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異世界を無限のスキルで生き延びる。  作者: 巫女崎
異世界召喚編
2/48

02.狂気の悪魔


「《情報公開(ステータスオープン)》」


 そう言って大和はステータスを見せた。


 名前:倉場 大和

 種族:人

 年齢:15

 LV:1

 状態異常:

 基本スキル:《武闘家LV.1》

 ユニークスキル:《情報確認ステータスコール》《情報公開ステータスオープン》《強化拳(ハイパンチ)

 1ページ目/2ページ ▷


 軽く見渡して部外者の顔を見てみる。

 ...うん、周りの兵士、貴族の反応は悪くない。

 続いて2ページ目の画面を見せる。


 HP:320/320

 MP:56/56

 攻撃力:24

 守備力:13

 素早さ:21

 魔法力:4

 運:8

 ◁ 2ページ目/2ページ


「ありがとうございますクラバさん。では最後の貴方、どうぞお開きください」


 その言葉で部外者の興奮が高まったのが分かった。

 といってもその期待は《錯覚才能(フェイクスキル)》で裏切らせてもらうけどね。


「《情報公開(ステータスオープン)》」


 俺は倉場より少し低めのテンションで口にする。


 名前:柳 真一

 種族:人

 年齢:15

 LV:1

 状態異常:

 基本スキル:《剣士LV.1》

 ユニークスキル:《情報確認ステータスコール》《情報公開ステータスオープン

 1ページ目/2ページ ▷


「......]


 ...とりあえず外野を黙らせることには成功した。でもそんなあからさまに期待を裏切られたみたいな顔されたらさすがの俺も傷つくよ。

 しょうがないじゃん。もう一つスキルあった方がいいかなと思ってたらもう次が自分だったんだから。

 というか戦闘スキル一つあっただけでも十分だと思う。そう思っておこう。


 その場の空気を変えようと2ページ目を開く。けど多分無理だろうなあ、だって俺のステータス、クラスの平均よりも低いもん。


 HP:100/100

 MP:100/100

 攻撃力:10

 守備力:10

 素早さ:10

 魔法力:10

 運:10

 ◁ 2ページ目/2ページ


 すると一変、外野たちがガヤガヤし始めた。

 確かに俺のステータスはきれいだけどきれいすぎて二進数に見えてくるんだよ。

 その場合俺は速攻で魔物に狩られる運命なのだが。


 外野がうるさい中、王女は何かを考え込んだ後俺にみんなと同じセリフを口にする。


「ありがとうございますヤナギさん」


 その言葉を聞いた瞬間俺は急いで王女に背を向けてクラスの中に戻っていた。

 その時の王女の顔は仮面をはがした悪魔のように見えた。


 ......いや、あくまが、こちらを、みていた。


「...い...、お...なぎ、おい柳!」


 誰かが、俺に、呼びかける。

 その言葉で俺は多少ではあるが冷静を取り戻せた。


「あ、ああ、倉場か、どうした、大丈夫か、その顔」

「お前何言ってんだ、『大丈夫か』はこっちのセリフだよこの馬鹿。顔色悪いじゃねーか。それにその汗」

「悪い、心配かけたみたいだな」

「心配かけたんじゃない、今心配かけてるんだよ。それくらい理解しろ」


 倉場と話して落ち着いたためか足に力が入らなくなる。

 思わず崩れそうになった俺を倉場が引っ張り上げた。


「...悪い倉場、どこか休める場所まで肩貸してくれないか?」

「おう、それくらい任せろ。ちょっとそこのあんた、こいつが調子悪いんで休めそうなところまで案内してくんねーか」


 倉場が兵士の一人にどこかへ案内させる。全く、社交辞令がなってないくせにこういう時に役に立つとかお前はいつから主人公になったんだよ。


 背後では王女が何か言っているようだったが、今の俺にはそれを気にする余裕はなかった。






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






 私は召喚された人間たちへの説明を終えた後自室へと戻ってきていた。

 お父様への報告は執事にお願いした。

 だってわざわざあんな面倒なことをしたんだもの。

 召喚した人のステータス確認を含めたら3時間くらいかしら。

 そんなたくさんの時間をお父様の代わりに費やしてあげたのだから今日一日はもう自由にしていいわよね。

 それに今は一分一秒という時間が惜しい。


 ようやく会えた運命の人、ヤナギ シンイチ。

 彼のステータスを見て確信したわ!だって予言の通りなんだもの!

 でも彼はあの人間たちと比べても勘が鋭い。

 あの時何十人という人が私の顔を見ていたというのに気づいたのは彼だけだった。

 まあでもそれはつまり、彼だけが私を、本当の私を愛してくれるという事だもの。


 それよりも問題は彼にどう近づくか。

 普通に近づけば彼に近づく前に他の男が寄ってきてしまう。

 彼の部屋に誰かの名前名義で手紙を書いてここに誘導しましょうか。

 でも彼は勘が鋭い。そんな簡単なことではきっと彼は気づいてしまう。

 だったらいったいどうすればいいのだろうか。できれば彼が絶対に逃げることのできない状況が望ましいわね。


 ...そうだわ!彼が寝ているときに私が食べてしまえばいいのよ!

 一度食べてしまえば私のスキルは永遠に続く。

 そうね、では今日の夜、彼を私のものしましょう。

 今日の夜が楽しみだわ。


「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」


 彼女の声は誰にも聞こえない。


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