「そうだねぇ。あっそうだ」

「……ん? どしたんリリー?」

「よいしょ……気にしないで」

「ふむー。トナカイ、何でリリーに転がされてるんか気になるけど、気にしないことにするのよー」

「手はこっち。足はこっち……」

「仰向け大の字になったのよー」

「うん、完璧」

「これで完成なん?」

「うん。あとは……」

「リリーが手のひらサイズに変身したのよー」

「よいしょ、よいしょ」

「トナカイのおなかによじ登ってきたのよ」

「んー、いい感じ」

「トナカイのおなかの上に寝っ転がったのよー」

「何で私の行動を実況してるの」

「特に意味はないのよー」

「そうなんだ。んー、一面もふもふ……」

「リリーは本当に、もふもふが好きなんねぇ」

「うん、このもふもふがないと、私は生きていけない」

「それは大変なのねぇ」

「トナカイに、もふもふなしでは生きられない体にされちゃった……」

「なぜかリリーが恥じらってるのよ」

「このもふもふが、とってももふもふで、幸せです」

「それは良かったのよー」

「……すやぁ」

「寝ちゃったのよ。リリーは寝つきがとってもいいのよー」

「……えへへ」

「幸せそうな顔をしてるのよー」

「んふふ……」

「何かいい夢を見てるんかなぁ?」

「すやぁ……」

「リリーが乗っかってると、トナカイ動けないのよー。今回はリリーが起きるまで大人しくしてるのよー」



「……」

「すぴー……」

「そろそろお日様が沈むのよ……リリーはよく寝てるのよぉ」

「うふふ……」

「トナカイのおなかに頬ずりしてるのよ……そろそろ起きてもらわないと、ご飯が作れないのよ。リリー? 起きるのよー。ほっぺツンツン」

「んにゅ……」

「全然起きないのよ。リリー、起きるのよー。ほっぺツンツンツンツン……」

「んんっ……にゅぅぅ……がぶっ!」

「おうふ!? 指を噛まれたのよぉ……」

「がぶがぶ……すやぁ」

「トナカイの指を咥えたまま寝ちゃったのよ……困ったリリーなのよー。略して困リリーなのよ」



「……夜が明けたのよぉ。綺麗な朝日だったのよ」

「ぐぅ……」

「さすがに寝過ぎなのよ! リリー起きるのよーいしょーっ!」

「はうぁっ!? 何事!」

「朝なのよ」

「……んー、なんだ、ただの朝かぁ……よいしょよいしょ」

「リリー? 再びトナカイのおなかによじ登っても、寝かせてあげないのよ?」

「今夜は寝かせないだなんて……トナカイ大胆発言」

「リリーが何を言ってるんかよく分からないのよぉ……それに夜じゃなくてもう朝なのよ!」

「うーん……まだ眠い」

「昨日の昼からさっきまでずーっと寝続けていたのよ! さすがに寝過ぎなのよ!」

「あと三日は余裕で寝れる気がする」

「リリーはねぼすけさんなのよー。略してねぼすけリリーなのよ」

「略せてないよ」

「そんなことより、ご飯を作るのよー」

「うん、ご飯が出来たら起こしてね」

「寝たらご飯半分にするの「今日もいい朝だねっ! 早起きって気持ちいいなぁ!」……リリーは食いしん坊さんなのよー」



 トナカイとリリーの、割とよくある光景であった。


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