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湯口と湯尻って何ですか?

※ぜんかいまでのおしゃらい

よいこのみんな、おふろにはいるまえはかならずかけゆをしてね!


「温泉のマナーそのに! 『湯船にタオルを投入するな!』これはいわんとすることはわかるであろう白浜嬢!?」

「はいなっ! 公衆の湯船に天の使用済みのフェイスタオルを入れるなんてばっちぃもんな!」

「おい、てめ」

「どんどんゆくぞ! 温泉のマナーそのさん! 『浴場で染髪するな!』」

「えぇー、中継ぎじゃだめなん?」

「シャラップップップ! しょうもないことをいうでない! 染髪剤は特にスメルのキツイモノが多いし、皮膚が弱いものが触れるとかぶれる! 洗い場を汚すしで百害あって一利なし! まるで、フロントミラーにこびりつくムクドリの糞のようなもの!」

「えぇ……そりゃ、いややな……車のフロントミラーに天の排泄物がこびりついてたら……」

「おい……おいっ! てめっ」

「まだまだ! 温泉のマナーそのよん! 『浴場を走り回るな!』基本的に浴場の床は天のあそこのようにつるっつるである! そんな滑りやすいパイ●ンな床ァをショタのように走り回れば当然、ズッコケ三人組となる! 頭を打ってそのまま……なんてならぬように浴場内での移動は基本徒歩か匍匐前進で行いたまへ!」

「うんうん、たまーに銭湯とかでガキんちょ共が大運動会を開催してるの見るけど、危ないもんなアレ。ただでさえ、浴場の床は天のあそこのようにつるつるやし親は子供から絶対目ぇ話したらあかんわ」

「おいこらてめぇら! いい加減に」

「フハ! これで終わったと思うな! 温泉のマナーそのご! 『脱衣所で携帯電話やスマホをいぢくるな!』SNSやインスタグラムなどのツールが続々と誕生し、情報過多となったこの時代! 人様の醜態を撮った写真や動画をいとも簡単にネットでうpする輩が増えている! 不用意に携帯やスマホを脱衣所で取り出して、盗撮と勘違いされてタイーホされても俺は知らんぞ!」

「うへぇ……怖い時代やな。ネットに天の蒙古斑がアップされたら私、悲しいわ……」

「わ、私は蒙古斑なんかついてねえぞ!」


麻美とアスパラ有馬の温泉マナーに関するトークがヒートアップしている。

く、くそこいつら先刻から会話の節々に人の悪口を入れやがって……昔の私だったらとっくにこいつらまとめてソープ漬けだこらあ。ま、まあ?萌え萌え美少女である私はこんな幼稚園児レベルの悪口に別にキレたりしませんけど?アスパラ有馬の髪を千切りたいとか燃やしたいとか全然思ってませんけれど?アスパラ有馬の陰毛を引き抜いて、麻美の飯にふりかけたいとか微塵も考えてませんけれど?


し、しかし、麻美と一緒に風呂に入ったことがないのに何故、麻美は私の腎部事情を知っているのだ?


「青二才の天ちゃん?」

「だ、誰のケツが青いだぁこらあ! はっ倒すぞてめー……って、根暗じゃなくて城崎パイセン。な、何ですか?」


野菜有馬への報復計画を頭の中で考えていると、先の根暗ウーマン、城崎栞パイセンが私に声を掛けてきた。看護師、つー職持ちだからなのかこの中では一番、大人っぽい色香?雰囲気?オーラが滲み出ているような気がする。ま、萌え萌え美少女の私には関係のない話ではあるし、そーいうのは熟女系の女優でお腹いっぱいです。


「このサークルは……楽しい?」

「ちゃんと今の会話を聞いてたのかよこの年増……じゃなくて、楽しい訳ないじゃないですか。あいつら私の悪口大会で盛り上がってるんですよ?」

「ふふふ……まあ、そんなに激オコにならないであげてね? あの人、温泉の事になると周りが見えなくなる人だから。それに言うじゃない? 男の子って自分が好意を持っている女の子に対してついいぢわるしちゃうって。きっと照れてるのよ、あの人」


城崎パイセンは根暗マンとは思えない笑顔をし、パンと胸の前で両手を合わせて何故だか嬉しそうな仕草でそんなことを口にする。ゲェー!あの野菜メガネに好かれるとか、それマジ勘弁な!それならまだ、網タイツを装備した変態調教おやぢに好かれる方が数倍マシだ!……いや、あの、ごめん、それは流石にちょっと言い過ぎた。城崎パイセンのキャベジィ有馬が私に対して好意を持っているんじゃないかという言葉に対して、聞かされた私は心も体もトリハダ状態であった。


「フハハハハ! フハッ…ん、ん゛んっ……オフッゲッッブフオ゛フ゛ゥ……! さ、さあ……あと残り二つだ諸君! 元気ヴィンヴィンにゆくぞ! 温泉のマナーそのろく! 『湯船に入浴する際は湯尻から入浴し、湯口へ徐々に近づけ!』」

「ゆ、湯尻……? ゆ、湯……口……?」

「開いた口が塞がらない、といった表情をしているな白浜嬢。塞がらないのなら俺の野菜スティックで塞いであげよう!……と言いたいところであるが、フハァ! 何が言いたいか分かるぞ白浜嬢!」

「セクハラかっこのアスパラ有馬ァ! 公安に叩きだすぞこらあ!!」

「なんで公安? ま、まあまあ……天。それよか、湯尻? 湯口? なんや、何のことか全然わからんで有馬先生。おしえてーな」

「ふふん、そうさな。まず、『湯口』とは湯船でお湯があふれ出ている個所を指す! つまりはお湯が生まれ出るかの地! お湯の鮮度が高い場所であるな。それに対して、『湯尻』とは湯口から一番遠い個所を指す! お湯の鮮度が湯口と比べて低いのである。そうだな、川で例えるなら、上流を湯口、下流を湯尻、といえばわかりやすいか」

「へー、なんとなくわかったけど、何でその湯ケツから入らなあかんの?」

「湯ケツ言うな。考えてみろ。湯口はお湯の鮮度が高いといったであろう……つまりは、汚れなき処女のように綺麗なようた……場所なのである!」

「おい、貴様、いま幼体って言いかけただろ?」

「ええい天よ、話の腰を折るでない! そんな綺麗な場所に一か月洗ってない靴下や甘酸っぱいスメルのするようた……ホームレスが入浴して来たらどう思う? そうっ、これは『粋』なのであるッ! 気持ちの問題ではあるが、そういった気遣いが出来る男がモテルという調査結果が出ているのだッ!」

「あれ? 何か途中から話が変わってへん?」

「変わってなどいないッ! さあ、わかったら最後の温泉のマナーそのなな! 『浴場から脱衣所へ上がる際は入念に身体を拭け!』これは言わんでも分かるだろうが、濡れ濡れの状態で上がるな! ここはお前の家ではない! 手持ちのフェイスタオルで体の水分を拭き取ってから、颯爽とそのまま風呂場から立ち去るのだ諸君!」

「そのまま裸で風呂場から立ち去ったら、只の変態じゃねえか! お前はこの世から立ち去れこの変態野郎!」

「フハハハハァ! 何とでも言うがいい! さあ、それでは温泉の七つのマナーのおさらいであるッ!!」


~有馬しぇんしぇいの七つの温泉マナー~


その一.『入浴前にかけ湯をしろ!』

その二.『湯船にタオルを投入するな!』

その三.『浴場で染髪するな!』

その四.『浴場を走り回るな!』

その伍.『脱衣所で携帯電話やスマホをいぢくるな!』

その六.『湯船に入浴する際は湯尻から入浴し、湯口へ徐々に近づけ!』

その七.『浴場から脱衣所へ上がる際は入念に身体を拭け!』

その八.『有馬しぇんしぇいを悦ばせろ!』


「おいっ! 何か一つ余計なモンが増えてんぞ!!」

「フハハハハハハ! さあ、何のことだか分かりませんな! 入浴する際は容量・用法を守って正しく入るのだぞ諸君!」

「ヤクの処方じゃねーんだぞ!」


「あ、あの……」


有馬が高笑いしていると、小さなノックの後にいきなりドアが開いた。

ドアが開いたそこにいたのはこれまた小さな少女であった。間違ってもようなんたらではない。しかし、なんだこの愛らしい少女は……こんな魔窟に美少女が一人ノコノコトやって来るなんて絵面が色々と可笑しい。そして、その少女の姿を見た瞬間、胸が何故だか高鳴る私も色々と可笑しい。な、何だろう……ま、また、軽度の心不全……かな。


「おお……『箱根』嬢ではないか。遅かったではないか、良く来たな」


有馬とってもおいしい野菜メガネはそう言いつつ、部屋にその少女を迎え入れた。

………………。

ん?今、なんて?

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