表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界を無限のスキルで生き延びる。  作者: 巫女崎
異世界召喚編
1/48

01.エクストラスキル

初投稿になります。

見切り発車ではありますが応援やらアドバイスやら頂けるとありがたいです。

目標は1週間で1~3話投稿です!


 異世界召喚。

 その言葉を俺、(やなぎ) 真一(しんいち)が知っているのは転移、転生モノの小説が好きだからというちっぽけな理由でしかない。

 だから先ほど王女と名乗る女性がクラスの前で「私たちが皆さんをこの世界に呼びました」と言った時も正直ピンとこなかった。

 でも五感の全てがはっきりと感じる以上ここがいま俺の存在している世界だという事は理解できる。

 なのでとりあえずはここが異世界だという事を信じることにした。


「私たちが皆さんに望むのはただ一つ、皆さんには魔王を倒していただきたいのです」


 魔王の討伐ですか。転移系小説のお約束ですね。


「王女様!俺たちは戦うどころか武器すら持ったことないんだぜ!それでどうやって魔王に戦いを挑むってんだよ!」


 そういうのは野球部4番の下上(しもかみ) 勇也(ゆうや)君。

 いや君いつも部活でバット振ってるよね。


「それについては問題ありません。皆さんにはしばらくの間この王城で戦闘に慣れてもらうために訓練を行って頂きたいと思っています」

「訓練、ですか?でも僕たちの中には運動が苦手な人もいるんですよ。そんな人がいくら武器をもって訓練を受けたところで足手まといになるとしか思えないのですが」


 生徒会書記で人望の厚い村山(むらやま) (いつき)君は冷静に聞く。

 君何気に何人かけなしてったよね。よくそれで人望が集まったね。


「別に皆さん全員が武器で戦うわけではありません。この世界には魔法があるのです、魔法適性が高い方は魔法で戦うことに慣れて貰おうと思っています。まあ、細かいことは皆さんにお任せしますが」


 へー、魔法なんてあるんだ。さすが異世界。

 てか適正なんて知る方法があるのか。見てみたい気持ちはあるけど小説では見ると同時に洗脳されたりとかするんだよな。


「皆さんもステータスコールと言って頂ければご自身の能力が確認できるはずです」


 それを聞いた瞬間ほとんどの人が「ステータスコール」と口にしている。

 俺からは他の人のステータスは見えないみたいだ。

 まあこれなら洗脳の可能性は無い...のかな?

 俺は「ステータスコール」を魔法名っぽく言ってみることにした。


「《情報確認(ステータスコール)》」


 名前:柳 真一

 種族:人

 年齢:15

 LV:1

 状態異常:

 基本スキル:

 ユニークスキル:《情報確認(ステータスコール)》《情報公開(ステータスオープン)

 エクストラスキル:《才能創造(スキルクリエイト)

 1ページ目/2ページ ▷


 ――ステータスコールは魔法ではなくスキルだったようです。

 他の二つのスキルも気にはなるけど今わざわざ時間をかける必要もないだろう。

 2ページの横の三角を押す。


 HP:100/100

 MP:100/100

 攻撃力:10

 守備力:10

 素早さ:10

 魔法力:10

 運:10

 ◁ 2ページ目/2ページ

 ...なんというか、ツッコミどころしかないステータスだね。

 でもこれってクラスの中で高いのかな?低いのかな?

 ステータスとにらめっこをしていると王女様(仮)が話を再開する。というか完全に王女のこと忘れてたよ。


「皆さんどうやらご自身のステータスが確認できたようですね。では皆さん、一人ずつご自身のステータスを他の皆さんにもお見せください」


 その言葉を聞いたクラスの反応は大きく分けて3つってところだな。

 1つ目。


「よし、なら最初は俺がみんなに見せよう。そのあとでみんなも他の奴に見せてやってくれ」


 自分のステータスに絶対的な自信があるやつ。

 2つ目。


「それって絶対なの?中には見せたくないって人もいるんじゃないの?」


 自分のステータスの弱さ、もしくはスキルを隠したいやつ。

 3つ目。


「なあなあ柳、なんか面白そうなことになってきたな。」


 馬鹿。馬鹿の中でも頂点に君臨する馬鹿。

 え、俺はどれかって?そんなの隠したいに決まってんじゃん。

 だがステータスの公開に拒否権はないらしい。最初の奴を皮切りに他の奴も見せていき、それと同時に俺は一つの危険に気づいた。

 このクラス、ほとんどの奴がエクストラスキルを持っていなかったのである。

 そのくせ、これまでの全員が基本スキルを持っていると来た。

 非常にまずい。このままでは俺はこの世界を楽しむ前にこの国に拘束、最悪軍事利用もありえるかもしれない。

 危険だと踏んだ俺はあるスキルに望みを託すことにした。

 そう、俺のエクストラスキル《才能創造(スキルクリエイト)》である。

 名前からしてみればスキルを作り出すという事だが、エクストラスキルでエクストラスキルを隠すとは無限ループしそうな状況である。


 「《才能創造(スキルクリエイト)》」


 俺が小声で唱えるとそれはだれにもばれることなく開いた。


>近接戦闘スキル

>遠距離戦闘スキル

>戦闘補助スキル

>非戦闘スキル

>エクストラスキル


 それは5つの項目に変わり、俺を優遇するかのようにエクストラスキルまでもが選択肢の中に存在した。

 俺はその中で今必要になりそうなスキルを選ぶ。

 するとまた選択肢が現れる。俺はだれにもばれないようにそれを最低限の動きで繰り返し、最終的に2つの才能(スキル)創造(クリエイト)した。


>近接戦闘スキル>剣術スキル>スキル名:剣士


【基本スキル《剣士LV.1》を入手しました。

 斬撃攻撃時、攻撃力が10%上昇します。

 レベル上昇に応じてスキルを覚える場合があります。】


>非戦闘スキル>情報操作スキル>物質情報スキル>スキル名:錯覚情報


【ユニークスキル《錯覚才能(フェイクスキル)》を入手しました。

 《情報確認(ステータスコール)》時にスキルの公開、隠蔽が選択できるようになります。

 隠蔽したスキルは《情報公開(ステータスオープン)》時に表示されなくなります。

 隠蔽中のスキルは他のスキルの影響を受けません。】


 基本スキルの方は特に言う事がないけど、ユニークの方はまるで《情報確認》《情報公開》を持っていることが前提のようなスキルだな。

 それともこの二つはもともと全員が持っているものなのか?それなら理解できるが最初から全員がユニークを持っているっていうのは少し違和感を覚える。

 俺が色々考えていると不意に誰かが俺の方をたたく。


「柳、俺たちで最後だ。さっさと見せて魔王倒しに行こうぜ」


 クラス随一の馬鹿、そして俺の友人である倉場(くらば) 大和(やまと)がそう言って王女たちの前に進む。

 そうだ、俺の冒険はまだ始まってすらいないんだ。

 今は作り上げたこのスキルでこの場を乗り切ることに集中しよう。考えるのはそのあとだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ