リリーの宝探し
「こっちにお宝がある気がするよ!」
「そうなん?」
「ドラゴンの勘がそう言ってる! 気がする!」
「ドラゴンって、お宝の場所がわかるのねぇ」
「うん、なんとなくお宝がありそうな場所がわかるの」
「すごいのねぇ」
「凄いでしょー! ドラゴンはお宝が大好きだから、勘を頼りによく集めてるの。だからドラゴンの寝床って、よくお宝が転がってるんだよ」
「そうなんねぇ。リリーはお宝集めてたん?」
「私は昔、住処でゆったり過ごしてたから、あんまり集めてなかったよ」
「のんびリリーなのねぇ」
「ふふっ、なにその略し方、へんなのー」
「むふー、今思いついたのよー」
「あれー、おかしいなぁ……また空っぽ!」
「そうねぇ。そういうこともあるんねぇ」
「むーっ! 人間の姿になれるようになってから、どうもお宝発見の勘が鈍ってる気がする」
「そうなん? ドラゴンの姿じゃないとあかんのん?」
「んー、そんなことはないと思うんだけど……」
「不思議ねぇ」
「昔は、積極的に集めてなかったけど、ちゃんとありそうな方向とか分かったのになぁ……のんびりしすぎて勘が鈍くなっちゃったのかなぁ」
「そういうものなん?」
「本能的なものだから、そうそう鈍ったりはしないはずなんだけどなぁ……ただね、本当に勘が鈍くなることはあるらしいよ」
「そうなん?」
「うん。それはね、自分にとって一番の宝物を見つけた時なの。心のどこかで満足しちゃって、勘が鈍くなるんだって。そこまですごいお宝を見つけるドラゴンなんてそういないから、本当かどうかは分からないんだけどね?」
「そうなんねぇ。リリーはすごいお宝、もってるん?」
「トナカイ、私がお宝見つけたところ、見たことある?」
「トナカイの記憶が確かなら、一度もないのよ!」
「うん、トナカイの記憶に間違いはないよ……はぁ、何でかなぁ」
「そんなに落ち込むことはないのよ! トナカイが一緒にリリーのお宝、探してあげるのよ!」
「うん、トナカイと一緒だったら、宝探しすること自体が楽しいもんね!」
「むふー、それはよかったのよー。リリーの一番のお宝を求めて、頑張ってさがすのよ!」
「おー!」
「リリー、今日はどこに行きたいのん?」
「今日はねー、んー……あっちの方角にお宝がある! といいな!」
「ふふっ、そうねぇ。次はお宝、あるといいねぇ。でもその前に、ご飯なのよー」
「今日のご飯は何?」
「今日はねー、リリーが好きなお肉料理なのよ! いっぱい作ったから、いっぱいおかわりしてもいいのよー」
「やったー! トナカイ大好き!」
「むふー、リリーは本当に、お肉が好きなのねぇ」
気が向いた時にお宝探しをするリリーたちであった。
しかし、リリーの勘が冴えることはなかったそうな。




