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異世界を無限のスキルで生き延びる。  作者: 巫女崎
異世界召喚編
8/48

08.新しい肉体


 その部屋にいるのは二人の男女だった。

 男性の方は三十代前半であるにもかかわらず威厳のある姿が見て取れる。

 対して女性は人をも殺せてしまいそうな鋭い視線が印象的な二十代前半である。

 時刻は午前2時、彼女は予想外のイレギュラーを目の前に立場の高い彼のもとへ訪れていた。


「それでいったいどうした、何があった」

「それがですね、出ました」

「出た?幽霊か何かか」

「違います。十年に一度の大型新人です」

「まさか。こんなタイミング良くか?」

「信じられない、それはごもっともだと思います。ですが彼はFランクであるにも関わらずAランク相当のハンターベアを狩ってきました」

「ハンターベア!?その死体がここにあるのか!?」


 男性は驚きのあまり机上の置物を落としてしまう。

 その置物をもとの位置に戻すと男性は冷静を装って聞く。


「それでハンターベアの死体は?」

「今《情報視認(データチェック)》持ちに調べてもらっていますがおそらくAランクの魔物では無いかと」

「分かった。とりあえず死体については私も立ちあって見てみることにしよう。で、その時の担当者は」

「私です」

「君はその者がここに来た時に応接間に連れてこれるようにカウンターの方に戻ってくれ」

「了解です」


 そういって女性は部屋を出て行った。

 男性は困惑していた。


 Aランクのハンターベアと言えば魔物の森で突如現れた高ランクの魔物だ。

 そのため現在魔物の森ではCランク以下の冒険者は進入禁止となっている。

 この件でギルドはBランク以上の冒険者に討伐依頼を出していたのだ。


 だが彼女はFランクの冒険者が冒険者が狩ったと言っていた。おそらくかなり若い冒険者なのだろう。

 その者はいったいどういう方法でハンターベアを狩ったのだろうか。


 男性は死体の詳細を調べるべく《情報視認》持ちが普段から鑑定に使っている部屋に向かった。






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






<おはようございます、主>


 その言葉で俺は叩き起こされた。


「何、こんな朝早くから」

<何言ってるんですか、もうお昼です。ギルドの方でもそろそろ鑑定結果がでたと思いますので起こしてあげようと>

「そうかい、でも先に作っておきたいスキルがあるからそのあとな」

<またスキルですか...いえ、では私に一つ作ってはいただけませんか>

「?いいけど、珍しいね」

<普段主は私との会話で声を出しているので私にも肉体があれば会話の不自然さが解消されること。あとは久しぶりに自身の体で行動してみたいのです>

「久しぶり、ね。じゃあさっそく作りますか。柳の3分クッ◯ング!」

<パクリですね>


>エクストラスキル>非戦闘スキル>スキル名:心眼


【エクストラスキル《心眼(マインドアイ)》を入手しました。

 半径1キロ以内の者の心が見えるようになります。

 視認距離は任意で変更することが可能です。】


>エクストラスキル>戦闘補助スキル>スキル名:創造肉体譲渡


【エクストラスキル《創造肉体譲渡(コピーレプリカ)》を入手しました。

 肉体を創造、主人格以外に譲渡します。

 性別は人格に依存、ステータスは肉体創造者の半分、スキルは肉体創造者が任意で所持スキルから複製します。】


<主、ありがとうございます。これで私も戦闘することが出来ます>

「そうか。戦闘したいから俺にお願いしてきたのか」

<はい。ところで主、《心眼》はどのような意図があって作成したのですか>

「ああ、これはトラブルを回避するためだよ」

<トラブルですか>

「そう。俺、いや俺たちか。俺たちはこれから数日はここにいるつもりだが、俺と付属品さんにはこの世界の常識が足りてないと思ってる。もしここの治安が悪かったらすぐ絡まれるだろう」

<夜中に宿と冒険者ギルドを探して襲われなかったのですから治安は良い方ではないかと>

「あくまでも可能性だ。それにこれは魔物にも使えるから生き物の場所確認にも使える」

<確かにそれがあれば深夜にハンターベアに襲われることはなかったかもしれませんからね>


 付属品さんもどうやら納得してくれたようだ。

 という事で俺はさっそく《創造肉体譲渡》で元となる体を作り出した。

 この時点では性器はついていないことが分かる。つまり人格が宿った瞬間に体が完成するのか。それはまずい。


<では主、譲渡で私をあの肉体に宿していただけませんか>

「...悪い、今は無理だ」

<そうですか、ですが譲渡である以上私が使っても私があの肉体に宿ることはできません。できない理由を聞いてもよろしいですか?>


 理由?そんなの服を着てないからに決まってる。だって話し方からして付属品さん女性じゃん。流石に裸体の女性を連れまわすわけにはいかないし俺の持ってる服も今着てる制服しかない。


<ああ、そういえば確かに服を買っていませんでしたね>


 ...そういえば付属品さん考えていることが読めるんでしたね。


<では服屋とランジェリーショップへ向かって頂けますか>

「服屋に行くのでランジェリーショップは一人で行ってください」

<それは残念です>


 そのあと服屋に行った俺は手持ちのお金では足りないことに気づき、服屋を出て冒険者ギルドに買い取り金をもらいに行った。


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